漫画レビュー~遠藤ってば!~

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百舌谷さん逆上する

                作者は男性ですw

■ツンデレ解釈と泣&笑の世界観の構築のセンス■

「百舌谷さん逆上する」
作:篠房 六郎
連載:アフタヌーン (講談社)
定価:¥ 560(一部値段が巻数によって前後します)


ストーリー:★★★★☆

画力:★★★★☆ 

キャラクター:★★☆☆☆ 

構成力:★★★★☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★★☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
「ヨーゼフ・ツンデレ型双極性パーソナリティ障害」、いわゆる「ツンデレ」という病気を持っている百舌谷さんと外見・学力・運動どれをとっても人並み以下、救いがない樺島番太郎との交流を思春期に入りかけの揺れる日常として群像に絡めて描きます。

~レビュー~
始めにもろもろのお話をさせていただきたく。
つい先月に3巻が発売致しまして、作品の判断も大方出来るなぁと判断しましたのでレビューさせていただくのですが、位置付けとしては3の作品です。それはひとえにコメディ・ギャグ要素から泣き・感動要素に繋がる魅せ方に後一歩自分の中で響いてくるものを感じ取れなかったのが原因でした。しかし、3巻でそのポテンシャルも感じることが出来、ある程度人を選ぶだろうけれども人によっては4~の評価になっていくのかなぁとも思っています。巻を追う毎に世界観や作品の魅力の底上げが顕著というのがあるので、良い意味で続巻も目が離せない作品です。

して、ジャンルを恋愛・青春漫画に組み込んだわけですが、2巻までだとしたら日常・コメディのジャンルに組み分けていたことでしょう。
端的に言えばそういう雰囲気の作品ということが言えると思います。




では実際にみていきましょう。
今作のテーマは言わずもがな「ツンデレ」でしょう。
しかしこれは私達が使っている意味としてのツンデレと同義かと言われると必ずしもそうではありません。
ツンデレ=一種の人格障害の病気として位置付ける今作では、それは架空の病気ではあるのですが笑えない下地に笑いをもってきたような感覚を覚えます。
世間ではツンデレキャラに萌える読者層の構図が出来上がりすぎて微動だにしないということもあるので、そういった側面では着目点としてはなかなかに斬新かつ個性的です。
ツンデレを患っているのが表紙画像にもなっている金髪ツインテール美少女の百舌谷小音(もずや こと)その人です。
苗字の読みはもずやです。
私は未だにももやと読んでます(笑)
ももやって響きっぽくないですか?話がずれるので割愛。

この百舌谷さんがとある学校に転入してきます。ここで登場するのが主人公なわけですが、これがまた個性的。

あ、このお話は小学校5年生のお話ですw

さて、その主人公ですが名前を樺島番太郎(かばしま ばんたろう)と言います。丸刈り頭でランニングシャツを着用、太っているともくればイメージしやすいことと思います。あの「のぼぉーっ」とした感じ。少しでも画ではなく伝わっていましたら幸いです。

百舌谷さんと樺島……一見するとどう考えても繋がりが見出せないのですが、そこにツンデレ要素が絡んできます。
他者の好意を自己の感情に反して攻撃的な言動でしか返せない百舌谷さんは他者と一般的なコミュニケーションを取ることが出来ません。
しかし!
ある種どうでもよく好意を覚えることも無い樺島とは普通に接することが出来るというわけで奇妙な2人の関係は続いていきます。

この辺りの流れはセンス、いいです。



大枠はこんな感じなのですが、ギャグテイスト全快で始まるものの百舌谷さんは病気で本気で悩んでいるという笑う方向にはない要素が絡むので何とも言えない窮屈感を覚える人もいるでしょう。
百舌谷さんの奇行というか暴言や暴力の側面というのは読み始めは気になるかなと思います。
ひとえにギャグを全面に押し出したものだからでしょう。
しかし作品の流れは百舌谷さんの心情や樺島の男気などなど次第にギャグではなく心理的な人間ドラマの形相で、物語としては感動あり、笑いありというように読者とのズレは次第に消え行くことになると思います。
感情豊かに読むタイプの人は入り込んでメシウマ体感を何度もすることでしょう。

痛々しさと心理描写の妙、そしてギャグの介入……、要素を掛け合わせた面白い漫画かなと思います。

また注意点という程でもないですが、全体的に文章を詰め込みすぎていて読むのに疲れるというのがあると思っています。ネームが細々としているというか。
極端な例えをすると「もやしもん」でうんちく文章がこれでもかと詰められて読むのに辟易するような感覚というか。
そこまで極端じゃないですけどw
情報量が常に多いというか、対極の話をすれば「バガボンド」を思い描いていただければイメージは伝わるかと。
ページをめくっていきにくいのに加え、一種の痛々しさのような側面を作品が含んでいるので、人を選ぶ漫画といえばそうなのでしょう。
ただしその感情というものに注視した構成は「ツンデレ」の解釈と合わせて非常に面白いです。

ある根底の性格や頑固な所ってなかなか変えていくのは難しいですが、それをツンデレという病気になっている少女の葛藤や姿から映し出している気がしてなりません。
重ね合わせて人の心を素直にさせてくれるような、させないにしても考えさせてくれるようなそんな不思議な感覚を私は覚えました。


まとめると、病気としてのツンデレに悩み苦しむ百舌谷さんと彼女のことが好きだけれどベクトルが変な方向に向ってしまっている樺島君の感情の起伏豊かな人間ドラマとなるのでしょうか。
3巻まで読んでの感覚ですが、話がハッピーエンドに向っていない気がしてならないのがちょっとだけ気になる点です。
どう転ぶのか読者がわからないというハラハラ感としてみれば流石なのですが、百舌谷さんの辿る運命が破壊の道のような気がしてなりません。
そういった点も含め、今後の展開には注目でしょうか。

そういえば余談ですが、3巻にて樺島が布団の圧縮機?に閉じ込められるプレイがありましたが、ガチムチ(二コ動の)ネタと絡めてダークおくりびとktkr!と思ってしまったのは私だけじゃないはず。
いや、いないか……w


病気としてのツンデレ縛りが作品の根底を支えてはいますが、本質はツンデレがどうとかより人情ドラマというかその辺りの巧みさをひしひしと感じる作品です。
ツンデレがどうとか表紙が萌えを狙っていてどうだとかそういう固定観念は抜きにして是非とも読んで欲しい作品かなと。
私もというか「は」ですが最初はそうでしたが、主人公であろう樺島番太郎の外見があれなので感情移入的な意味では最初抵抗感がありましたが、今作ってそういう漫画じゃねぇから!なんですよね。
昨今氾濫している下手な萌え恋愛ラブコメとは一線を博した内容になっていますので、キャラではなくて物語り全体の流れとして面白さを体感していって欲しいななんて思いました。
むしろ作品内は萌えだとかヲタクだとかそれこそツンデレなどを揶揄しているような感覚もあり、先行している作品のイメージと実際に読み進めた際の感覚では異なることでしょう。

作者が自ら3巻の巻末では妙な漫画と言っているのですが、言い得て妙ではあります。
ギャグだと思って読んでいるといつの間にか深刻なレベルのシリアスな展開になっていたりその逆も然り。
又ツンデレという言葉に惹かれて読み進めた人にとってはキャラ自体に一般的に見て萌えれるようなキャラは出てこないので肩透かししてしまうかも知れませんし(笑)判断は難しいです。


特定ジャンルだけしか読まない人への開拓作品としてはオススメ出来ませんが、わりかし色々なジャンルを読む人にとっては幅を広げさせてくれるような作品だと思います。
良し悪しを捉えての3作品ということで、作品のポテンシャル自体はもっと上にありそうですが、まだ3巻目ということで注視しつつ次巻も待ちたいと思いますっ。

※このレビューは3巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/08/21
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