漫画レビュー~遠藤ってば!~

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モテキ

                作者は女性ですw

■恋愛漫画好きは必読作■

「モテキ」
作:久保 ミツロウ
連載:イブニング (講談社)
定価:¥ 630(一部¥ 610)


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★★★★ 

キャラクター:★★★★★ 

構成力:★★★★☆ 

遠藤のツボ:★★★★★ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
今までモテたことがない、そんなしがない派遣社員で29歳になる藤本幸世(ふじもと ゆきよ)。ある日、知り合いの女性から連絡が入ったことをきっかけとして「モテ期」に突入することになるのですが……。もう少しで上手くいかない恋愛模様を中心として、いわゆる現代の草食系男子に視点を置き、モテない男の孤軍奮闘+駄目っぷりを描きます。

~レビュー~
つい先日2巻が発売ということで、当ブログは既刊が2巻になってからレビューをするという暗黙の掟に従っていまして、1巻発売の頃からレビューしたいとは思っていたのですが、ようやくレビューする運びになりました。個人的には5評価確定的な気持ちもあるのですが、一般的に見て最高作品群に並ばせるわけにもという気兼ねもしましたので、秀作といった所で今の評価に落ち着いています。まだ2巻ですし判断も難しいです。




さて、本筋に入る前に少し無駄な語りをさせていただこうかと思います。
今作の作者は知る人にとっては有名だとは思いますが、週間少年マガジンにて「3.3.7ビョーシ!!」という一風変わった青春漫画を描かれた後に同誌で「トッキュー!!」という海上保安庁特殊救難隊の物語を描かれていたということでですね。
連載誌が週間少年マガジンともなれば知ってない人の方が少ないかも知れませんが、私は3.3.7ビョーシ!!を連載していた頃から常々、今作者の恋愛漫画が読みたいと強く強く願ってきたファンの一人でした。
作品内にちらちらみれる恋愛描写ではなく本筋としてみたい。
理由は色々ありますが、格好をつけても仕方がないのでぶっちゃけると作者の描く人物の作風が個人的にツボにはまり過ぎていたというのがあります。女性筋で言うとこういうのとかですね(笑)

今作2巻目の表紙です

無論、絵柄だけではなく物語りの空気感だったり人物の性格付けなどのセンスが恋愛漫画に絶対合うだろうなというのがありました。
という想いがありつつ題材が救難救助物に移り、当分は恋愛作品は見れないだろうなということで気持ちをクールダウンさせていての2008年のモテキ連載開始。

求めていた年月!甦る胸の高鳴り!(*´∀`)八(´∀`*)

その喜びようは文字に伝え表すには(ry

話が脱線し過ぎなのでこの辺りで自重しますが、それはもう興奮したということで、今作は期待値通りの濃縮した今作者ならではの恋愛節を届けてくれたのでした。



自分語りはこの辺にして、実際に作品を見ていきましょう。
タイトルからして流行を掴むみたいなものをひしひしと感じますが、モテキです。人には人生に何度か必ずモテる時期があるなんてのはよく聞く話ですが、モテ期=モテキが訪れた主人公を起点に物語は始まります。
これだけ聞くと、設定が先行していて内容がついていくのか不安になるのが普通ですが、そこは今作者。
上げて落とす、常に作品内にはこの空気が首尾一貫されており、それは笑い所にもなっているのですが、モテキが来たから絶頂期だけを表現していくわけでもなく、その辺りの苦い感じの描写の妙が作品に軽快なテンポを加えています。
モテキなんだからもっと到来を絶頂期中心に描けばという声もあるかも知れませんが、より高品質のメシウマ描写を得るためには物語の揺さぶりは必要不可欠。
ともなれば駄目な主人公像がモテキをきっかけに成長していくという構図は、なるべくしてなったベストだと私なんかは感じました。
で、今作がどの点にスポットをあてているのかは整理しておくべき点でしょう。
一見すると恋愛には全く疎く、ろくに異性との関係自体を送ってこなかった人々を後押しするような作品とイメージでは思われがちですが、実際には微妙にニュアンスは変わってきます。
主人公の人格を形成する過去話も作品を深める上で語られていくのですが、まず主人公は非童貞だったり、女友達もいます。
そんな中で色々なトラウマがあって恋愛を遠ざけていた所、昔の派遣先での同僚の女性にライブに誘われたり気のおけない女友達からの遠出での旅行に誘われたりとモテキ突入で、さぁまた恋愛という名のステージへ……!?
そういった具合なので、本当の意味(何が本当かって話ですがw)での奥手な人向けに作られた話ではないのかなという印象です。


タイトルがタイトルだけに完全な非モテ系の話が描かれるのかと思う人も多いかと思うのでこの辺りは読む前に抑えておいて欲しい点です。
期待する箇所を間違えると残念感だったり肩透かし感を覚えることと思いますので、整理ということで一つ。
あくまで恋愛の参考書のような話ではなく恋愛の失敗経験やネガティブ思考になったりするあれこれに思いを馳せる的なスタンスの楽しみ方を念頭に置いている感じかなと私は感じました。
と言うと語弊があるようなので言い直せば、登場人物(主に女性キャラ)から語られる心理や20代以降の恋愛のスタンスなどは限りなく現実的な描写がされています。
けれどもそれを教書として読者が現実の恋愛に繋げていくというようなことは何か違うんじゃないかなと自分は思うんですよね。
それは作品の描写に妄信的に共感したりするということも同義として言えることだと。
やはり漫画としての面白さに身体を委ねるべきであって、現実世界のあれこれはもっと複雑ですし、そこは切り離す柔軟性を個人的には求めてしまいます。
作品内で語られるあるあるの共感の描写は、ピックアップしてわかりやすく伝わるであろう思想や理念を漫画としてわかりやすく伝えてはいますが、漫画にした時に面白いと思えるテクニックに収束させている点を評価したい所で、それが作者の才能なのかなと思います。
どう読むかは人によって様々なわけで、私がこう読むべきであると思っているからそれを強要したいというわけでは全くもってないので、どう感じていただくかの差異を楽しんで欲しいと思います。

また、レビューをしている作品で挙げるならば「さくらんぼシンドローム」や「虹玉」のようなエロス分を求めている人にはそもそも方向が違うかなと思いますし、一言でまとめてしまうと主人公の後一歩の頑張りを読者がシンクロしつつ後押ししながら楽しむような。
そんな楽しみ方が出来そうか出来なさそうかで判断してみるのも一つではないでしょうか。

といった所で知っている人は知っている既成事実なので今回のレビューでは触れていきたいポイントになりますが、作者さんは女性です。

もう一度言うと、作者さんは女性です(笑)

名前とか作風とかはフェイクですからね、一種の。
ここから私が何を言いたいかという話なのですが、今作に限って言えばやはり「視点」の話になります。
特に恋愛漫画というのは作者の性別によって表現される方向性には違いが出てくるものですが、今作を前情報なしで読み進めると、恐らく大多数の人は男性作家が書かれている作品と間違えてしまうでしょう。
無論、作者名の概念に囚われてというのも要素としてはあるかも知れませんが。
勘の鋭い皆様ならもうお分かりのこと!という話ですが、異性の心情描写が見事に描ける作家さんの作品は安定して面白いみたいなことなんですよね。
もっとピンポイントに言うならば女性作家の描く恋愛漫画で男性描写が丁寧な作品は総じて良作が多い。
バランスが良いんですよね、話の構成や心情表現の豊かさなど。

といった所で恋愛漫画における土台はガッチリ抑えている作品だと思います。
やはり男性視点で読んでも女性視点で読んでも楽しめるというのは重要です。
それでいてこの画風。

この辺りは個人の趣向ですが、気だるそうな細い目の人物描写だったり上記で挙げた表紙画のくりっとした人物描写だったり作者節の利いた絵柄はもうそれだけでメシウマです。



てな所で後は主要人物の話をふらふらとさせていただきます。
心情表現という話もさきほど出たのでその辺りを話させていただくと。
まず本人間ではわからないけれど読者にだけ伝える描写はメシウマ描写を生ませる上で非常に有効的です。
昔の派遣先での元同僚・土井さんは特に顕著。
主人公視点では空回りであちゃーな感じなのですが、彼女の独白からは好印象だったりとこのギャップを生ませて読者をにやけさせる、と……。
土井さん自体が計算高い系の美女だからこそ主人公に惹かれている描写が独白でされる流れはこれ以上ないにやけを提供しているでしょう。

また、気の置けない友達の一人いつかちゃん(上記カメラを持ったお嬢さん)は主人公の女版のような感じで、その元気っ子と素朴さははっきりいって桁違いのメシウマ描写を備えていると言わざるを得ない。
似たもの同士だからこそちぐはぐ感が出ていてそれがメシウマ描写を爆発的に生んでいます。

そして主人公をして人生で一番好きだった人と言わせる夏樹さんの話などは、これこそ実際に読んで主人公の萎えた一物を体感すべ(ry

自主規制しました(笑)

この辺りは本当に読んで体感するべきでしょう。

基本的にはこの3人がターゲット?になるのですが、ここに主人公をサポートする林田という女性が加わります。主人公の同級生で元ヤンキー。ショートカットで頼れる姉貴的な。姉御的な。無論、美女です。
1巻で3人と自然消滅的な流れになりかけた所で彼女の助けを借りて2巻以降奮闘する主人公なのですが、いわゆるエロゲで言う所の対象外キャラである林田さん。
何故エロゲを引用したかは例えが判り易いからなので悪しからず。
作中では裏ルートとして攻略可のような雰囲気も醸し出されており、姉御的な人物像が好きな人にとっては林田さんの登場はメシウマ以外の何物でもないでしょう。


簡易的に洗ってみましたが、やはり性格付けの違いをしっかり描写出来ているのは流石。
心情描写も巧みに見事な描写でいて、絵柄も非常に巧い。
それでいて物語もモテキというテーマを死なせることなく活かそう活かそうと表現しています。
総じて高水準な恋愛漫画と言ってしまっていいでしょう。
読んでいてどことなく不安な気持ちにさせてくれる読者への揺さぶりも抜かりない。

この揺さぶりをどう感じるかによって作品の印象も変わってくるのかなという気兼ねはあります。
ある程度の恋愛を経験してきた人とその逆の人にとっても見え方は違うでしょう。

そんな中で主張したいのは、どう感じるかはあまり重要ではなく、その両方のタイプをもってして面白いと感じさせる所まで作品を昇華させている漫画力だろうな、と。


連載は昨年からでしたが、1巻目の単行本は今年の3月で2巻が先日ということなので、非常に今後に期待の持てる恋愛漫画が出てきたなというのが大枠での印象。
今年度では非常に有力株。
ただ物凄い不安な点が一つ。2巻の巻末では、

思ってたより内容が広がってしまい3巻にまで突入します☆

と書かれているんですね。
これって元々が長期連載を視野に入れない形で、3巻で完結ってこともあり得るとかそういうことですか!?
もしくは5巻前後で終わるような道筋を立てているとか。
いやまぁそんなに長く引き伸ばせる題材ではないけどもっ!

長期連載になることを切に、切に願った所で締めにさせていただきたいと思います。
ひとまずは作者の作品が今作で初めてという人は時間と金銭の許す範囲内で是非とも前作や前々作も合わせて読むことをオススメ致しますっ。
どちらも10巻だ20巻だと巻数は多いですが。。
まだまだ始まったばかりの2巻、是非ともこれから読まれる皆様と一緒に末永く追って行きたいものです。

※このレビューは2巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/08/28
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