漫画レビュー~遠藤ってば!~

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君のいる町

                前作「涼風」を共に歩んだ同志に送る純愛物語

■前作を共に歩んだ同志へと送る物語■

「君のいる町」
作:瀬尾 公治
連載:週刊少年マガジン (講談社)
定価:¥ 420


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★★★☆ 

キャラクター:★★☆☆☆ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★☆ 

                              総合:★★★☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
広島県のとある田舎町。春から高校へ進学する主人公・桐島青大(きりしま はると)の家に、父親の知り合いの娘という、過去に一切面識のない枝葉柚希(えば ゆずき)という少女が突然居候として東京からやってくることになりました。 同じ屋根の下、天真爛漫な柚希と接していく中で、徐々に彼女が気の置けない存在となっていく青大でしたが、彼女にはまた大きな悩みがあって……。青大の中学時代から好きな想い人・神咲 七海(かんざき ななみ)を交えた青春群像劇はどう移ろいで行くいくのでしょうか!?広島弁を扱う登場人物達とノスタルジーを感じさせてくれる田舎の美しい情景を背景に、郷愁と青春が融合した恋愛劇の始まり始まり~。

~レビュー~
ごめんなさい、あらましの最後の方投げやりすぎたw
というわけで先日6巻目が発売しまして、これはそろそろレビューするしかないだろうてということでさせていただくわけではあるのですが。



前作、涼風をご覧になっていない人がいたら、無理強いはもちろん致しませんが是非前作から読んで欲しいという気持ちを抱いています。

何故か。

いやまぁ、ただ単に一緒に私が追っていく上では同じ立ち位置で語りたいっていうワガママなんです(おいこら)。
今作は基本的に作者が意図した形で一番魅せたいと思われている純愛ストーリーを基軸とした恋愛漫画ですが、それは一言で言うなれば「厨ニ病」的なノリが肝になっているといえます。
これは良い意味でも悪い意味でもですが。

今作では前作で培ったものが十二分に組み込まれており、良い意味で安定した構成や展開に作られているのですが、やはりその原石の状態がどんなものなのか。

これを前作で体感した上で今作に臨んで欲しい。
ただ今作から今作者の作品に参入すると耐性がつくと思われるので、それはそれで前作に入るには今作を読んでからというのもいいのかも知れません。

さて、そんな駄弁りもしつつ、実際に作品をみていきたいとは思うんですが、基本的な構造は前作と同じなので同じ解説を繰り返してもという気兼ねも。
前作との比較で話を展開する面が多々みられると思いますので、今作者の作品が今作で初めてという人はご了承頂けますと幸いです(基本的には初めてでもわかるような表現にしたいと思います)。


前作が広島の田舎から東京にやってきた主人公の恋愛物語だったとするならば、今作はその田舎の広島が舞台で逆にヒロインが東京から田舎にやってきて展開される恋愛物語と言えるでしょう。
前作では陸上という要素と青春を絡めた作品の作りになっておりましたが、今作は真っ向から恋愛1点縛り。

ゴクリッ……。

よく言われていることではありますが、作者が本当に描きたかったのは作者の地元である広島の情景を込めた恋愛一本に絞った物語だったのではないかなぁと思いますね。
前作18巻を終えて、そして手厳しい読者の声も反映して満を持して開始された漫画、それがこの「君のいる町」なのかも知れません。

さて、あらましの続きだけでも概要として抑えたいと思います。
主人公の元に深い理由もわからぬまま美少女が居候という形でやってきます。典型的なギャルゲもといエロゲ的展開ではありますが、そんな所に深く突っ込んではいけません。
それを言うなら現時点でジャンプで連載されている高校生のお姉さんが主人公の家に居候する漫画は何なんだって話になります。
あの漫画も「現時点」では居候し始めた深い理由というのが明かされていないので何とも言えませんが、今作と比較するとその辺りの整合性は今作の方が連載始めの流れとしてはあるでしょう。
……ってどうでもいい比較の話をしてすみません。

まず主人公はというと、前作が悪い意味で「うざい」が持ち前の男だったのに対して今作は家庭的で友達想いのとても好感の持てる男として描かれます。
まずこの時点で疑心暗鬼になった前作体験済みの私。
前作の主人公がこれまた読んでいて気分を不快にさせてくれることにかけては天下一品(笑)だっただけに、この主人公像の変貌ぶりには目を見張るものがありました。
これがまた良い奴で、今作者の手法でいくと主人公は毎回肝心な所でヘマをしたり不用意な発言をして物語りをぐちゃぐちゃにかき乱していくはずなのにこれがある程度の物語上必要な揺さぶりを読者にかけてはくるものの一貫して良い男なのは変わらず。

何が導き出されるかという話ですが、構成描写の妙のバランスを作者が身につけたということなのではないでしょうか?

揺さぶる所で読者の心を乱す主人公なのですが、良い意味で読者が好意的に思える主人公像の中心というか王道をいっているんですね。
主人公にいらいらせずはらはらする。
この点において今作の根本がどっしり安定感のあるものに仕上がっています。

居候として青大の元にやってきた美少女・柚希。いわゆるヒロインになるわけですが、前作のヒロインがツンデレという鋭利な武器を持っていただけに、そのインパクトはやや薄い。
ただし、です。

爛漫な性格というのは上記でも挙げましたが、とにかく素直な感情によって青大の心を溶かす存在になるわけなのですが、不肖遠藤……ティンときました。
最近はやれツンデレだクーデレだヤンデレだ、はたまた素直クール(これは私も最近大好物な属性になってますが)だと色々言われますが、何か忘れやしないかと。

母性こそ基礎パーツにして最大、忘れてはならない要素なのだと。

それを身につけている柚希。青大が主人公の王道をいく人物であるとしたら、柚希もまた王道をいくヒロインであったのです。

ちょっと媚びる空気を感じるシーンもあるので、幅広く賛同を得られるヒロインではないかも知れませんが、作者が描こうとした原点(推測の話)の物語には適したヒロインなのではないかと思いました。

ある意味で前時代的な母性をくすぐる女性。

そして忘れてはならないのが青大が中学の頃から好きだった七海の存在。やはり三角関係的なものは恋愛漫画には必要不可欠です。
この人物がこれまたアクのないと思わせて強い人物で、田舎の品の良い優しい美少女という位置付けになっています。
実は七海も好意的な目で青大を見ていたりするのですが、柚希がそこに加わることで一歩引いた目で青大と接することになるのですが、それで終わる彼女ではないであろうことが伺えます。

基本的な流れはこんな形でしょうか。
脇役はどうなんだと思ってる人もいるようなので言及しておくならば、まぁそこそこです(笑)


未読の方がここまで読まれると、ようするに王道の恋愛物語ってことで他と大差ないんじゃと思われた人がいるかも知れませんので補足させていただきたいと思います。
今作者が描く恋愛の波乱というのは良い意味で「厨二病」染みているというか、展開の揺さぶりに個性的な魅力を感じる作りになっているんですね。
それは上記で挙げましたね。

ただ、前作ではこれが主人公の言動だったり展開の落とし所だったりがあまりにもはちゃめちゃで読者が呆れてしまっていたというのがあります。
無論、総意ではないかも知れませんが大多数はそのように見ていたでしょう。

しかし今作では展開のバランスやキャラクターの性格付けがかなりの軌道修正をされており、にやけられてかつ安心して恋愛のあれこれに振り回されることの出来る品質おkの恋愛漫画に仕上がっているということなのだと思っています。
結果としては波乱要素を恋愛に求めている人にとってはメシウマ作品の一つということでお供にぴったりかなと思います。

それが週刊誌で連載されているということで単行本派にとっても待つ苦しみというのが少ないというのは地味な点ですが◎。
恋愛漫画であるとどうしても展開がもの凄く常に気になるものですからね。


そろそろまとめにはいりましょう。
今作は正当な恋愛漫画でありつつ作者節の利いた展開の揺さぶりが相乗効果になって読者の求める波乱ありの恋愛劇を高い水準で表現している作品と言えるでしょう。
これに前作でのマイナス面であった不快にさせる構成のギミックというものが良い具合に除かれています。
前作の評価との比較を申し上げるならば、まずストーリーはありきたりながら田舎のノスタルジーを感じさせてくれる描写力の妙を感じ一つ評価を推し上げました。
画力についてはまだ男キャラに難ありですが書き慣れてきた所も加味して一つ評価を推し上げました。
また構成力は前作では低評価でしたが、軌道修正がしっかりなされてきたことを受けて二つ評価を推し上げまして、総合的には良し悪しを得てのレベルまで向上という位置付けになっております。
見違えるように安定感を増したという印象。

とはいえ「作者節」と今レビューで表現した側面に抵抗を覚える読者というのは必ずいるかと思っております。
青臭い青春描写を読むのにはやや抵抗感を覚えるという人にまで勧められるかと問われれば悩む所。
率直に言ってしまえばそこまでには大衆にお勧め出来るレベルにないと思っているのでその辺りも参考にしていただければと思います。
現在6巻なのですが、かなり大器の片鱗を感じ取れるので、前作が18巻まで伸びたことを考えると今作ならばこの調子のままより良い作品になっていくことは明白かと思います。
逆転の発想とはよく言いますが、普段恋愛漫画を読まないような人もそのジャンルの方向に目覚めるきっかけに読み始めてみるというのもいいのかも知れません。
今回のレビューを統括すると前作と比較して良く言えばうまくまとめて読む層へ配慮したとも言えそうですし、悪く言えば前作の荒削りながら恋愛の展開として引き込ませていた要素が丸くなってしまっているとも捉えられるかもしれません。
現時点で私個人の話をするならば、荒削りな前作の方が夢中になって読めていたのかなとは思いますが、前作と合わせて個人的にはプッシュしたい魅力のある作者です。


まだまだ波乱ずくめで私達読者を楽しませてくれることでしょうし、作品の安定感を身につけた作者が今後如何にネタ切れを防ぎつつ興奮の展開を届けてくれるのか。

今後も目が離せません。

※このレビューは1~6巻既読時のレビューになります


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Date:2009/09/25
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Comment:2

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* 「涼風派」の戯言

 うーむ、なんか、私の評価とは結構真逆かも(苦笑)。私は、なんだかんだ言って結構『涼風』が好きだったので、逆に『君町』には今一つ感情移入出来ないんですよ。
 主人公にしても、大和は確かに身勝手な性格でしたが、恋愛に関しては結構一途だったと思うんですよね(萌果の件は、涼風に完全に拒絶されてた時期の話なので、仕方ないと思いますし)。その意味では、あんだけ自分から七海にアピールしながらも、土壇場で柚希を優先したり、七海の目の前で柚希の話を続ける青大の無神経さの方が、私としては読んでて不快感を感じます。まぁ、そういう意味での無神経さは柚希も同レベルだと思うのですが、そんな二人に振り回されたら、そりゃあ七海もキレるわ(苦笑)。
 あと、七海が「アクのない大人しい優しい美少女」というのも、私としてはちょっと違和感がありますね。これまでの描写から察するに、むしろ彼女こそ、涼風の系譜を引き継ぐ「彼女にしたらめんどくさい女性」の典型のように思えます(だからこそ「彼女はやめといた方がいいわよ」と言われたのでしょうし)。まぁ、そういうタイプの女性に惹かれる私だからこそ、「涼風>君町」と思ってしまうのかもしれませんが。
 一応、テニス部設定もあるので、完結後にはウチのブログでも取り上げる予定です。その時点で、私の中での評価がどうなっているか、まだ何とも言えませんが。
2009/09/26 【闇霧】 URL #wTzT54M6 [編集]

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闇霧さんへ
いつもお世話になってます。コメント有難うございます。
闇霧さんのご意見を参考に七海の紹介文を訂正させていただきまして、最後の文面を追加させていただきました。言葉足らずを痛感するばかりです。
評価を定める上で一般的にはどうだろうなーという面を重視しつつ自分の推しはツボの項目に定めているというのがあります。正直な所、私自身も現時点で涼風と君のいる町どちらかが満足した作品かと聞かれると涼風になるのですが、追記したいことはレビューに追加してみました。
評価が違ったりする差異を楽しむのも一興かと思いますので、今回のようにコメントいただけるとうれしいです。
2009/09/28 【遠藤】 URL #2NFEem4w [編集]

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