漫画レビュー~遠藤ってば!~

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エリア88

                ミッキーになら掘られても、いや何でもない

■世代を超えて語り継がれるべき名作■

「エリア88」
作:新谷 かおる
連載:少年ビッグコミック (小学館、休刊)
定価:¥ 700(昔のコミックスや文庫版、ワイド版と出ておりますが、今現在MFコミックスから出ているものの表記です)


ストーリー:★★★★★

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★★ 

構成力:★★★★★ 

遠藤のツボ:★★★★★ 

                              総合:★★★★★

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
大手航空会社のパイロット候補生である風間真(かざま しん)は、社長の娘・津雲涼子との結婚も決まり、その将来を嘱望されています。まさに順風満帆。しかし、同期のパイロット候補生で親友・神崎の策略により激しい内戦の続く遠く中東のアスラン王国の傭兵部隊へ送り込まれてしまいます。そこは地獄の一丁目、最前線基地エリア88。真の運命や如何に!?

~レビュー~
これほどまでにストーリー漫画として心を震わせられた作品があったでしょうか。

どのジャンルに振り分けようか迷いました。ドラマ要素が主軸なので職業・ドラマ漫画かなとも思いましたが、好きそうな人が見るという意味でアクション・ファンタジー漫画に振り分けさせていただきます。

物語として完結しておりますので、完結作品としてのレビューをさせていただきます。
この作品、オリジナルの昔のコミックスでは全23巻、今出ているMFコミックスのものでは全13巻で、長編漫画と呼べる作品だと思います。
1巻から最終巻まで徹して続きを渇望させるほどの奥深い人間ドラマを根に据え、戦争というビジョンから読者に対して愛だったり生き様だったりそれこそ生きることとはということを1人の人物の人生から私達読者に語りかけてくれます。

かなり古い作品ということや作者が少女漫画畑出身であることから絵柄に抵抗をもつ人も出てくるかも知れませんが、それを補って余りあるストーリーやキャラクター、強いては台詞回しなど全て魅力的なので、多少なりとも絵が合わないなと思った人も是非最後まで読み進めて欲しいと思います。
古い作品だから今の若い人には合わないのかと言われるとそんなことはなく、老若男女全ての人に読んでもらいたい傑作だと主張したい所。

この作品は私にとってとても思い出深い作品でして、レビューの大筋とはかけ離れてしまうかも知れませんが、私とこの作品との出会いを少しだけ語らせていただきたいと思います。

私は幼い頃はおじいちゃんおばあちゃんっ子だったのですが、祖父が戦時中飛行機乗りだったこともあり、幼い時分から戦争の様々な話を教わりながら育ちました。
その影響もあって当たり前のように家にあったのがこの漫画でした。
結局の所読み始めたのは中学生になってからでしたが、当時は傭兵部隊として描かれる男達の命を繋ぐ友情にワクワクしていた印象が強かったでしょうか。
そして高校生になって読み返した時、今度は真とヒロインの涼子との見えない絆の愛の物語に胸打たれます。
そして最近になって読み返してみたのですが、感動は以前読み進めた時と同じように覚えたのですが、今度は作品の持続したストーリーの妙に唸らせられました。
漫画として限りなく完成度の高い作品なのではないかと思います。
戦争の愚かさや深い悲しみも表現されており、人間ドラマに焦点を置かれて描かれているからこそここまで深い感慨を覚えさせるのかも知れません。
メディアとして漫画ではありませんが、この傭兵部隊で活躍するという少年心をくすぐる側面はその後私にとってゲームのエースコンバットシリーズというものに繋がっていきます。
漫画レビューにゲームの話をしてしまい恐縮ですが、エースコンバット4~のストーリー構成はそういったものが好きな人にはたまらない娯楽になるのではないでしょうか。


さて昔話はここまでにして作品をみていきたいと思います。
主人公の真が親友と思っていた神崎に裏切られる所から話は始まります。
とても衝撃的な幕開けです。

恋人との離別、送り込まれた先は戦地最前線のエリア88……。
真はすぐにでもこの場を逃げ出さそうと画策しますが、除隊するには高額の違約金を払うか、契約満了まで生き延びるかのみという地獄の選択しかそこにはありませんでした。
そして脱走兵に対しては精兵部隊である同基地の兵士により追跡が成される為、余程の腕利きでさえ成功した者はいないのでした。
八方塞な状況下で真は日本にいつか生還し恋人の涼子と出会うまで生き延びることを決意します。

この恋人となる涼子ですが、別段政略結婚という類のものではなく、心からお互いを好きになっていただけに、傭兵として送り込まれてしまう現状は真にとっては本当に胸を切り裂かれるような思いで、読んでいるほうも同じように胸を痛めてしまいます。

そんな中、真は次第に戦闘機乗りとして敵戦闘機の撃墜によって得られる報奨金を稼ぐ傭兵稼業に染まっていくことになります。

いつしか冷酷にして数多の戦を生き抜く腕っこきのエースパイロットに成長する真。
しかしそれは全て故郷に帰る為、涼子とともに幸せな生活を生きる為……。

ここで注目したいのは、本編でも描写されるのですが一度染まってしまった血の匂いは取れるものではないということでしょうか。
日本に戻ることが出来るのであればそれで全てが解決するわけではないという現状は、見ていてとても胸を痛めるとともに感慨深いシーンにもなっていきます。

そんなしんみりしてしまう話ばかりに心を持っていかれないのがこの作品の上手い所です。

真が出会う傭兵達は皆様々な想いを胸にもっており、決して心を通わせる仲間達ばかりではないにせよ戦友として真と一緒に様々なドラマを築き上げます。

やはり正規軍としてではない傭兵としての集団であるが故に個性豊かなドラマが展開されるのでしょう。
そう考えると、舞台設置もなかなか考えられているなと思います。

主要な登場人物が次の出撃で命を失うこともあり、それでも傭兵達は戦い続けます。

そうです、この傭兵達は真のように騙されて入隊したわけではなく、皆それぞれの意思で入隊しているのです。

戦場でしか生きられない人々の苦悩、人はなぜ戦うのでしょうか……。



そういった状況でエリア88では様々な傭兵が死んでは入隊を繰り返す中変わらずに活躍する固定メンバーが出てきます。
まさにエースパイロット達ですね。
それぞれが独自の思想に基づいて戦いを生き抜いています。

男臭い話ですが、その臭さが痺れる演出です。
これは読者層的には男女ともに痺れる良さ、描写になるのではないかなと思います。


元アメリカ空軍所属、当時は火の玉ファイターとして恐れられていたミッキー・サイモン。アメリカ空軍時代の愛機 F-14通称トムキャットとともにエリア88のナンバー2(ナンバー1は真)。
元デンマーク空軍所属、どんな死地も生き残る対地攻撃のスペシャリストであるグレッグ・ゲイツ。エリア88ではナンバー3の腕前です。

その他諸々魅力的な仲間達が物語りを形作ります。

このミッキーが本当にカッコイイ奴なんですよね。
ミッキーが作品としてどんな結末を迎えるのか、必見としか言いようがありませんが、この登場人物の存在で作品の良さがグッと引き立っていることは間違いありません。





物語は中盤に大きな動きを見せ、二転三転と目まぐるしい展開を迎えます。
その物語、是非とも皆さんの目で見届けて欲しいと思います。
読んで損をすることは絶対にないでしょう。
私は熱い男達のドラマに目頭を熱くさせながら、そしてまた物語の静かな終わり方に感動いたしました。
演出をここまで巧みに魅せる作品も他になし、そんな作品が20年以上も前に描かれたことに驚愕です。
色褪せることのない名作、未読の人は何が何でも読破するべきです。
絵柄に抵抗を覚える人がいることも視野に入れつつの4評価になっています。ただ作品そのもののポテンシャルは限りなく5評価に値する傑作です。

※このレビューはオリジナル版1~23巻(全巻)既読時のレビューになります


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Date:2009/02/03
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