漫画レビュー~遠藤ってば!~

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 日常系・コメディ漫画好きへ □

うさぎドロップ

                コウキのお母さんの気丈デレぱねぇ、大吉とは心から幸せになって欲しい

■子育て奮闘記、大人の視点を磨く■

「うさぎドロップ」
作:宇仁田 ゆみ
連載:FEEL YOUNG (祥伝社)
定価:¥ 980


ストーリー:★★★★★

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★☆ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
祖父の訃報で訪れた祖父の家で30歳の独身男、ダイキチは1人の少女と出会います。その6歳の少女りんはなんと祖父の隠し子だったのです。隠し子として生まれたりん、親族達は皆引き取ることを良しとせず施設へ入れようと醜い言い争いを始めてしまいます。この意見に反発したダイキチはりんを自らが引き取ることを宣言します。無口で心を閉ざしていたりんと不器用だけど頼れる男ダイキチとの二人三脚の生活が始まるのでした。

~レビュー~
こどもから大人になる、その境界線は一体どこにあるのでしょうか。

20歳になり成人になれば大人なのでしょうか、社会に出て仕事に就き一人前に給料をもらって生活を営えることが出来れば大人なのでしょうか。
どちらも間違いではないことは確かですが、この作品のダイキチの生きる道を垣間見ると、大人の境界線に明確な決まりなどはないのだということを感じさせられます。
自分で判断して自分の信念を社会に向けて主張出来る者、それが大人なのでしょう。

とまぁそんな論議はレビュー的にはあまり重要ではないのですが(笑)、この子育て奮闘記なる作品、とても優しい雰囲気に包まれていて休日に家でコーヒーでも飲みながらベッドに潜り込んでのんびり読みたいような世界観があります。
その空気はまさに独自、言葉で言い表すのは難しいですが、リアルとファンタジーが限りなく合致して出来上がった素敵な空気感をかもし出しています。

物語はダイキチがりんと出会う所から話が動き出します。
出会ったダイキチが目にしたりんは、心を閉ざして無口を決め通しているのですが、考えてみれば当然でしょう。
「突然の親との死別、その死を理解出来ないうちからその中で周りの大人達が右往左往する現状」は、とてもショックなことだと思います。
そんな状態下のりんでしたが、祖父とそっくりな風貌で不器用ながら気を回してくれるダイキチに感じる所があったのでしょう、彼の「おれんち、来るかァ?」のぶっきら棒な言葉に無言の了承で応えます。

ここから2人の生活が始まるわけですが、その障害はとても現実感ある側面として描かれます。
これがリアルの側面です。
保育園に入れるには実際どういった手続きを取るのか、実際に保育園に入れた後は迎えのために残業のない課へ異動する必要が必然的に出てきたり。
りんが風邪を引けばもちろんりん1人にするわけにはいきません。
しかし会社の自分の立場としてはどうでしょう、部下から慕われているダイキチは部下の良き理解者・指導者として、また仕事の引継ぎという問題もあり異動を簡単に決めるわけにもいきません。
1人のこどもを引き取るということは想像以上の経験をダイキチにもたらすのです。
まさに20台~30台にある大人に人生とは、家族とはを考えさせてくれる一区切りとして整理させてくれるような作品なのではないでしょうか。
ここで注目したいのはダイキチの人間味。
一番辛いのはりんなんだという理解とともにぶっきらぼうだけれどりんのことを一番に考えて行動を取る姿は大人の鑑のような存在として描かれます。

しかしこれはまたファンタジーとして位置付けられる側面なのではないかと思うのです。
りんの、そしてまた女性視点から見た場合、これほどまでに理想的な男性像(子供心のわかる)がゴロゴロいるとは思えません。
ダイキチの紳士ぶりは国宝級とも言えます。
そしてまた、2人の生活の障害として描かれるそのものはリアリティ溢れるものなのですが、その困難をクリアしていく様は上手く事が運び過ぎるという点において現実ではないファンタジーのような雰囲気を感じ取ることが出来るのです。
それは漫画的表現としての妙であり、決して悪い点ではないと思っています。

1つ言及するならば、ダイキチがりんを引き取る決断をあっさりとし過ぎている印象は否めず、もう少しダイキチの心理状況が上手く描写されていれば読者としてもより感情移入して読めたかもという所が少し引っかかった点でしょうか。今までの言葉で表現するなら、もう少しリアル寄りの描写をして欲しかったかなと。


総評としてはリアルティ溢れる現実味ある話を、ファンタジーとしての魅力溢れる人物達が織り成す日常はまさに日常系漫画の傑作、今すぐにでも書店にオンライン注文に駆け込んで欲しいと思います。



さてここからは個人的に感じた点を。
りんの可愛さ。
次第にダイキチと信頼関係を築いて、全幅の信頼を寄せるその描写は心温まるとともにその可愛さにはにやけてしまいます。
幼いながらに見せる女の子の一面もとても可愛い。
とにかく可愛いしか言っていない自分のボキャブラリーのなさは可愛くないですが。

そしてもう1点。
なんだかんだでりんの幼馴染の男の子とお母さんがキャラクターとして定着していくのですが、その親子もまた二人三脚の親子としてダイキチ達と親交を深めることになります。
なるのですが、そのお母さんです。
な、なんという破壊力。
いわゆる気丈デレ、いやデレとか以前にツンデレ属性ではないのですが、気丈に振舞っていながらもダイキチに対する配慮と優しさ。
それに淡い恋心を覚えながらも紳士に接するダイキチを見ていて覚えるもどかしさ。


作品はりんが保育園を卒園し小学校に入学、そして現在レビューをしている時点での最新巻である5巻では、なんとりんが高校生になっての第二部がスタートします。
1巻~4巻が第一部という位置づけでしょうか。
この作品の世界観は子育てを頑張るダイキチが右往左往しながら幼いりんとともに成長していく物語だからこそ居心地の良い空間を作っていて、高校生編に入ってしまったらその世界観が崩れてしまうのではないだろうかという不安を読む前は持っていました。
10年後が描かれるわけですから。
しかし蓋を開けてみたらどうでしょうか。
どう感じるかは読者毎により違うと思いますので深い言及は避けたい(一種の逃げ)とも思いますが、私にとっては変わらずにうさぎドロップの素敵な世界観をガラッと作品の空気を変えた中で体感させてくれたように感じました。
その中で、可愛い娘が親元を離れた世界に飛び立ってしまうような哀愁も感じてしまいましたが、それがまた同世代で子を持つ読者にとっては共感させられる内容になるのかも知れませんね。

視点がダイキチ視点からりん視点に中心が変わるのですが、物語のキーに恋愛感が絡んでくることになります。
子育て系というジャンルで独自性のあるクオリティの高い作品だったものが、土台を恋愛漫画(青春漫画とも呼べる)に移したことで恋愛漫画に目の肥えた読者などにとってはその他一般と同等の作品の視点に落ちてしまったという面もあるのではないかなと。
実際に私も4巻までに比べると……という思いも少なからず感じたわけですが、この作品の方向を変える決断は作者にとってはまさに悩んだ末のフロンティアスピリッツだったのではないかと思ってます。
そういった察する背景も含め、今後どう描かれていくのか、とても楽しみな作品です。


私の中ではダイキチとコウキのお母さんの関係がドキドキして読んでおりまして、物語りの主軸がそれで脳内変換されているので、りん達はりん達でよろしくやってもらうとして、ダイキチ達のもどかしい淡い恋愛を描けば個人的には最高なんですけど、さてどういった展開を見せるのでしょうか。

いやむしろコウキママの二谷さん、5巻でのラストのダイキチとの下りを見る限りもうヒロイン抜擢じゃないかと。
非常にやばい、萌え視点で見てはいけない作品なのに私の萌え嗅覚が二谷さんを介して萌えの極意を感じ取れとやけに主張してくる。

二谷さん可愛いよ二谷さん

冷静に突っ込むなら40台であの美貌って詐欺レベルだろ、と(笑)
世の中広いので、40台でも見た目30前後に見える美人がいても不思議じゃないですが、この二谷さんの美貌こそファンタジーですね。
異論は認めますん。


最後にまとめになりますがこの作品、大判コミックということで定価にすると1冊およそ1000円。
決して安いとは言えないお値段ですが、それに見合うだけの価値があると思います。
中古でしたらその半額くらいでも買えると思いますので、是非読んでいただきたい。
読まなきゃ損とまで言い切ってつまんなかったなど言われると申し訳ないですが、きっと読んだら素敵な気分になれるはずです。

※新刊レビュー→6巻

※このレビューは5巻まで既読時のレビューになります


* 「日常系・コメディ漫画好きへ」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2009/02/04
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback


+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。