漫画レビュー~遠藤ってば!~

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ヴィンランド・サガ

                王子に萌えるとは、おぉ情けない(自分)

■少年誌が「ONE PIECE」なら青年誌は今作■

「ヴィンランド・サガ」
作:幸村 誠
連載:週刊少年マガジン(講談社)→月刊アフタヌーン (講談社)
定価:¥ 590(アフタヌーンKCでの値段になります)


ストーリー:★★★★★

画力:★★★★☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★★★ 

遠藤のツボ:★★★★☆ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
8世紀から約300年の間、ヨーロッパ地方で略奪経済を生業にし世界を席巻していたヴァイキング、彼らの生き様とは一体どんなものだったのでしょうか。ある1人の青年からその大河の歴史を垣間見ることになります。豊穣な大地で奴隷もいない自由の地「ヴィンランド」はこの世界に在るのか、これは、戦場に身を置くひとりの戦士の物語(サガ)を追った歴史漫画と言えるでしょう。

~レビュー~
今や国民的漫画と言っても過言ではない少年誌に連載の「ONE PIECE」、今作「ヴィンランド・サガ」は青年誌で連載されながら同じ海賊という主テーマを置いています。

まさに少年誌と青年誌が対になっているように、この海賊をテーマにした2作品もまた裏表の魅力として対になっているのではないか、そう感じています。
肩を並べていると言っても過言ではないほど、絵の上手さや話の構成力、キャラ作りなどどちらの作者も特出した才能を持っているように思います。

さて、今作の作者はあの「プラネテス」を描いたことで知られる作者の後釜作品で、知る人ぞ知る、いやむしろ相当の期待感を集めながら連載をスタートした作品であったように思います。

時は11世紀のヨーロッパ、当時海賊と言えばこの地域において略奪経済を生業にしていたヴァイキングが知られていましたが、あるヴァイキングの傭兵団に1人の青年の姿がありました。
名をトルフィン・トールズソンといいます。
彼が所属するアシェラッド兵団は名うての傭兵団で、デンマークとイングランドの攻防においてデンマーク軍側に属しています。
その中においてトルフィンの戦士としての実力は特出したものがありました。
彼がこの兵団に所属する理由、それは兵団の首領であるアシェラッドとの決闘の権利だけでした。
トルフィンにとってアシェラッドは父の仇なのです。
繰り返される決闘。
アシェラッドがトルフィンを生かしている理由とは、彼らの過去にどんな出来事があったのか。
そして、そんなアシェラッド兵団が出会う最強の敵トルケル。
デンマーク軍の大軍団であったヨーム戦士団の4人の大隊長の一人であった彼は、より強敵との出会いを求めイングランド側に寝返った根っからの戦士でした。
彼が率いる500人の戦士達は豪傑揃い。
トルケルに標的にされたアシェラッド兵団はどうなってしまうのか。


といった所なのですが、魅力は完成された世界観に追随する濃密な物語にあると言えるでしょう。
とにかく読ませます。
内容が歴史漫画ですが、それを支える下地がアクションである点は見逃せません。
ヴァイキングの生き様として描かれる側面はキャラクター毎の人物像が巧みに表現されていることを差し引いてもこれ以上ないくらい的確に漫画としてのベストの表現方法を体言していると言えます。
力と知恵によって戦いを生き抜き、そして時には飲んで歌っての大騒ぎ……、そこには生きることと死ぬことが隣り合わせであるリアルを感じ取ることができます。
当時のイングランドはまだまだ国や政治など無秩序な中にある社会であったことも伺えますが、それがどう整備されていくのか、その中でヴァイキング達はどのような運命を辿っていくのか、完全なノンフィクションではなく脚色されているにせよ、よく調べられた資料を基にして大枠としての物語を上手に展開しているからこそここまで作品に引き込まされるのかも知れません。

そして忘れてならないのが英雄のような存在として描かれる戦士達。
上手く口で表現するのは難しいですが、三国志に登場する豪傑の武将達をみてかっこいいなぁー憧れるなぁーという気分を持つと思うのですが(詳しくわからない方はすみません)、それにみる高揚感と同じものを感じます。
主人公であるトルフィンも相当の使い手として描かれますが、それを上回る兵団首領のアシェラッド、そして怪物トルケル、そして今は無きトルフィンの父トールズは……読んでのお楽しみです。
トルフィンとトルケルのロンドン橋での攻防は手に汗握るとはこのことです。


ヴァイキングとしての所以である残酷な描写もなかなかありますが、そこから読み取れるものもあります。
人殺しを何とも感じない彼らですが、そういった所からは彼らは彼らでその時代を生き抜いているのだという強迫観念ではないですが、自己の主張が垣間見えたりします。
当時のイングランドはキリスト教化はもちろんされてはいないしそれこそ文化だ何だという前にやはり国として無秩序であったことが伺えます。
それはキリスト教を崇める聖職者とヴァイキング達とのくだりでも垣間見えたりするのですが、その時代に在ったルールというものはその時代においては疑うべくもないルールであることを感じ取ることができます。
歴史漫画としての良さだと思いますが、過去の歴史から現代の常識とを比較検証などするに至り、現代を個人としてどう捉えていかなければならないかなどの眼を養ったりも出来ますね。
小難しいことを考えさせてくれるのもまた良い案配なのではと思ったりもします。


物語の大きな支柱としては実在の人物としても存在していたデンマーク国王兼ノルウェー国王スヴェン(スヴェン1世)の次男であるクヌート王子と主人公達との会合も物語の鍵になってきます。
それぞれの思惑が交差する様はもう目が離せません。
ストーリー漫画としてこれでもかというくらい秀逸な出来栄え。
史実では後にクヌート大王となって国を治めることになるこの王子も、作中ではなんともひ弱な美青年として描かれます。
彼の成長がどう作中で為されるのかまさに必見、必読。

クヌート王子にちょっと惚れた、なんか愛でたくなる王子可愛いよ王子

レビュー現在の6巻で作品の一区切りという所にあるので、未読でこれから作品の世界に入っていく人にとっては安定の1作というような気が致します。

総括になりますが、ストーリーとして読み応え十分の今作も、やはり鬼気迫る戦闘としての緊迫感ある攻防とそれを魅せる生きたキャラクターが為しえているように思います。
というよりもこれって漫画として限りなく完成形に近い漫画ではないのかなんて思ったりします。
総じて漫画=面白いを走り続ける1作と位置付けたい。

別に無理やりシンクロさせようと思っているわけではないですが、「ONE PIECE」にも似た真理を垣間見たりするんですよね、海賊に着目する漫画家さんは何かそういった見えない糸で繋がっているのかも知れません。


いやぁそれにしてもクヌート王子がまさかあんなになってしまうなんて名残惜しい。
それでもなお彼の中に私は可愛さを見つけようと作品完結まで萌えを武力介入し続ける気がします。

※このレビューは6巻まで既読時のレビューになります

※新刊レビュー→8巻


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Date:2009/02/11
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