漫画レビュー~遠藤ってば!~

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鋼の錬金術師

                21巻に入ってのこの盛り上がり、ただただ興奮するのみ

■面白さに淀みなし!全ての漫画好き必読作■

「鋼の錬金術師」
作:荒川 弘
連載:少年ガンガン (スクウェア・エニックス)
定価:¥ 420(一部特装版はもっと値段が高いです)


ストーリー:★★★★★

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★★ 

構成力:★★★★★ 

遠藤のツボ:★★★★★ 

                              総合:★★★★★

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
表現としては魔法に近いものになりますが、物質の構成や形を変えて別の物に作り変える技術とそれに伴う理論体系を扱う錬金術が概念として定着している世界を舞台に繰り広げられるダークファンタジー作品です。幼き日に最愛の母親を亡くした兄・エドワードと弟・アルフォンスのエルリック兄弟は、錬金術における最大の禁忌、人体錬成を行って母親を生き返らせようとしました。しかしその代償は大きく、エドワードは左脚を、アルフォンスは自らの体の全てを失ってしまいます。弟を失ったエドワードは自身の右腕を代価として、アルフォンスの「魂だけ」を錬成し鎧に定着することにかろうじて成功します。失った右腕と左脚に機械鎧(オートメイル)を装着し一時的に手足を取り戻したエドワードと鎧姿のアルフォンスの、元の体に戻るための探求の旅が始まるのでした……。

~レビュー~
読み始めた人が途中で見限るということはまずないほどに面白い作品であり、そこで考え付いたのですが。



私がレビューで伝えるとした場合、アニメ版で満足してしまって原作も同じようなものだろうし読まなくてもいいかなと思っている層が幾ばくかいらっしゃると思うので、その辺りを念頭に置いてレビューさせていただきたいと思います。
なぜそんな具体的な所を突くのかと言われると、私がそうだったからというお恥ずかしい話だったりします。
2003年に開始されたアニメ化は週末の夕方の17時(放送局によっては17時30又は18時)というアニメの放送枠としてはこれでもかというくらいゴールデンタイムに放映され大反響をよんでいたのは記憶に新しいことのように思います。
元々原作を読んでいた人にとっては予想通りの盛り上がりだったとは思いますが、大多数はアニメで作品を知り、そして原作に夢中になっていったのではないでしょうか。
起用されるOP曲・ED曲の歌はどれもカッコよかったというか良い曲だったとかこの辺は個人的な話になるので自重します、すみません(汗)

私はアニメから作品に入りましたが、アニメの展開が途中よりオリジナル展開になったけれど上手くまとめていたとかその辺りの話を伝え聞いて、アニメ作品としてとても面白かったし大体原作も同じようであるならば同じ内容をコミックで見る必要もないだろうな。

たかを括っていた自分の何という愚かさ。
当時そんな考えで原作に手を出さなかった自分を叱りつけたい。

と前置きのような話が長くなってしまいましたが、一言で伝えたいことをまとめると、

「アニメを遥かに超える面白さが原作にあり、アニメを全話観た人でも1巻から楽しめること間違いなし」

この一言に尽きます。
実際最初の数巻はアニメの最初の下りと同じですが、徐々に徐々に原作の練られた精密な濃密なストーリー展開がなされ、10巻を超える頃には止められない面白さ……、といった辺りで作品を見ていきたいと思います。




錬金術という概念が一般化された世界でのファンタジーな物語で、少年漫画ではありますが限りなく少年漫画の皮をかぶった青年漫画、魅力ででの話ですが一言で表現するならばそんな魅力を持った作品のように思います。
あらましの続きですが、その後エルリックは元の体に戻るための近道として錬金術を国家機関として学ぶことができる国家錬金術師になります。
錬金術の力を増幅させることができる絶大な力をもった賢者の石、これを体を元に戻すための鍵としたエルリック兄弟にとっては、国の国家資格にして支援を受けることができる国家錬金術師の資格は賢者の石への一番の近道というわけです。

さて、この物語の大きな柱となる錬金術の根本原理があります。
それが等価交換の原則といわれるもので、無から有を作り出すことは出来ないとされているのです。
奥深い設定です。
エルリック兄弟が犯した錬金術での禁忌、人体練成はこの等価交換の原則には反しています。
そもそも存在しない物を錬成することは原理上不可能であり、既に存在しない死者や身体の一部を錬成することは始めから出来ることではないのです。
人間を構築している素材が揃っても、心や魂というものは錬金術では複製できません。
ファンタジーでありながら倫理観、人間の命の重さをテーマに据えている点において、そのメッセージ性は非常に高く、それでいて読者個々に任せるように問いかける作品の姿勢は作品の可能性を無限大に広げているように感じました。

と、小難しいことを並べ立てましたが、作品の一番の魅力は1巻の最初のページから整合性よく練り上げられたと思わせられる物語の牽引力です。
兄弟が捜し求める賢者の石、その秘密に迫りその真実を知った時、物語は加速度を増して目の離せないものになっていくでしょう。
また登場人物の描写、台詞廻しや立ち位置など全てが物語りを活かすベストの描き方、ありきたりな言い方をしてしまうと漫画家として類稀な才能をもっているように思います。
エルリック兄弟と関わっていく登場人物は全てがモブキャラクターとしてではなく、彼らの道筋を照らす活きた存在として描かれるている点も出番が終われば関係なしというものではない、物語の一貫した練りこみを感じるうえでは欠かせません。

作品の始まりから終わりまでの明確な筋道が連載当初から完全なものとしてあったかどうかはわかりませんが、レビュー現在での21巻まで全てが自然に繋がっているという構成力にはただただ驚愕。
よく作品としては人気が続いて延命措置のような形をとる(とらされる?)作品も少なくありませんが、この作品に限ってはその真逆、描きたいことがどんどんどんどん描かれているようで、それがノンストップの面白さを生み出しています。
18巻辺りから読者としても物語の全容が把握できる展開になっており、最終章と作者から位置付けられた21巻では、ボルテージは最高潮。
読者としてはやばいー!と興奮さながら読む幸せしかそこにはないのではないかなと思うわけです。


まとめると……、賢者の石を見つけ出しそしてその真実に迫るまで、は少年漫画特有のバトルだったり友情だったりの良さを凝縮した面白さとして感じることが出来ると思います。二桁巻数前後といった所でしょうか。
その真実に対しての問いと物語の裏に潜む真実に迫った時……、これは主に二桁巻数になってからの18巻までの流れです。
根底に流れるダークファンタジーの良さが巧みな物語の構成に絡んできます。
人体練成の失敗に学び、膨大なエネルギーを持つ石によって元の身体に戻れる手がかりを掴もうとした兄弟が、徐々にその石の本質と裏でこの世界を牛耳っている黒幕にまで迫り暴いていく流れは自然な物語の広がりを見せており、とってつけた展開の変化ではない点が物語りとして引き込ませます。
そしてその真実に対する攻勢が現在レビューの21巻で始まっていくのです。
クライマックスに突入した今、物語が完結を見せる前により多くの未読だった方と怒涛の完結を一緒に待ちわびたいという気持ちでいっぱいです。

恐らくこの物語は帰結型のような作品であって、完結するまでは最終的な作品の評価は下せないと思います。
もちろん、現状以下の評価にはなりえないわけですが、これは私がアニメが開始された当初に評判を見聞きした時の話です。

まだこの頃は張り巡らされた伏線を残した状態での評価が大勢でした。
もちろんそのほとんどが絶賛の声でしたが、今現在のこの盛り上がりまでは想像できた人はそういないでしょう。
個々の意見を他人には押し付けられませんが、あの頃この作品を認めなかった人(合わないだとか評判よりは面白くなかっただとか繰り返し読める漫画が面白いと位置づけているが一度読めば十分な作品だとかストーリーがマンネリ化されてきただとか)が作品としてクライマックスを迎えたこの現時点で、この作品を認めていてくれたらいいなと漫画好きの立場から発言したいと思います。

もちろん話がどんどんダークな路線に向かっていて、土台である少年漫画特有のはつらつとした良さには陰りが見えている側面というものは、少年漫画で連載されている以上は様々な意見があっていいとは思います。
私としてはさじ加減の話になりますが、土台が少年漫画であってのこの読者をどんどん作品のダークな面へと誘い込んでいく展開は、むしろ作品の魅力を反則技で引き出したなという印象を持ちました。
もちろん良い意味で捉えていますが。

面白いの感情が次から次へと湧き出てくる漫画、「鋼の錬金術師」……未読の方はノンストップで、アニメのみ視聴済みの方はかみ締めながら、是非同じ読者として完結まで一緒に追っていきたい作品です。

度々引き合いに出して申し訳ない次第ですが、かの国民的漫画「ワンピース」が恐らく作者の頭の中に構想された連載当初からの秀逸な帰結型作品であるとするならば、この鋼の錬金術師はそれと同様のポテンシャルを持っていることでしょう。

どんな終わり方をするのか大筋の展開が現段階で見えてきただけに、作品の完結に向けて今以上の加速度で私達を楽しませてくれることでしょう。
それを後押しするように今年2009年の4月からはアニメ第2期が開始されるようです。
しかも原作に忠実な展開で。
詳しい事情は知りませんが、作者がアニメ第1期時には原作と同じ内容でやるのではつまらないし大筋を抑えれば後は自由にアニメではやってくれとの一声で作られたようですが、第2期を原作に忠実にというのはどういう流れなのか。
読者の溢れかえった希望や要望の声の賜物なのでしょうか。



世間のハガレンブームはどうなっていってしまうのか、これ以上盛り上がったら私は興奮死してしまうのだろうなと。



※このレビューは21巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/02/23
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