漫画レビュー~遠藤ってば!~

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さくらんぼシンドローム―クピドの悪戯2

                麻生さんに始まり麻生さんに終わると言っても過言ではない

■麻生さんの極上ツンデレどうゆうことなの……■

「さくらんぼシンドローム―クピドの悪戯2」
作:北崎 拓
連載: ヤングサンデー (小学館、08年に休刊→YSスペシャルに移って最後の短期間の連載)
定価:¥ 540(一部¥ 530 )


ストーリー:★★★★☆

画力:★★★★★ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★★☆ 

遠藤のツボ:★★★★★ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
主人公・阿川宗則(あがわ むねのり)は、女性用化粧品会社で営業マンとして働いている23歳の好青年。会社の上司でもある宣伝部のエース・麻生沙也子(あそう さやこ)に惹かれる阿川でしたが、過去の恋愛においてトラウマを持っている彼は職業柄、職場での人付き合いに神経を減らす毎日を送っていました。そんなある日、彼の前に1人の少女が現れます。彼女は、赤の他人の阿川に突然キスをせがんで……、クピドの悪戯シリーズ第2幕、開幕です。

~レビュー~
読む順番はどちらが先でも問題はないかとは思いますが、今作は作者が恋の天使の悪戯(ある種とんでも設定での困難?)のようなテーマを恋愛に据えて展開させるオムニバス形式の作品群をプロジェクトとして打ち出している物の連載第2作目の作品になりまして、クピドの悪戯 虹玉という前作もレビューしているので、セットでお読みいただくのがベストであるだろうと管理人は思っております。
話が繋がっているというわけではないので、もちろん読む読まないは各自の判断になります。その中で、今作のレビューは前作のレビューと作者が同じ・ジャンルが同じということなので、語る要素として一部端折ったり比較対象して見ていく面があるので、ご了承お願いすることを先に明記させていただきます。また、前作3評価にしての今作。

レビュー時でですが、つい先日最終巻の11巻も発売され、めでたく完結したこともあり、今後の作者の作品への期待も膨らむ中、レビューさせていただきたいと思います。

さて、前作のレビューのコピペになってしまいますが、大きな作品のポイントとしては、
・作者の画力の高さ(表紙だけ見てもわかる通りです)
・とんでも設定
・青年誌として性を正面から見据えた展開をしている
・キャラクターの深層心理を非常に巧みに表現している

が中心になります。
特に性描写の観点ですが、成人向け漫画との違いで、青年漫画においての性描写の正面からの描き方は、作品の物語としての深みを出す意味があるように思います。
ストーリー漫画としての恋愛漫画になかなか相容れないのが濃い性的描写です。
最近では少女漫画等においても過激な描写の作品は増えてきていますが、作品の質を高めるためなのか見た目のインパクトを高めるためなのかの判断は難しいでしょう。
そんな中での今作、作品の質を高めるための描写としての良さがあることは前作と同様です。

画力の上達はさらに磨きがかかっており、キャラクターの書き分けと表情の喜怒哀楽、まさに高次元。
そして深層心理の表現も優れているということで、本当に隙のない恋愛漫画の傑作に仕上がっているといってよいと思います。

また、前作では男性視点の側面が強かったがために男女ともに楽しむには難しい面もあったのですが、今作ではこの視点というもののコントロールが上手く、男性側の共感を薄くした分を女性側の共感に回して底上げした印象を受け、男女ともに楽しめれる作品へと昇華しているように感じました。

前作が三角関係になりそうでならなかったわけですが、今作はまさに三角関係。
前作でもう少し設定に左右されない三角関係としての恋愛漫画の妙を見たかったという読者の声に作者が応えたかは作者のみぞ知るですが、この展開は私にとってはまさに求めていたものでした。
とは言え、最初のコミカルな展開から次第にシリアスな展開に向っていくのは前作同様でして、コミカルな展開が非常に上手く描けているからこそ、シリアスな展開にする場合はもっと読者の興味の引きを持続させるような、一言で言えばもっと練った物語を展開して欲しかったという思いが率直に読み終えての感情としてありました。
面白いからこそ高いレベルでの良さを追求したくなるという感情です。

とは言うものの、私の中ではこの作者の作品が出れば有無を言わさず購入するほどに信頼の作家でもあり、皆さんにとってもそうなってくれることを願って止みません。
本当に恋愛漫画を書かせたら素晴らしい漫画家さんです。

さて、私が今作のレビューで話を展開するとすれば、切っても切り離せないのが麻生さんの存在です。
というか麻生さんのあまりの神具合に読んでいて萌えとか驚きとか感動を通り越してここまでの登場人物を生み出すことが出来る作者の才能にひれ伏したと言っても大げさではありません。

麻生さん可愛いよ麻生さん

※以降麻生さん話がノンストップで展開されますので、ご注意下さい。

この麻生さんという登場人物、2人いるヒロインの内の1人として描かれるのですが、宣伝部のエース社員にしてクールで知的、まさに出来る女性の代名詞のような存在として描かれます。
私が最初に持ったイメージは常に他人との境界線を引きなかなか仮面の中の姿を見せてくれないような感じで、これってツンデレ属性として捉えると王道にして至高な性格なわけですが、考えてもみて下さい。
作者の画力の高さに起因する視覚的良さというものは前作以前の作品から評価されている面だと思いますが、あの絵柄でクール系の人物を描かれたら良くないわけがない。
主人公の眼鏡を壊してしまったことから食事をとることになるのですが、なんとそのまま勢いで一夜を共にしてしまうことになります(もちろん主人公が麻生さんに好意的だからこそのですが)。
酔いが醒め、ベッドの隣に主人公の姿をみて動揺し赤面する麻生さん。

なん……だと?(破壊力的な意味で)

前作以前からのお付き合いの人はすんなりこの展開に入っていけるかと思いますが、チラと評判を垣間見ただけで読み始めた人にとっては性を正面から捉えている作風に驚かれることと思います。
繰り返しの内容になってしまいますが、もし性描写に抵抗がある人がおりました場合、読む読まないは各自の判断ですが、留めておいて欲しいことがあります。
成年向け漫画(アダルト漫画ともいう)と青年漫画はやはり性の問題を捉えるうえでも表現のスタイルは全く違うものだと思いまして、この作品では物語(この場合恋愛)を深く掘り下げて魅力を伝える道具として性を正面から描いている側面があります。
決して男性主観での性だけではないという点はご理解いただいていて欲しいです。
何が言いたいかといわれると、抵抗ある人にも偏見を持たずに読んで欲しいなというそれだけなのですが。

さて、そんな麻生さんでしたが、主導権を握った交際展開を示唆する所、仮面が剥がれそうで剥がれていない描写加減が、また上手い。
喜怒哀楽の表情が本当に豊かに描かれる。
これは麻生さんに限ったことではなく、登場人物全体においてこの表情の巧みさというのは流石と唸るほかありません。
登場人物が活きているという表現がぴったりのような気が致します。
麻生さんの過去には男性関係において深い傷を負っている描写も後に描かれることになるのですが、その為か主人公にも簡単には心を許しません。
その彼女が主人公に次第に惹かれている自分に気づいていくその描写、にやにや度が物凄いことになってます。
心を預けたその後のデレ描写はまさに無敵。
そのままハッピーエンドになればどんなに幸せなことか……(麻生さん的にも読者というか私的にも)。


さて、今回もクピドシリーズということなので、恋愛に1枚絡んでくるとんでも設定が用意されているわけですが、前作が主人公の男性の災難を主点に描かれていたのに対して、今回は2人いる内のヒロインの1人に主点が置かれているのは重要なポイントになります。

※語る上で外せないネタバレ話になるので見たくない人は以降注意して下さい

彼女の名前を天海玲菜(あまみ れな)といいます。
一定の時間が過ぎると細胞の若返りとともに身体も若齢化する奇病を発病してしまうのです。
最近ブラピが演じたことで話題の映画を彷彿とさせるものですね(レビュー時点での話)。
前作が射精した際に出た玉が7つ出終えてしまうと男として終了というある種コメディタッチにも調理出来たものに対して、今作は若返り赤ちゃんまで戻ってしまうと記憶もなくなってしまい生きた証さえ本人の中ではなくなってしまうという非常に深刻な問題として描かれます。
この症状を止める何千万人にひとりしか持たない酵素を主人公が持っていることがわかったことによって複雑な関係性が始まることになりますが、とにかく切ない。

いやむしろ麻生さんが切ない。
麻生さんを泣かせる奴は許さ(ry

ラブコメ要素が完全に排除されているかと言われればそういうわけでもなく、重くなりすぎないようなバランスで物語が進んでいくのも見事の一言です。


決着がどのようにつくのか、まさに恋愛漫画好き必見必読の1作。



作品について見ていくのはこの辺りまでにしますが、次作の大型連載に高まる期待も大きいものがあります。
ヤングサンデーの休刊に伴ってビッグコミックスピリッツで2009年の1号から3週にわたって短期集中連載された「オレ×ヨメ ~クピドの悪戯~」は雑誌永久保存並に個人的には満足する作品でした。
また、今作さくらんぼシンドロームの最終巻に収録された以前の読みきり「虹玉ボンボン」は、男勝りで女と見られたくない少女と幼馴染の主人公という、、「男勝り」というにやにや度MAXの要素を巧みに表現していたこともあり、これも長期連載して欲しい読みきりでありました。

管理人が百合作品とか女装とか男装とか好きだからツボに入っているだけかもしれ(ry

クピドシリーズの長期連載作品はさくらんぼシンドロームで2作目になりますが、1作目よりも2作目という風に足りない良さが補完されてきているのを垣間見て、3作目の作品がまさに究極のこれ以上ない恋愛漫画の到達点のような作品になることを願って止みません。

※このレビューは1~11巻(全巻)既読時のレビューになります


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Date:2009/03/06
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