漫画レビュー~遠藤ってば!~

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謎の彼女X

                卜部(うらべ)の怒った顔がみたい♪←

■ツンデレならぬ謎デレ■

「謎の彼女X」
作:植芝 理一
連載:アフタヌーン (講談社)
定価:¥ 590


ストーリー:★★★★☆

画力:★★☆☆☆ 

キャラクター:★★★★★ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★★ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
普通の高校生である椿明(つばき あきら)とクラスに転校してきた「謎」の少女である卜部美琴(うらべ みこと)との恋愛が描かれます。17歳という微妙な年齢の男女関係の不安定さや、男性から見た女性の情動の不可解さが「謎」、それもありますがヒロインにはよだれを介して心情を伝えるという能力があるのです。謎です。

~レビュー~
とても恐ろしい魅力をもった作品です。




卜部卜部卜部卜部卜部卜部卜部!卜部可愛いよ卜部ッッ!!


!?


主人公がこのヒロイン、卜部さんに振り回されながらも距離を縮めていく、恋愛漫画の常道のような作品なのですが、アクセントにしている「よだれ」というキーワードがまた異質な魅力を放っています。
というよりも作品の主人公は卜部さんなわけですが、男性視点でということでひとつ。

物語は放課後、主人公である椿君が卜部さんが教室で転寝しているのを見かける時から動き出します。
この卜部さん、普通の女子高生…なんて設定ではタイトル負けするわけでして、とても変わり者です。
ミステリアスで無愛想、毛先が不ぞろいの髪型で前髪は鼻までかかっていて顔の表情は伺えません。
加えて転校初日に授業中突然転げまわるほど大笑いをするのですからもう周りからすれば即決変人確定なわけです。
そんな彼女が放課後の教室、1人でよだれを机に垂らして寝ていて、起こして帰りを促した椿君。
机に残されたよだれを興味本位で舐めてしまいます。

舐めるのかよっ!と突っ込んだ方はもうそのままこの世界に没頭してもらうより他ありません。
世界観との相性はバッチグーですね(死語?)!
別段、突っ込み漫画というわけではありませんで、よだれを舐める行為の描写に対する抵抗感がさほどないようで、オススメする身として安心したという意味で捉えてください。

他人のよだれを舐めるというそのものは実際にはちょっと敬遠したくなる行為ですが、誰しも背徳感を抱いてしまった事象というのは多かれ少なかれあると思いますので、こういった描写に抵抗感を持ってしまった人はちょっと俺の私の背徳感蘇れ!なノリでこの場を乗り切って欲しいなと思います。
むしろこの背徳感こそ思春期を不安定な精神で過ごしている若者の魅力という点で恋愛漫画の根を支える観点になっているのではと感じたりするわけです。

所で、椿君は卜部さんのよだれを舐めてしまったことで彼女の持つ能力の一旦を担いでしまいます。

そしてまた、その能力が誰にでも呼応するわけではないわけで、この辺りから椿君と卜部さんの謎で甘酸っぱい青春が繰り広げられることになります。

通常の恋愛漫画の場合、2人の仲は近づいたり離れたり友達の介入やらがあったりで群像劇のような展開をみせるのがパターンだと思います。
如何に恋仲になれるか、またはなってからのドキドキなハプニングや修羅場をどう魅せるか。

一般的な言葉で言い表せば少女漫画的展開とでも言うのでしょうか。

しかしこの漫画においては変わり者の卜部さんは唯我独尊というか孤独を好む人で、よだれで心情が伝わることが出来る椿君に運命を感じているので椿君一択なわけで、また椿君も普通であるが故に気を許せる友達も少なく、話の軸は完全に2人の中で進行していきます。

ではなぜ恋愛漫画の醍醐味である要素が薄いように見えるのに魅力的なのでしょうか。

それこそが謳いたかったことでして、この物語において明かされることのない謎の要素に起因する卜部さんの「謎デレ」、これこそが読者のハートを掴んで離さない魅力なのだと主張したい。

思いつきで位置付けた謎デレですが、検索してみたらまさにこの作品を言い当てる言葉として表現している人もおりましたので、これは共通認識なんだとうれしくなりました。

という裏事情はどうでもいいわけですが、

つんつんしているわけでもない卜部さんは椿君にうれしいことを言われたりされたりしても無表情なんですね。

むしろ椿君が勝手に体に触ろうものならパンツからハサミを取り出して無表情のまま威嚇したりします。

一言で言い表すならば、よだれの効果によって感情がわかるものの表立って絵柄として伝わらない恋愛感情のもどかしさ(主に椿君視点というよりも読者視点?)。

恋愛漫画における駆け引きによるもどかしさではなく、表情を魅せてくれ卜部さんという読者の、いえむしろ私の渇望。

取り乱しました。

昨今もてはやされている萌えという言葉で簡単に表現したくない、新たな世界がこの作品には詰まっています。

想像してみて下さい、物語の当初は喜びの表情などみせることもなかった卜部さんが椿君と仲良くなったことで時たま(ほんっとうに時々!)表情による照れを表す様を。
ここで言いたいのは、一度崩したら後はデレるだけの俗に言うツンデレパターンではないということです。

ここが非常に重要です。

デレれば後は身を任すのみ、デレまでの描写にこそツンデレの極意あり。

そんな風に思っている人は大勢いるかと思いますが、デレ領域に入っているはずなのに当初と変わらずのツン(この作品で言う謎)…これは新たなツンデレ亜種の誕生、そうまさに謎デレというものが確立した瞬間なのでした。

というかそれはツン要素の割合が強いツンデレを言うだけの気も

いや、なのでしたってあんた。

しかしながらツンデレの流派にはやっぱりツンとした要素を持ちえてないととお思いの方、安心なされい!(ん?)

この卜部さん、よだれと同時にパンツにハサミを仕込んでいるのがトレードマークになっているのですが(謎だ)、椿君が度を過ぎた行動(一般論的にはなんてことはないこと)を取ろうとすると威嚇的な目とともに必殺技を繰り出します。

おぉ、ツンだ。


なにやらツンデレの話しかしていなくて申し訳ないですが、青春時代の甘酸っぱい雰囲気が上手く描写されており、恋愛漫画好きであれば必読の1作です。

時にこのレビューを読んでくださった方が実際にこの作品を手にとった際の話をしますが、3巻~4巻の最初の下りは半端ない破壊力。

私は4巻まで一気買いしたのでお預け状態にはなりませんでしたがあの寸止めはひどいな、と。

そして4巻での至福。

通して読むとそれほどの感慨は得られませんでしたが、リアルタイムで4巻を待っていたコミックス派の人にとってはとても良い体験だったんじゃないかと思うと少し悔しい気も。





さて、いかがでしたでしょうか。

魅力伝わっていれば幸いです。


しかしこの作品、なぜよだれで心情がわかるのか?という核心やある一定の人物にしか共有出来ない理由は?などは全くもって話としては表現されていきません。
なんというかスパイスとしてのよだれであって話の中核を担う要素ではないのです。

その分、やりとりされる青春は本当に秀逸な魅力をもっているのでオススメするわけなのですが、なんというか完結はまだまだ遠い先の話になりそうです。

この設定を上手く話として消化することが出来るのか否か、投げっぱなしジャーマンで完結してしまうのか…ちょっと気になる点ではあります。

また、作者の絵柄は個性的で書き込みが濃いような画風です。
絵柄というものはやはり漫画においては大事なわけで(こと恋愛漫画に関しては)、上記の表紙絵をみて抵抗がないようなら大丈夫ですが、初期の絵柄は引っかかる人には引っかかるかもしれません。

その辺りも熟考したうえで判断をお願い致します。
より客観的に評価するのならば2といった所なのですが、今作の特出した悶え要素=ヒロインの謎デレはとても魅力的ですし、画力としてみても自分の絵柄を構築しているという面ではマイナス要素には自分の中ではなっていません。物語の根幹が見えてこないという点は読んでいて不安になる所ですが、良し悪しを作者が理解して描いていることは見て取れるので3評価となっております。

としていましたが、5巻発売に伴い気付いた点もあり。
今作のレビュー自体が開設当初のレビューで作品の見つめ方が甘いなぁというのを感じました。4巻まで作品の構成にばかり目がいっていた見方でしたが、5巻で構築された世界観とよだれが縛る青春の良描写は特筆したものだと。よだれが一つのギミックになっているわけですが、全体として作品の作りは想像以上に巧くまとめられています。そもそもの評価が低評価過ぎたと反省。
それを踏まえて新刊での想いというのは下記より参照お願い致します。
現状での評価は4です。


また、よつばと!レビューに続きのタイトル小話をすると、謎の彼女XのXは彼女のもつハサミの形に由来するそうです。
そして、主人公である椿君の苗字もよだれ→唾(つば)→椿(つばき)なんてどこかで聞きました。

なるほど、深いな…(深くない)

※新刊レビュー→5巻

※このレビューは4巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/01/26
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