漫画レビュー~遠藤ってば!~

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僕と彼女の×××

                設定を活かせるか否かは作者如何、それを強く感じさせる快作です

■性別が身体毎入れ替わっちゃったら是?非?■

「僕と彼女の×××」
作:森永 あい
連載:コミックブレイドアヴァルス (マッグガーデン)
定価:¥ 580(一部¥ 590・600)


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★☆☆☆ 

キャラクター:★☆☆☆☆ 

構成力:★☆☆☆☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★☆☆☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
武蔵野学院高等学校に通う主人公・上原あきら(うえはら あきら)は俗に言うイケメンでありながら地味な立ち振る舞いと慎ましい性格もあって目立たないけれど、本人にとっては安寧の日々を過ごす毎日。彼の想い人である同学年の桃井菜々子(ももい ななこ)は彼の性格とは真逆で、男勝り・凶暴で横暴な性格でしたがその外見は周りにはちょっといないくらいの美少女でした。女に生まれていれば、男に生まれてれば……、そう周りから言われる2人が菜々子の祖父の実験によって身体が心共々入れ替わってしまったからさぁ大変。あきらは元の身体に戻ることが出来るのか!?菜々子に想いを告げることが出来るのか!?2人のそれぞれの親友を巻き込んで物語りが幕を開けます。

~レビュー~
俗に言われる男女入れ替わり作品の典型にして既成の設定を作者の技量でもって新たな男女入れ替わり作品の良さをみさせていただいた、そう感じる1作です。

まぁまだ完結した作品ではないのでいただいたというよりはいただいている、ですが。
この作品を私が購入するに至った経緯ですが、もちろん女装物や男装物、入れ替わり物が趣向で作品を探していた所、巷の評判が良いということで購入したわけでした。
例によって感じた良し悪しをみつめていきたいと思います。

私はどちらかというと絵柄重視で作品に入っていくタイプなのですが、同じように絵柄如何で作品に入っていく(気持ちを入れていく)人は注意が必要な作品であるということは始めに明記させていただきたいと思います。
作者様は女性作家でギャグ系統を得意としているのですが、少女漫画チックな絵柄であるというのは表紙を見ていただければお分かりになると思います。
少女漫画の絵柄が良くないと言っているわけではありませんが、少女漫画系統の絵柄では癖が強いものは肌に合わない人はまるっきし合わないというものがあると思うんです。
もちろん統計は取っていないので雰囲気的推測になりますが、この少女漫画チックな絵柄が苦手だとか個性的な画風が苦手だって人の割合はどうなのか気になる所です。
この辺は雑記で使えそうな題材なので何かの機会に書いてみたいと思います。
今回に限れば少女漫画的絵柄が苦手というのは少女漫画に慣れていない男性に多いような気がするので、主に男性読者のための注意文と思っていただければ。
例えば目がキラキラしすぎているとか人物全体図がやけにひょろひょろし過ぎているとかそういうものですね。
個人的には今作に限っては許容範囲(という言い方は若干失礼で申し訳ないです)でしたが、この辺りの絵柄が個性的過ぎるものに対してどうしても駄目だという人は今作もとい今作者の絵柄はグレーゾーンなのではないかなと感じました。
表紙だけで判断するとそうでもないのですが、本編は結構きつめです。
さらに連載開始が2001年で1年3ヶ月平均で1冊程度の発刊ペースであるので、初期の絵柄では特に本編では顕著に少女漫画チックな印象を強く受けることでしょう。
それと同時に発刊ペースが遅いということもあるので、続巻を気長に待つのが性に合わない人も注意が必要です。

という側面はあるものの、流石の作者節ともいえる魅力が詰まっている作品で、その場面場面でのギャグ描写はブッと吹き出してしまう瞬発的な凄みがあります。
恋愛漫画のジャンル、ラブコメ作品であるとは思うのですが、コメディの部分の表現力がとても高いポテンシャルを持っていると感じました。
ラブをコメが喰っちゃっているとでも言いましょうか、だからこそ多少絵柄で合わないような人でも補って余りあるコメディとしての良さとして読み続けることが出来るのではないかなと思います。

色々な良さがあるのですが全てを語ってしまっては読む上での楽しみがなくなってしまいますので一つだけ挙げさせていただきたいと思います。
やはり入れ替えの原因を作ってしまう菜々子の祖父・桃井萬造(ももい まんぞう)博士の存在感は紹介せずにはいられません。
外見は博士という言葉の象徴的な人物で、アンパンマンのジャムおじさんに眼鏡をかけていやらしくした感じです(ちょw)
アンパンマン知らない人だっていると思うので言葉で外見を説明していくと、太っていて禿げているけど両サイドはもふもふしてて、眼鏡に口ひげ……いかにも研究者らしい風貌をしています。
このじーさんがとんでもない汚れを作品内で受け持っているのですが、かなりのやり手です。
元々菜々子と同居生活を送っていた博士ですが、男勝りで傍若無人な菜々子の元で苦しい生活を強いられていたのでしょう、その反動が主人公あきらにこれでもかという勢いでぶつかります。
弱みを握ってあきらを強請(ゆす)ろうと悪巧み顔でにやけるその姿はエロじじいのそれと同等。
おまけに駄々はこねる、自分の孫(中身はあきら)には裸エプロンを要求する悪ノリ、孫に甘えるその姿はここまで落ちれるもんなのかwと思わせるほどです。
しかし読者にとってはそれほどまでにじーさん辛い生活を送ってきたんだなという共感や労わりを抱かせてしまうような所に憎めないチャーミングさがあり、その存在感は作者の人物技法の優れている点でしょう。
作品の合間合間に登場してはこの博士がスパイスとして作品を際立たせます。


また、入れ替わってしまう当事者達の立ち位置というものもなかなかに斬新です。
ヒロインの方はすぐに適応して男の生活を謳歌するのに対して、主人公には災難ばかり降りかかり、適応もなかなか出来ません。
男が女性の身体になってしまったらという点において普通ならいやらしい展開にもなりえるものを、そこは流石の作者の人物技法の巧みさです。
元来の乙女のような性格の主人公はそんな野蛮な人物でないので、そこはなかなか綺麗な展開に抑えられています。
元々が女性向けの作品であると思いますが、やはり女性のほうが男性よりは楽しめれるのかなと思います。
入れ替わってしまったあきら本人は外見は女性なわけですが、中身は男性キャラなので女性読者としては菜々子(中身はあきら)にも積極的に萌えれるわけですし、あきら(中身は菜々子)は外見がイケメンでさらに菜々子の男らしさが+されるのでこれまた萌えれるでしょう。

※萌えるというかこの場合は気に入るという意味の方が表現的には良いかも知れませんが

男性にしてみると、菜々子(中身はあきら)はとても可愛い仕草で琴線を刺激しますが、中身は男なんだぞという気兼ねを持たせてしまうので、普通の感性を持っている人にとっては何か気に入る感情移入をストップさせてしまう側面があるでしょう。
逆にあきら(中身は菜々子)はまんま荒ぶる男なので、流石にこれに萌えようとするのは上級者向けと言わざるを得ませんw
加えての多少癖のある少女漫画チックな絵柄であるので、恋愛漫画としての良さは排除してコメディ要素としての面白さに焦点をあてて読み進めるのが気兼ね的にはベストなのかなと感じました。
もちろん、現在レビュー時点での6巻ではようやく元に戻れる兆しが見え始めたということで、これからのガチ的な主人公とヒロインの恋愛展開があるならば恋愛漫画としての良さを得るために読み進めても問題はないと思います。
現時点ではラブコメ、それもコメ強めが好きならオススメだけれど、それ以外にとっては私のレビューで良さそうと思っていただければ購入して楽しんで欲しいというレベルの評価の位置付けというのが正直な所かなと感じます。


ヒロインの菜々子があきらに徐々に恋心を芽生えさせていくような展開ならおおいにありなんですが、当の本人はあきらの身体になって自分の親友の登場人物と恋愛関係になっていくんですね。
ある種百合ですか?(菜々子本人がそういう性質があるわけではなく男を謳歌しようという流れで親友とそういう方向になっていくので厳密に百合とは定義出来ませんが)
そして菜々子があきらのことを好きになることは恐らくないような雰囲気なんですよね。

これ、重要です。

そして当のあきらは親友の登場人物に迫られるはでもう登場人物入り乱れ感が物凄い。
っていうかBLっぽくもあり、そこがまた抵抗感覚える人にはオススメできないわけですが。



入れ替え系作品として新たな道しるべを打ち出している点に限ればもっと評価されるべきタグという印象ですが、私が求めている恋愛漫画としての妙とは若干の誤差を残す1作かなと感じている作品です。

なんだか批判的なことをあまり書かない自分にしては珍しい

なんだかんだ言ってきましたが、ここまで作品としてくると自分の中では後はどう締めるのか如何で評価が変わってきそうです。
正当な主人公×ヒロインの展開であれば満足なのですがさて7巻以降はどうなるんでしょうか?(残り数巻で終わりそう)

※このレビューは6巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/04/07
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