漫画レビュー~遠藤ってば!~

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強殖装甲ガイバー

                ガイバーの表紙画像を探すのに苦労しましたw

■ガイバ―――――――ッ!!■

「強殖装甲ガイバー」
作:高屋 良樹
連載:月刊少年エース (角川書店)
定価:¥ 567(角川コミックスから出ている新装版を基準にしています)


ストーリー:★★★★☆

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★★ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★★ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
主人公・深町晶(ふかまち しょう)はどこにでもいる平凡な高校生。ある日のこと、幼馴染・瀬川瑞紀(せがわ みずき)の兄にして晶の良き兄貴分の瀬川哲郎(せがわ てつろう)に裏道を通って帰宅することを促される。道中、地響きとともに彼らの元に飛んできた物体は晶を突然取り込んでしまいます!異形の物体へと変貌してしまう晶、そして同時にそこに現われる怪物達……。人類の創生にも関わる壮大な世界観を背景に、世界征服を目論む秘密結社「クロノス」とユニット殖装体「ガイバー」となった晶との世界の命運をかけた戦いが始まるのでした。

~レビュー~
まさに生ける伝説、1985年に連載が開始した今作は作者の漫画家としての希有な才能とその遅筆ぶりが相まり、連載から20年を超え今なおSF・ヒーロー物を好きな人々を楽しませてくれています(一部はあまりの遅筆ぶりにファンをやめていくw)。

やはり長く連載が続いている作品というのは思い入れもあるもので、恐縮ですが多少レビューとは関係のない作品との馴れ初め話をさせていただくこと、ご了承いただけますと幸いです。


さてっ!私、この作品はなんと1989年にOVA化されたものから入りました。
今で言うところのアニメから原作に入るようなものですね。
でも当時は今のようにDVDなどがあるわけでもなく、LD(レーザーディスク)だったことも印象に強いです。後にVHS版も執拗な執念で入手しました。
LDはディスクが円盤という言葉が似合うように直径30cmくらいはありましたでしょうか。
全9巻(欠けているかも)ズラッと部屋に飾ってますが、こうやって考えるとここ数十年で飛躍的に文明が(ry

※話が尋常じゃないほど逸れるので自主規制

見難いですがLD盤のケース

画像圧縮比率下手すぎ乙w

ちなみにここに写っているのがあらましで物体に取り込まれてしまった晶=ガイバーです。
このOVA版というものは調べればお分かりになりますが、TV放送向けにではなく始めからDVD等のメディアでの販売又はレンタルを主販路として作られるアニメのことになります。
なので、否応がなくTVアニメ版よりもクオリティの高い物が出来上がるのですが、今作「強殖装甲ガイバー」においてはそのレベルはまさに傑作の域だったように思います。
率直な話、今観てもとても楽しめますし、というか最近のアニメ又はOVAにもひけを取らない高クオリティです。
幼い自分はディスクが擦り切れるくらい毎日このガイバーOVA版を観ていた気がします。
この作品の原作が漫画であるということを理解してからは旧・徳間書店バージョンでの単行本として買い揃え、同時にフィギュアも親にせびっては買ってもらいつつ一時期はガイバー一色な生活だったかも知れません。

といった所で、作品の魅力をみていきたいと思います。
今作は俗に言うヒーロー作品なわけですが、勧善懲悪ではないという点が当時にしても現代にしてもヒーロー物としては斬新な着目点であるように思います。
どうやら仮面ライダーのような作品をということで連載が始まった作品らしいのですが、大筋のイメージはその意識で問題ないでしょう。
世界征服を目論む秘密結社があって、それに主人公達が立ち向かっていく。主人公は変身するし、敵は改造された化け物達です。
しかし古きヒーロー物の良さから一歩先を見据えた物語展開は衝撃を生むことになります。

詳しくは作品を読み進めていって欲しいですが、実は今作においては世界征服を目論む秘密結社「クロノス」というものは、読者の想像を遥かに凌ぐ形で社会に根付いているのです。
よくある秘密結社というのは暗躍してはいるもののその存在はいつまでも闇であることが定番です。
もしくは世界征服などという大それたスケールを実際に実現する結社などは稀有でしょう。
正義は勝つ、悪は滅びるなのです。
それがヒーロー物がヒーロー物である所以でしょう。

しかし今作においてはどうでしょうか。
圧倒的なクロノスの力によって追い込まれていく主人公達はさながら逃げ惑う子羊。
そして主人公の周りの人物がどんどん巻き込まれて人質に取られていく様は、読者としてはまさしくピンチの連続に写ります。
いつしか悪と正義の境がにじんでわからなくなっていくその展開からくるリアルな感覚は、きっと読者をハッとさせることでしょう。

その展開の切り口の妙は流石の一言。


次にヒーロー物に必要不可欠なクリーチャーとしての造形の素晴らしさが挙げられるのではないかと思います。
ウルトラマンに出てくる怪獣然り、ゴジラシリーズに登場する怪獣、仮面ライダーに登場する敵の怪物、その造形には少年心というかこども心をくすぐられる魅力が詰まっています。
今作ではよりグロテスクなオドロしいクリーチャーを念頭に描かれているとのことで、その存在が獣化兵(ゾアノイド)です。
クロノスは「調製」と呼ばれる遺伝子操作により強大な力を持った怪人「獣化兵(ゾアノイド)」を駒として世界征服を企みます。
人間だった者が異形の怪物に変化していくシーンなどは鳥肌物。

家にあるのはキット作らずに眠ってるな……w
※こちらの画像はガイバー好きなら必見、ファンサイト「リラックス・ポイント」様から拝借させていただいております。ガイバー好きは要チェック!

この緑の怪物が基礎的な獣化兵のベースなのですが、実に見事な造形だと思いませんか?
そして主人公ガイバーの造形も上記のLDケースの表紙画像を見ていただければわかる通り、この造形センスは天才的な描写と言わざるを得ません。
ひとえに生物融合のようなものとして人体が変化するような変身であるために、生々しくも物語の作風に見事に合致します。

また、その獣化兵を生み出す技術というものに対しても裏付けの設定がしっかりされていることも注目点です。
ただのなんちゃって設定のヒーロー物ではないんですね。
ストーリーが練りこまれていること、そして様々な伏線の散りばめられかたなどがこの獣化兵(を生み出す知識)やガイバー(という物体)をSF作品としての魅力として高めています。
主人公が拾う謎の物体であるユニットガイバーは遥かな昔、謎の異星人「降臨者」が地球に残した3つの「ユニット」と呼ばれる物体の1つであることが次第にわかってきます。
この異界人の残した知識を悪用(読み進めると悪用という形容の仕方も違うことに気付く)するのが秘密結社クロノスであり、獣化兵などもこの知識の産物なんですね。
ユニットガイバーもクロノスが手に入れていた古代の知識の一つだったわけで、もちろん取り返そうとするクロノスの魔の手が主人公達に伸びるわけです。
しかし、そんな得体の知れない知識や技術がその辺の悪巧みをする人間にほいほい扱えるはずがありません。
実は元を辿っていくと強殖装甲ガイバーの世界は、この謎の異星人「降臨者」の時代に端を発する出来事であることが徐々に明らかになっていきます。
ヒーロー好きのみならずSF好きの人にも興味をそそる作品の広がりには引き込まれること間違いなしでしょう。


さて魅力といえばもう1点。
俗に言われる少年漫画においての「努力」「友情」「勝利」の原則においても比類ないポテンシャルを有しているように感じています。
まんまその原則かといわれると違うベクトルでもありますが、細かいことは気にせずに一つずつ見ていきましょう。
まずは「努力」です。
本来、偶然ユニットの殖装体に選ばれてしまった晶は丸っきり民間人の普通の高校生なので、世界の命運がどうだとか最初の頃はそんなこと考えられる状況にはありません。
その中で敵の戦闘訓練を受けている獣化兵部隊は次第に強力になっていきます。
ガイバーの戦闘性能の高さによってかろうじて敵の猛攻を凌ぐ晶でしたが、人質を取られ本格的に騒動に巻き込まれていくことでクロノスと戦っていく決意を固めていくのです。守る者達を背に戦い強くなっていくガイバー。
努力です。
さて、しかしガイバー1人ではどうにも立ちゆかなくなってきます。
それほどにクロノスの層は厚いんですね。
その中で助っ人として登場するもう1人の謎のガイバー。
ユニットは3つあるのでそのうちの1つが誰かを殖装体として宿主に選んだということなのですが、その圧倒的な力によって敵を一掃していきます。
ガイバー同士の共闘、「友情」の側面です。
また、内容は実際に読み進めていって欲しいのですが、強敵だった者が味方につくようになったりする熱い展開もあり、通には堪らなかったりするでしょう。
そして「勝利」についてはその都度の強敵を撃破していく流れでして、このサイクルがしっかりと繰り返されている黄金サイクルだからこそ、ワクワクしながら読めるという良さがあると思います。

出てくる強敵達は一癖も二癖もある連中で、そこもクリーチャー好きには堪らないポイントかも知れません。
クロノスの最高幹部が繰り出す直属のエリート部隊、「超獣化兵(ハイパーゾアノイド)五人衆」は序盤での大きな死闘を演じる上では見逃せません。
獣化兵を超える調整を施されたその5体はどれもがガイバーに匹敵する能力と性能をもって目の前に立ちふさがります。

……と、造形をこそ推している側面が強いなと感じられるかも知れませんが、実は描かれる心理面の巧みさも魅力です。
普通ならば敵は悪の根源といった風貌で主人公に迫ってくるものだと思いますが、今作においては「努力」「友情」「勝利」の側面が敵にも感じることが出来るのです。
端(はな)から主人公達を正義と位置付けていないからこそ深みのある物語が展開されているのかも知れません。
読み方によっては主人公側ではなく、クロノス側に立って魅力を追ってしまうかも知れません。
それが可能であることが作品の奥深さを形作っているでしょう。



さて、そろそろ締めに入りたいと思いますが、長期間にわたって連載されていて休載ばかりの作品なのでその弊害というのもあります。
どんどん風呂敷を広げたストーリー展開をしているので作品としての完結がどこに向っているのか未知数という点。
また期間が長いので最初の頃の絵柄は昔懐かしクオリティであるところは許容の心で読み進めていって欲しい点。
また「努力」「友情」「勝利」系統においてよくいわれる、最初は強敵だった者の雑魚化という点。こればかりは致し方ない側面もありますが、哀愁漂います。
そしてなんといってもその発刊ペースの遅さは多くの根強いファンが離れていく要因です。
死ぬまでに完結を見ることが出来るのか?といわれる数少ない漫画のうちの1つという点も魅力……なのでしょうか??
休載が目立つ漫画家というのは作品が面白くても漫画家として~などなど色々と議論もありますが、辛抱強い人は私と一緒にこれからも強殖装甲ガイバーを追っていきましょうっ。

評価の話をさせていただくならば、私のスタンスとしていつまで待たされても許容の心で作品を楽しむことが出来るという側面に+して幼少期から多大な影響を受けたということも加味して4評価になっていますが、連載遅延などの要素も客観的に加味すれば3が妥当なのかも知れないと思っております。個性は確立していますが作品の骨格がと問われるとぶれている側面は感じずにはいられません。この辺りは補足ということで一つよろしくお願い致します。

余談になりますが、自分は単行本全巻よりも買い集めたフィギュアのほうが遥かに金額逝っちゃってたりします。
こういう人、多いんじゃないでしょうか。
昔出ていたものもさることながら、ここ10年前後で発売になっているフィギュアの完成度はマジで歪みねぇ出来栄え。
二桁万円余裕でいくんじゃないかと小一時間。
そして本気で余談なんですが、OVA版でOPとED曲を歌っておられる石原慎一さんの歌は本気でぱねぇと思います。
カラオケでこの曲を熱唱した時の周りのしらけ具合、プライスレス。
キングゲイナー・オーバー!とかだと一般人と一緒の時に歌っても盛り上がるんですが、ガイバーはアニソン好きかヒトカラの時しか駄目ですね。
というどうでもいい小話でした。

※このレビューは26巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/04/10
Trackback:0
Comment:2

Comment

*

自分は19歳なのですが物心ついた時から父がガイバー信者だったので良く目にして、ストーリーが分からずでしたが中学になって読むと内容が深く
そして主人公が特撮の主人公を窮地に陥れるダークヒーロー的なデザインでシビレました
自分はガイバーⅢのデザインが歪みねぇ神レベルだと思うんですがどうでしょうか??
2009/10/18 【ヤイバー】 URL #-

* Re: タイトルなし

初めましてっ、コメント有り難うございます&気づくのがやや遅れてしまい申し訳ないです。
私もガイバーとは物心ついた頃からうちの祖父wが信者でよくLD盤(昔の大きなディスク盤)でアニメを見てた頃からの付き合いなもので最初はストーリーもよくわかりませんでしたね。
という意味ではヤイバーさんと同じ入り方かも。
ガイバーはガイバー自身もそうですしクリーチャーもそうですがデザインのセンスはかなりツボをついてると思います。
ガイバーのデザインで言うと私も武装した状態は加味しないとするとガイバーⅢが一押しですねっ。何よりガイバーⅠよりも肉厚なボディ(ここ重要!)で頭部の角のようなデザインが鋭利なイメージでいてあのボディの色艶。
ガイバーはフィギュアも多く出ていまして、どれも値段はお高いんですが(汗)、是非とも好きな人にはフィギュアまで揃えてにまにまして欲しいなぁとファンながら思ってます。
って熱く語りすぎすみませんw
今はどうしても休載多いし誌に出てもページ数が少なくて単行本になるのにだいぶ待たなければなりませんが、恐らくいつまで経っても私は見限らないでついていくんだろうなぁーと思ってます。
コメント有り難うございましたっi-237
2009/10/21 【遠  藤 】 URL #-

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