漫画レビュー~遠藤ってば!~

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ローゼンメイデン・Rozen Maiden

                どの人形が可愛いとかそういう類の話で納めてはいけないのは確か

■一歩前に出る勇気を学びたい快作■

「ローゼンメイデン・Rozen Maiden」
作:PEACH-PIT
連載:※コミックバーズ(幻冬舎コミックス)→週刊ヤングジャンプ (集英社)
定価:※¥ 630
※説明がややこしいので詳細は~レビュー~の始めの文面をお読み下さい


ストーリー:★★★★☆

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★★☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
引きこもりの日々を過ごす少年・桜田ジュン。彼はネット通販で買った商品を、期限ギリギリでクーリングオフしてスリルを楽しむという鬱屈した性格の少年でした。ある日、怪しげなダイレクトメールを受け取ることになるジュン。そこに書かれた、「まきますか まきませんか」との問いに軽い気持ちで応えてしまうと、翌日、薔薇の装飾金具の付いた重厚な革製の鞄が送り付けられて来ます。中には精巧な作りのアンティークドールが入っており、興味本位でネジを巻くとなんとその人形は目覚めてしまい……。人形達の存在をかけた戦いに巻き込まれてしまうことになるジュンの心の成長を描きます。

~レビュー~
表紙や先行する話題だけで一般的感覚とは掛け離れたゴスロリ的な雰囲気とヲタっぽさがあいまってその手の作品なんだろと敬遠している人、いないでしょうか。特に一時期は、今や日本の顔ともなった政治家愛読の漫画としてや某IT企業の社長で逮捕事件にも発展した方の愛読書としての認知のされかたもしていた様に思うので、そうした俗っぽさから敬遠していた人は多いかも知れません。しかし、決して浮ついた作品ではなく、その根底に流れる魅力は成長物語としての人間ドラマにある素晴らしい作品であるということは最初に言っておきたいと思います。

まず始めに上記作品データで※とした点からお話させていただきたいと思います。
今作は元の連載はコミックバーズ(幻冬舎コミックス)で連載されていた作品でしたが、諸事情により一度コミックバーズ内での作品の完結を見せ、週刊ヤングジャンプ (集英社)に連載誌を移して再連載をスタートした作品になります。
諸事情については調べれば経緯が出てきますし、このレビューでお話することでもないと思うので興味のある方は独自にお調べ下さい。
さて、一度完結したと言いましたが出版社を変えての再連載ということもあり、作品名がRozen Maidenだったものからローゼンメイデンというカタカナ表記に変わったことの意味するものを別作品として見るのか第二部(当初の連載の続き)として見るのかは難しい所です。
青年誌に移籍したということもあり絵柄も若干ながら変わっていますが、今回のレビューでは続いている作品という認識にたって一つの作品にまとめたものとしてレビューさせていただきたいと思います。
というのも週刊ヤングジャンプの元で新装版が全7巻出されたこともあり(定価は¥780)、再スタートした物語の設定も元の全8巻(幻冬舎旧版)・全7巻(集英社新装版)の設定を上手に引き継いで繋がっての再スタートだったこともあるので、まぁ分けずに一緒にしたほうが何かと都合がいいかなと。

さて、前置きも長くて申し訳ありませんでしたが、作品の魅力をみていきたいと思います。
何と言っても登場人物の心情心理の表現の豊かさは唸らせられる巧みさです。

主人公ジュンはある事件をきっかけに引きこもりになってしまったという設定なのですが、その鬱屈した性格からは滲み出るリアルさを感じ取ることが出来ます。思春期の感情の不安定さも相まって大枠で見ると他人とのコミュニケーションが苦手な人にとってはあるあるの心境で感情移入してしまうんじゃないでしょうか。
反面教師として真正面からぐいぐいと見たくない姿を見せつけていくジュンの姿は、私自身が外向的な性格ではないこともあってか、その心情表現の巧みさもあり痛々しくもストレートに心に響きました。
この心情を丁寧に描写しているからこそ作品の根がしっかりしているというのは大きな作品の強みかなと感じます。
内容は実際にお読みいただきたいと思いますが、ほわんとしている絵柄とは対照的にしっかり描かれる悩みの描写と成長に至る道筋は、数少ない心情表現の巧みな快作の1つと思います。
主軸が可愛らしいドール達の存在を賭けた戦いというキャラ萌え系統に流れてしまいやすい側面があるものの、物語としてはしっかりした骨太な作品です。
もちろん萌えを抜き取ってキャラに対してなんやかんや好きな人が騒いでいる現状はあると思いますが、それほどキャラとしての個性付けなども練られていると思うと、物語としてだけでなくキャラ描写にしても抜け目ない作者の技量の高さが窺えるように思います。


さて、物語はジュンのもとにアンティークドールが届くところから始まります。
掴みは都市伝説チックな様相を呈しているとでも言いましょうか、なかなか不思議な始まりです。
ネジを巻くとその人形は目を開いて命を宿し、ジュンに自分の下僕になるよう言い放ちます。

はい、喜んでっ!(*゚∀゚)=3ムッハー

ドールは自らを真紅(しんく)と名乗ります。
↑で表紙画像にもなっているのがそうですね。
以降様々なタイプのドール達が集って物語りを形作るわけですが、物語の本目的はこの不可思議な魂を宿すドール達の存在を賭けた戦いだったりします。

あらましの続きになりますが少し物語りを整理してみましょう。
この人形達は薔薇乙女と書いてローゼンメイデンと呼ばれていて、このローゼンメイデン達を作り出した創造主もとい人形師がいます。
どういうわけかわかりませんがその人形師は、作り出したローゼンメイデンでは不満なようで、より完璧なローゼンメイデンを求めているとのこと。
魂を賭けたドール達の戦いの末に最後の1人になった者は理想の完璧な少女=アリス(と呼ばれる存在)となり、人形師の寵愛を受けるとかなんとか。
そう宿命付けられていて、ドール達もその理念に従って行動します。
ただし、戦うことがアリスになれる唯一の方法ではないようで、その兼ね合いの中で人間を巻き込んで物語が展開していく……、こんなところでしょうか。

この真紅は穏健派というか戦い以外に道を探しているドールで、これに賛同したいくつかのドール達も次第に彼女の元に集まってきます。
主人公ジュンを中心とした彼女達との日常パートはコメディあり安らぎの展開。
心を閉ざしたジュンとドールである彼女達の交流が次第にジュンの心を開いていくことになります。
根底に流れるテーマは引きこもり主人公という点からも重いものではありますが、物である人形(作品内では生きた特別な存在ですが)と生きた者である人間(ジュン)という無機有機の関係において展開される「コミュニケーションは大事である」などのメッセージは、とても面白い構図から魅力を伝えているなと思います。
また、人形達もその容姿は可愛らしい限りですが、そこから展開されるドラマは人形だからなどとは侮れない人間同士以上に濃いやり取りの応酬。
もちろん全員が命をかけているわけなので当然なのですが、1人(というか1体?)1人が性格がまるで違う中で己の信念を貫いていきます。
それに感化されるジュン、強いては私達読者。

実際は人形や引きこもりなど一見するとうわー……という印象を持ちかねませんし、作品を手に取るまでにもなかなかハードルは高いように思えます。

しかしながら、そういったイメージを全て払拭するほどの物語の深みが魅力として詰まっている作品なので、是非イメージというものを先行せずに実際に読み進めていって欲しいと思います。



さて、ここからがポイントなのですが。
作品は一度僕達の戦いはこれからだ!というかどうなるの!?マジピンチなのに!というところで一度完結します。
上記で挙げた諸事情というやつですね。
今から作品に入る人にとっては作品が強制的に中途半端なところで終わってしまったという絶望感なしに入っていける(再連載が始まっているので)という意味ではかなり読むなら今という気兼ねも感じたりする側面もあり。

そして連載誌を変えての再始動。
新しいローゼンメイデンでは、まきますかまきませんか?の問いに対してまかなかったジュンという設定の元に物語が始まります。
いわゆるパラレルワールド的な流れ。
注目すべきは磨きがかかる心理描写の妙でしょう。
何とか引きこもりを脱出し大学生となっていたジュンでしたが、その心に抱える闇は深く。
連載誌も青年誌に移ったということもあり、胸にちくちくと響くリアルな描写は何というか凄みが増しているとしかいえません。
そんな折に前作で絶体絶命になっていた中学生のジュンから今作の大学生のジュンの携帯に助けを求めるメールが入ったことで物語が動き出し始めます。

前作で一定の評価をうけての今作になるので、ファンとすれば安心してローゼンメイデンの世界を作者に委ねるといったところでしょうか。
現在レビュー時点ではこの再始動版のローゼンメイデン1巻のみが発売した時点でお話しているので、今後現在連載中の物語がどう前作とリンクしていきどう展開していくかはまだ未知数ではあります。
ただし、そこに不安はなく、期待感だけですね。

ジュンの成長の行方、ローゼンメイデン達の争いの果てに待っている未来、これからもその終結に向けてwktkしながら待つ作業に戻るとしましょう。
これからはレビューを読んでいただいた皆さんと一緒に!ということです。

評価の話をさせていただくならば、現時点では4で期待値を込めての5となっております。連載も再開したことで期待が高まっている中ではありますが、今作がテーマに据えている過去の自分との決別と前へ踏み出す勇気というような成長物語の巧みさは多くの人に目を通して欲しい点です。各人にとって評価は前後するかも知れないことは始めに把握していただければ幸いで、私のレビューでは期待値込めでの5ということでひとつよろしくお願い致します。

※新刊レビュー→2巻

※このレビューは全8巻(幻冬舎旧版)・全7巻(集英社新装版)巻&再連載の現行1巻まで既読時のレビューになります。


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Date:2009/04/15
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