漫画レビュー~遠藤ってば!~

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 恋愛・青春漫画好きへ □

ひとひら

                イメージに反してあまりキャラ萌えできない印象

■演劇部系青春グラフィティ■

「ひとひら」
作:桐原 いづみ
連載:コミックハイ!(双葉社)
定価:¥ 630


ストーリー:★★★★☆

画力:★★☆☆☆ 

キャラクター:★★☆☆☆ 

構成力:★★☆☆☆ 

遠藤のツボ:★☆☆☆☆ 

                              総合:★★☆☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
転入生・麻井麦。15歳。 緊張すると声が出なくなるほどの極度の上がり症の彼女は、ひょんなことから半ば強引に演劇研究会に入部させられることになります。上がり症と演劇という相性の悪い関係の中で、仲間との出会いと演劇活動によって成長する麦の姿を青春活劇として描きます。

~レビュー~
近年量産され始めている、学生時代の青春漫画において文化部系を題材にしている今作。その中でも良作の部類に入る丁寧に描かれた1作でしょう。

まずは私が購入に至った経緯から読み進めての感覚を忌憚なく言わせていただく所から紹介を始めたいと思います。
この作品、私自身が青春系統の漫画が好きなので何か良い漫画がないか探している時に評判が良いことから購入に踏み切った作品でした。
表紙画像がなかなか萌え系統に位置されるはずなのに、評判ではしっかりとしたストーリー展開を推す声が多かったので、否応なく高まる期待感。
結論から言ってしまうと、期待値を超えることはありませんでした。
作品のテーマの明瞭性であったり動く意志をもった根のしっかりした登場人物の数々、どれもが丁寧にしっかり描かれており絵柄も可愛らしい。
しかし、物足りなさを感じずにはいられない何かがある、そのもやもや感が何なのか今回のレビューを書きながら見つけられればと思ってます。
同時に、もちろん作品の魅力も追っていければと思います。


さて、今作の題材は「演劇」です。
演劇を題材にした漫画はこれまでにもいくつか世に出ていた印象を持ちますが、そのどれもが古きよきテイストの漫画だったり少女漫画(レディース寄り?)だったりと最近幅を利かせている現代絵での青春漫画とは程遠い作品だったように思います。
現代絵というとそれらしく聞こえますが、ようするに萌え絵であって今回の青春漫画とは現代絵で受け入れられている青春漫画に的を絞っています。
その中で現代絵として演劇作品が出てきたというのは、新鮮さという面でみればなかなか目新しい感じを受けます。
物語の主人公・麦は極度の上がり症でネガティブな性格というキャラ付けがされており、その彼女の成長物語を主点に物語は展開します。
その成長に演劇を結びつける着目点はベスト。
正反対の相性から成長が描かれるというのは伸びしろ的意味では有効です。
また、極度の上がり症というのも見逃せない点です。
学生時代を思い出すと、よく国語の授業で物語の音読を指名された生徒が緊張しぃでどもってしまうなんて記憶が私の中では上がり症のイメージですが、皆さんはいかがでしょうか。
何も極度の上がり症でなくとも、人前で発言するのが苦手な人というのは多いと思います(私自身もその中の1人)。
そういう意味で主人公に共感できるポテンシャルがより多くの人が持ち得ていると思うので、間口は広いかも知れません。

ひょんなことから演劇研究会に入部してしまう麦でしたが、この研究会というのがミソでして、実はこの高校には正式な演劇部が既に存在しているんです。
この辺りの確執が序盤の肝になってきます。
基本人間関係のドラマなのですが、登場する先輩や同級生はどれもキャラ立ちがしっかりしています。
個性的とはまた違う感覚ですが、動くと言いますか皆自己主張のしっかりした人物達が脇を固めます。
物語に合わせた動きや存在をする登場人物を受動的とするならば、今作の登場人物は人物ありきで物語が動く能動的なものであるでしょう。
どちらが良い悪いというものは作品毎の性質などもあるので一概には言えませんが、青春漫画においての能動的なキャラ立ちは◎だと思います。

物語は正式な部と麦が所属する研究会との確執において互いの存続を賭け演劇公演の対決をする流れになっていくのですが、練習や合宿を含め意志のぶつかり合いの描写は流石。
何も今作に限ったことではありませんが、部活動漫画において時に起こり得る仲間との意志のぶつかり合いを丁寧に描いている作品に外れ作品はないように思います。
対決の結末で物語が終わるわけではなく、むしろそこからが作品の始まりだとも言えるのですが、ここまでは至極青春に比重をおいた作りがされています。
そして以降は徐々に片鱗をみせる恋愛絡みの作品の広がり。
もちろん青春漫画ありきなので恋愛面は相手のことが気になっている程度なわけですが、この描写もなかなかに巧み。

こうしてみていくと作品の安定感がわかります。
テーマも人は変われるのか?というか変われるんだという前向きなものを据えているので、読んでいてポジティブな気分になれるでしょう。


では何が足りないというかもやもやするのかなぁと思っていたのですが、やっぱり絵柄だな、と。
作画自体が表紙などの一枚絵に比べると中身はちょっと惜しいというのはもちろんありますが、というかそれも大事なポイントかも知れません。
中には表紙詐欺的な作品もあるのでそれと比べればどうということはないと思いますが……。
そんな中で展開展開で提示される絵柄が物語の良さに追いついていないように感じます。
例えば言い合いになって鬼気迫る表情を見せる場面があるとします。
こういう際は物語の流れ如何よりも絵で魅せるシーンだと思いますが、如何せんパンチに欠ける。
ぽわーんとしてる絵柄なので構図などで迫力を出して欲しいとも思うのですが、どうしても通常時の延長上のような魅せ方になってしまっており、グッと胸に届けにくい。
表情の書き分け、強いては人物の書き分けが上手くないのが原因でしょうか。

現在レビュー時点での6巻では、初期に比べればその物語と絵柄の溝は埋まってきているようにも思いますが、まだまだ私の理想とはかけ離れているというのが本音です。
そういった意味で評価は1つ星。
ちょっと厳しいかも知れません。
世間的な評判としては上々のようですが、私個人としてはその評価の一歩手前。
全体的に暖かい空気と成長の物語は魅力的ではありますが特出した魅力であるか問われればそこまでのものは自分は感じられませんでした。
全体的に上手くまとまられながら巻を追う毎に描写も上手くなってはいますが隠れた良作感はあるものの作品そのものとして見るとピンとこなかったというのが本音です。
今後の展開に注目ということでこれからの展開如何によってはまだまだ伸びしろのある作品です。

正直な話、恋愛要素が強くなりはじめているので、その辺りで恋愛漫画にみる魅力が爆発すればまた違った視点で評価を押し上げる要因にはなるかも知れません。
何にしてもアニメ化などもされ一定の人気と賑わいをみせている作品だとも思うので、今後もこの調子で頑張って欲しいと思ってます。

※新刊レビュー→7巻(完)

※このレビューは6巻まで既読時のレビューになります。


* 「恋愛・青春漫画好きへ」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2009/04/18
Trackback:0
Comment:2

Comment

*

はじめまして。
最近何を読もうかと迷っていたので、レビューはありがたかったです。
早速探してみます。

お邪魔しました。
2009/04/18 【風雅 聖】 URL #-

*

>>風雅 聖さん
初めまして。
このような細々と好き勝手にレビューしているサイトにお越しいただき、レビューが参考になったとまで仰っていただき、有難うございます。お邪魔などとんでもない、大歓迎です。風雅さんの漫画購入に一華咲かせられれば光栄に思います。マイペースに更新していますので、是非参考にしていただければと思います。
2009/04/19 【遠藤】 URL #2NFEem4w [編集]

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback


+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。