漫画レビュー~遠藤ってば!~

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NHKにようこそ!

                瞳先輩を正気に戻しながらハッピーエンドになれば良かったのにwと思ってます

■ひきこもりオタ世界を漫画特有コメディタッチで■

「NHKにようこそ!」
作:滝本 竜彦(原作)、大岩 ケンジ
連載:少年エース (角川書店)
定価:¥ 588


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★★★☆ 

キャラクター:★★★☆☆ 

構成力:★☆☆☆☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★☆☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
大学を中退して何年もひきこもり生活を送っている主人公・佐藤達広(さとう たつひろ)。無職でひきこもりであるこの生活は謎の巨大組織の陰謀……、そんなことを考える毎日に一筋の光が訪れます。佐藤をひきこもりから脱却させるべく現れた謎の美少女・中原岬(なかはら みさき) は「プロジェクト」の遂行を宣言。その「プロジェクト」の目的が不明のまま、佐藤と岬のカウンセリングは始まるのですが……。原作小説の世界をより漫画的手法に基づいて、現代のひきこもり・オタクをブラックユーモアを交えて描く青春系ブラックコメディの怪作!

~レビュー~
今作は2007年の8巻をもって完結した作品なので、完結作品レビューということになります。読み手によって、原作未読か既読かにもよっても印象が変わってくる作品だとも思いますが、小説のほうは読んだことがなく情報を頼りにしているだけなので、なるべく狭い視点というものにならないよう心掛けてレビュー出来ればと思います。

まず絵……画力高いです!絵柄買いの人はどうぞ。
この作品のテーマは、ひきこもりオタクの主人公という現代的な設定を介してその現状をブラックユーモアたっぷりに面白可笑しく展開したり果てに主人公がどういった成長を見せるのか、ひきこもりを脱却出来るのか!?というような点かなと思います。でもこれから挙げていきますが設定を活かしきれていないのが惜しいというようなことも触れられれば。
レビュー時点(記事投下日を参照)の今でこそなにやらありきたりな作品~と思ってしまいがちですが、実は2004年に単行本の1巻目が出たことを顧みるとなかなか前衛的な作品が出てきたものだと当時(少なくとも私個人としては)は思ったものでした。
よく引き合いに出されやすいのがオタクライフそのものを濃く描いたことで話題になった「げんしけん」でしょう。
こちらは連載開始が2002年辺り(うろ覚えでサーセン)だったと記憶していますが、連載期間がかぶっていた時期が大半だったこともあり、表裏の関係として作品を見ていた人も多いのではないかと思います。
表裏というのは今作が陰とすればげんしけんが陽みたいなものでしょうか。
あれ?逆か、まぁその辺りは置いておきましょう。

まずはあらましの続きの整理から追っていきたいと思います。
とにかくどうしようもない行き詰まりの生活を送っていた佐藤でしたが、この現状というものは何気なくリアルです。地元を離れ関東で大学に入るも中退、その後も同じアパートに親の仕送りを頼りにしながら生活する毎日。
おまけに人と接するのが苦手で嘘を塗り固めるような性格。見た目は好青年なんですが。
ここまでイメージを抜き取って正確に設定描写されるとなかなか目を背けたくなるのが普通ですが、そこは娯楽性を重視している漫画です。
軽快なテンポで物語は喜劇のように進んでいくので出だしから作品のテーマを垣間見て重たくなるということはないでしょう。
実は隣に住んでいた高校時代の後輩・山崎もなかなかの強者で、オタクでエロゲ脳で美少女フィギュアをたんまり持っている眼鏡君という強烈なインパクトを読者に与えます。
どういうわけか2人はエロゲを製作して成功を掴む為にあれやこれや行動していくことになるのですが、ここで注目したいのは佐藤は最初の段階ではオタクではなかったという点です。
それが山崎の影響でどんどんオタクのディープな世界にのめり込んでいきます。
オタクでなかったものが嬉々としてオタクに染まっていくその描写はもうやめて佐藤のライフは0よ!と叫びたくなる心境です。
合間合間に挟まれるブラックユーモアは青春コメディとして抜群のテンポと良さを感じることが出来るでしょう。
痛々しいのに何故か笑ってしまう魅力。
そして忘れてはならないのが、ヒロインである岬の存在です。
当初は謎の美少女ということで佐藤をひきこもりから脱却させるためにあの手この手でプロジェクトを推進していく彼女でしたが、表紙画像にもなっている絵に描いた美少女のような彼女とひきこもりの佐藤との現実感のないギャップはそれこそが娯楽性を重視したものになっているといえるでしょう。
と……前半は面白おかしくテンポの良いハイテンションな救いの見えないオタクひきこもり系ブラックユーモアな漫画として物語が進んでいきます。
一例を挙げるならば……、エロゲ製作の参考資料としてロリなエロ画像を捜し求める佐藤。
実際に外に出て山崎が若干引いている中で本物の美少女小学生達を盗撮しつつもその自分の不甲斐無さに嘆くその姿は読者に笑いとともに主人公像としての美学を遺憾なく提示してくれることでしょう。
どこか作品としてネジが抜けているのですが、それが娯楽性の良さを引き込んでいるといえるかもしれません。

さて、物語は中盤に入るとその空気を徐々に変えていきます。
ぶっとんだブラックユーモアが味だと思っていた作風は次第にそれぞれの登場人物のリアルな悩みと救いのない展開にシフトチェンジしていきます。
相変わらずのブラックユーモアは変わらないのですが、それに対しての反応に笑って楽しんではいけない空気というものが作風として提示されるかのような感覚。
また、佐藤がひきこもりという定義のされ方で物語りが始まりを告げたのに対して、物語りが進むにつれてどちらかというと対人恐怖症寄りの側面が強いだけで厳密にひきこもりというわけではないんじゃ?という感覚に。事例としてのリアリティがあっても本質の設定(ひきこもり等)において完全にリアルかと言われると疑問が残ってしまうのですが、この辺りのズレが次第に作品を迷走させることにも繋がっているように感じました。
コメディタッチでの軽快なネタを良さとして感じていたのがタッチは変わらずに登場人物達が何を見据えているのかわからない状態に流れていくので、それをされてしまうと読者としては困るというか作品が迷走し始めていないかという懸念。
終盤になると、面白さを求めるというよりはどうなるんだろう??という疑問が頭を駆け巡るかも知れません。
どうやら小説では起承転結のしっかりしたきっちり締める流れになっているようですが、漫画版では今ひとつ迷走したまま完結を迎えてしまうということはあるようです。
そもそも小説・漫画・アニメ(にもなっているので)で根本的なキャラの設定の違いがあるということで、どれかかじった状態で漫画に入る人は多少の気構えは必要な作品なのかも知れません。
逆に私のように漫画から入る人でしたらあまり深いことは考えずに面白さを体感できることと思います。
こればかりは原作を読んでいないので私からこうだとは言えませんが、確かに漫画版は中盤から最初の頃の勢いがなくなってしまったというのは率直に感じました。
物語としての笑い云々よりも各キャラの人間描写のやり取りに比重が置かれ始めます。登場人物が全体的に病んでいきますw
実は作品として迷走し始めたとも言ったのはネタを楽しむという作品の流れだったものが半端に人間ドラマを交えてのブラックユーモアになるため、違う良さと違う良さを掛け合わせたら悪さになっちゃったというようなことが起こり得ていたのかも知れません。
けれど「良さと良さ」と挙げた点に注視していただきたいと思います。
苦悩して迷走する登場人物達の姿は決して投げやりに表現されているわけではなく、生々しいというか「苦」の感情という点において読者の心にしっかりと届くんじゃないのかなとも私は感じました。
それだけ必死に「苦」から抜けだそうとするキャラの心の叫びが真摯に描かれています。
作品のテンポとか作風が変化してしまったということに対しての戸惑いは隠せませんが、後半(広くみると中盤~)は後半で魅力的な作品だと思います。
ラストについては当初の流れを汲むのであればいただけない終わりかたかも知れません。
具体的には読まれて体感していただきたいのですが、社会から外れた者という流れだったのが最後にスパッと気持ちの問題だっ!みたいな流れというか前を見据えた展開になってしまうのは本当にそんな風になれるのか?という疑問というかそこに落ち着いてしまう終わり方に少し残念でした。
もっと突拍子がない終わりでも良かったようにも思いますし、下手に現実感ありのような終わりよりは当初の頃のぶっとんだユーモアを効かせた終わりだったり恋愛を全面に押し出した現実にそんな救われかたねーよwなノリの方が読後は良かったのかなぁとも。

大勢は途中からつまらなくなったとか面白さが薄れたなどという意見を目にするのでそうなのかも知れません。
ですがあえて私はそんなカオス(作風の空気が変わったことに対する残念感だったりラストの締め方の疑問)も含んで「もやっ」と読者の心に自分は今の生活を顧みてどうなんだろうかと思わせるような完結は、ありだと思いました。

しかしながらぶっ飛んだオタク系コメディのようなものをこそ期待して読み進める人は絶対に展開によってがっかり感を感じてしまうのは目に見えているので、私がここまでで挙げたような人間ドラマというか「人」の描写云々の話を感じてそんな流れも十分ありじゃない!と思った人にはオススメしますがそれ以外は各自の~みたいなことにさせていただこうかなと思います。


ここからは特に個人的に感じたことをいくつか。ある程度未読の方にこういう展開はないというのを提示してしまう内容になってしまいますので、ここからは是非実際に読まれた後に目を通していただきたいと思ってます。言いたいことは上記で全て言いましたので。
あまり気にしない方はどうぞ読んじゃってください。自分、反転文字とかわからないのですいませんw












まずヒロインである岬の存在。
まぁ可愛いですね。
まぁ可愛いですね。
大事なことなので(ry
途中から実はヤンデレっていうのも別にいいんですが、佐藤とともに迷走しながらお互いを尊重、そのままラブな展開でハッピーエンドっていう流れならば良きオタク漫画だった!感動した!ってなったはずなんですが、残念でした。
ぶっとんだブラックユーモアからの恋愛、その末のハッピーエンド。
( ;∀;) イイハナシダナー
もうそんなミラクルカオスな作品だったら良かったのにっ。
作品自体もそういう節はありますけど、如何せん描写が押しに欠けるというか弱すぎます。

そしてもう一人のヒロインと言っていいのかどうか、佐藤の先輩である瞳先輩。
キャラとしての魅力は岬と甲乙付け難しでしたが、個人的には先輩の破壊力が上回りました。
不倫なので何とも主人公とのエンドは無いのは明白でしたが、どちらかというと私は佐藤と先輩こそなかなかお似合いだと思っていたので、そういう話にシフトチェンジしていって完結でもちょっwwwwって感じを味わえて良かったかなと。

っていう風にみていくと、やはり私も多くの人と同様に前半のカオスながら笑える展開が好きだったんだなというのが改めてわかりました。
現実味のある・なし・中途半端でいくとやっぱりあるだったりなしだったりに統一してもらった方がオタク漫画系統は読後は良いんだなと。
でもこの作品を読むと、中途半端だからこそリアルに自分の生活感を顧みることが出来る(漫画的爽快感はあまり望めませんが)という点において、この作品がもたらしている功績は大きいんじゃないかなと思います。

そういうイライラというかモヤモヤというか漫画に本来は求めるものではない要素を漫画から感じ取るというのもなかなか良いもんだと思っているんですが、それは結構自分がどんな作品も適応して読めるスタンスだからだと思うのでもちろんそれを他の方に強要することも勧めることも出来ません。
コメディのノリやオタク漫画の台頭を示した良さなど光る長所もありつつうやむや感を拭えなかったということで2作品という位置付けになっております。
余談ですが、タイトルのNHKという言葉、絶対所見では皆さんあれを思い起こすのですが、実際は日本ひきこもり協会の頭文字をとってるんです。
なかなか上手いタイトルですし、その組織の陰謀に巻き込まれているという妄想をもつ佐藤ないしは読者にようこそと語りかけている、と。
にしてはその最初の発想も巻を追うごとにどうでもいい要素になっていきますし、色々と迷走しているという言われもこの辺りからも感じ取れるかも知れません。

※このレビューは1~8巻(全巻)既読時のレビューになります


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Date:2009/04/28
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2015/04/14 【】  #

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