漫画レビュー~遠藤ってば!~

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神のみぞ知るセカイ

                楠先輩の破壊力は凄かった、次点でハクア

■2Dを極めた神の3Dへの攻略、刮目せよ!!■

「神のみぞ知るセカイ」
作:若木 民喜
連載:少年サンデー (小学館)
定価:¥ 420


ストーリー:★★★★☆

画力:★★☆☆☆ 

キャラクター:★★★☆☆ 

構成力:★★★★☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★★☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
舞島学園高校に通う主人公・桂木桂馬は恋愛シミュレーションゲームを生き甲斐にしており、その筋からは「落とし神」と称されるいわゆる神ゲーマー。ある日のこと、彼の前に一人の少女が姿を現します。エルシィと名乗った彼女は、地獄から抜け出し現世へ飛散した悪人の霊魂、通称「駆け魂(かけたま)」を捕獲するために地獄からやってきたのだといいます。どうやらこの駆け魂は人間の心のスキマ(中でもスキマの多い女性)に取り憑くのだとか。様々なやり取りの後、逃げ場が無いことを悟った桂木はエルシィとともに駆け魂を捕獲する決意を決めます。リアルの女性の心のスキマを埋めれば駆け魂捕獲、……2Dギャルゲーで神と称された男の本物の女性攻略の日々が幕を開けるのでした。

~レビュー~
少年サンデーで(レビュー時点での話)昨年の春に連載が開始された今作、その作品の話題性はたちまち広がり現在に至っているように思います。近年稀にみる良質なラブコメの出現、率直な所はそう感じます。

さて、今作は週刊誌ということもあって単行本の発売間隔はおよそ3ヶ月に1冊。
現在レビュー時点ではついこの間に4巻が発売になりましたが、そのポテンシャルは留まることを知らない出来映えだと改めて自分の中でも再認識したので、この機会にレビューさせていただく流れになりました。

まず始めに、多くの方がご指摘していたように思いますが、表紙画像及びタイトルと中身が一致しない点。
硬派でいてラブコメとはほど遠いジャンルのイメージを持ってしまいますが、実はその真逆。
表紙には主人公だけがぽつりと佇んでいるので、もっとヒロインなども入れれば華やかになって作品ジャンルも明確になっていいのにな。
と、最初の頃は思っておりましたが、最近はこのフィルターをかけての本編というそのギャップこそ良さなのかも知れないと思うに至っております。

作品のあらましの続きから整理してみましょう。
主人公は神ギャルゲーマーということでまずはその設定に驚かされます。
いやその設定を生かしたラブコメという点こそ驚いているのかも知れません。
近年は発想の勝利的な物語の作品も増えているので、いちいち提示されるストーリーに驚きはしていなかったのですが、2Dのギャルゲーで培ったノウハウを3Dにおける攻略に絡めてラブコメを展開する……、唸らざるを得ません。
作品の大筋は主人公とエルシィが駆け魂を捕獲するという名目(名目なんて言っちゃったらあれですけどw)である特徴のついた女性をゲーム感覚さながらに攻略(駆け魂の捕獲)していく事例を中心に描かれます。
イメージとしてはギャルゲー攻略をそのまま漫画的な用法にシフトチェンジさせた感じでしょうか。
明るく活発な運動部所属の同級生、ツインテールで典型的なツンデレの同級生、アイドル学生で病んでる系統の同級生、図書館大好き静かな系統の同級生、古武術の使い手でクール系の先輩などなど設定を生かすことができるので何でもござれ状態。
そしてサブ的な位置付けでエルシィその人であったり駆け魂の討伐隊として派遣されてくるエルシィの親友だったりとのラブコメも合間に挟まれたりするので、このメインと隠しルートのような位置付けにも始まりギャルゲそのものの体系を見事に漫画として映し出しているんだなと感じました。
駆け魂の捕獲(桂木曰く攻略)が完了すると攻略相手と目撃者を含めた関係者の記憶は修正されるなどの設定や、記憶は修正されるけれども完全には消えずに残る設定などもあってか、作品の繋がりに深みをもたせる配慮もある点は◎。
どうしても週間連載でのラブコメとなるとパターン化の繰り返しや前進しないストーリーなどの側面が見え隠れしてしまうことがあると思いますが、今作ではその倦怠感が(私の中では)感じられませんでした。

余談:画力が高ければ絵だけで牽引するということも可能だと思いますが。

作品のテンポというかストーリーとしても善戦しているという印象で、ストーリーとラブコメの伴った良質な作品が現れたなというのが大枠として感じたことです。
もちろんギャルゲ的良さをそっくり漫画に移し変えただけでさして目新しいことも新たな良さもないに等しい、そう思う人がいてもおかしくないかも知れません。
色々な感じ方があって良いと思っていますが、一つ自分が読んだ上で言えることとしては1巻から飛ばした勢いで読んだ時に感じられる漫画的脳内麻薬度がかなり高い=面白い作品であるということは主張させていただきたいと思います。
漫画としての作品でこの水準で展開することが出来る作品は認めるべきだとも思います。
合う合わないはあるとして視野は狭めずに良さはみつめていきたいものです。
なんだかんだで面白い作品は面白いですし、つまらない作品はどう見繕っても面白くないものだということで。


ここまで話した時点で主人公の周りばかりで駆け魂の捕獲がされているけど都合良すぎない?と思われた方もいるかと思います。
実はこの駆け魂の存在、数十数百という類のレベルではないようで数万レベルに存在が確認されているとのこと。
だからこそ区域毎に駆け魂を狩る部隊がいるのか、と。
あぁなるほどと思う反面、一見すると終わりが見えなくなってしまいます。
しかし作品として先の展望を見据えての数万という設定だということがわかるので、個人的にはちゃんとストーリーを牽引出来るのかという不安よりは作者の技量にwktkといった所に思ってます。


ここからは個人的な着目点を。
なんと言っても主人公の存在は外せません。
友達はいない、常に生活ではゲームに没頭という風に世間的にみるとどうしようもない人物です。けれど登校拒否のようなものになっているわけでもなく学校でもゲーム三昧だけれど成績が常に満点なので先生達も強いことが言えず、クラスメイト達もオタメガ(オタクでメガネ)などと称しながら空気のように接しています。
確固たる己の道をばく進しているという点が「読者が読む上での主人公像にみる安心」という点においてかなりの域にきていることがわかります。
この極端というものは大事な要素だと思っていて、漫画として読んで楽しむ上では重要なファクターになっているように思います。
1つ前のレビューで取り上げましたNHKにようこそ!では主人公像、強いては作品全体に流れる中途半端さが読後の悪さの原因になっていることを提起しました。
読んでいる読者が生半可な主人公の体たらくや物語の展開を目にすると少なからず自分と重ねたりばつが悪く現実を意識してしまうということにおいて娯楽・漫画的爽快感などを感じ辛いということでした。
今作の主人公は漫画本来の求められている主人公像という感じで、極端であるが故に読者に安心感を覚えさせかつ漫画としての爽快感を感じさせてくれるキャラの設定を為し得ているという点において、その描写技巧は流石と感じました。
その極端な主人公ですが、ある種徹底したその姿から魅力をみていきたいと思います。
少しだけ作品内の流れ等を取り出す(読む上でのガッカリ感は感じない程度だとは思ってます)ので、気になる方はご注意願います。

まずパートナーとなるエルシィですが、彼女が物凄いドジッ娘として描かれるのに対し、いちいちその可愛さを作品内で魅せるのですが、それに全くなびかない主人公。
なびかないからこそいいんだと主張したい。
これが会って早々なびくようでは作品全体の空気がぶれるってものだと思います。
なびかないけれど次第に恋愛感情も見え隠れしていくエルシィに対して少しだけ心の扉を開きかける主人公というものもじっくり描写されているので、こうした細かい所からも浮ついた軽いイメージのあるラブコメと対照的な良さがラブコメ作品から感じ取ることが出来る喜びを感じたりもします。

そしてなんと言っても主人公の放つ言葉はどれもがインパクト十分の魅力。
具体的には実際にお読みいただいてそのぶっ飛び具合を目にして欲しいのですが、
同じ展開のギャルゲーをやったことあるみたいなことをババンッ!みたいな閃きでマジに発してみたり、ギャルゲー攻略で培ってきた数千数万と思われる情報源を駆使して理論的な発言をしていく様は現実にはあり得ないと思いながらもそのとんでもなギャップに吹き出さざるを得ない魔力が備わっているように思います。
ある種徹底した現実逃避の世界を信念に据える主人公が、その信念を貫きながら作品の世界を駆け巡る今作……、相反する感覚ですが、現実ではない仮想のギャルゲに頼っている主人公が一番現実的に見えてくる不思議。
なぁなぁで生活している多くの人たちに、誇張した言い方をすれば生きる道は他人に左右されないで自分で切り開くものだということを痛烈に痛快に表現しているようにも思えるのです。
また物語の最初の掴みの巻数というのは設定で引き込んできた節も感じられたのですが、3巻4巻と進むにつれ攻略対象となった女の子達の成長を垣間見ることが出来るようになり、作品の広がりが一段に増したように思います。
ギャルゲー界での神だった主人公が少女達の心の成長を後押しする存在として、そしてパートナーであるエルシィの成長をも促す存在になり始めていること。
そんな中で現在レビュー時点での4巻ではまだまだ主人公の成長もあまり変化が見られませんが、この巻数までで若干の変化を垣間見えるというのも見逃せない点です。
主人公が変わることで伝えるメッセージ性というのはとても大きいものがあります。
これから先、作品が何を魅せてくれるのか?
現時点でさえ面白いと感じている今作ですが、今後良質なラブコメという面白さに+して、主人公から学べるそれこそ隠しルートのような作品の良さが感じられることを願ってレビューとさせていただきたいと思います。

単行本派の自分としては週刊誌で連載の作品は発刊スピードが速いのでうれしい限りです。
逆に週刊誌ではついていくのが大変なのでこれくらいが自分には丁度良いかもしれません。
連載誌も有名ですしまだ作品を目にしていないという人も少ないかも知れませんが、恋愛漫画特有の媚びたお色気要素なども少なくストーリーとして楽しめるラブコメ作品なので、間口は広いと思います。
是非この機会にお手に取ってみてはいかがでしょうか!?

※このレビューは4巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/05/01
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