漫画レビュー~遠藤ってば!~

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 日常系・コメディ漫画好きへ □

ヒャッコ

                虎子、次点で龍姫、安定供給の鬼百合

■緩い日常系女子高生学園コメディ■

「ヒャッコ」
作:カトウ ハルアキ
連載:FlexComixブラッド (フレックスコミックス)
定価:¥ 588


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★☆ 

                              総合:★★★☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
九州のとある小中高一貫校、「私立上園学園」にて巡り会った新入生の女子4人。上下山虎子(かげやま とらこ)、伊井塚龍姫(いいづか たつき)、早乙女雀(さおとめ すずめ)、能乃村歩巳(ののむら あゆみ)。運命の出会いを果たした4人を中心に、彼女らの周りの個性豊かな登場人物を絡め彼女達の破天荒な毎日は今日も過ぎてゆくのでした。学園日常系ライフの新たな旋風を感じさせる快作登場!!

~レビュー~
レビュー時点(投稿日参照)では昨年の10月にTVアニメ化もされた今作。例に従って私が感じた作品の率直な、直感の感覚を隔たらないようにレビューしていければと思います。

まずは絵柄からみていきましょう。
表紙画像を見るとお分かりになるかと思われますが、人物は味のある画風で所々角ばった線が個性を主張しているといえるでしょうか。
もちろんある一定水準以上の画力の高さは持ち得ているように感じましたが、見た目(画風として一般的に上手だと思われる印象)としての上手さではなく作者の世界感を絵柄として表現し切っている上手さというものが感じ取れました。
個性的だけれども魅力がつまっている良い画風だと思います。

日常系漫画となると緩い日常がメインで描かれることが前提の節もあるので、次に登場人物の魅力が直結して作品の良し悪しに関わってくるということで今作の人物の魅力をみていきたいと思います。
……と思ったのですがその前に。
今作は3作品ということで日常系漫画を趣向にしている人には胸を張ってオススメ出来る作品なのですが、普段あまり緩い系統(ストーリー的な意味で)を読まない人にも楽しむことが出来る不思議な空気を持った作品だと感じています。
人物の魅力などは主観が強く入り易いので、それはひとまず置いておきまずはその空気が何なのかを考えてみたいと思います。

物語は主人公・虎子を中心に絆で結ばれていく女子高生同士の青春をコメディタッチで描いているというのが大枠です。
これだけで見ると日常系で女キャラが数多く登場、昨今氾濫している萌え系統の作品と境が見えなくなる危惧もしてしまいがちですが、心配御無用。
限りなく萌えではありますが、総じて爽やかな物語の運び方とどこか老若男女に受け入れられるようなほのぼのとしたコメディタッチの作風は、日常系漫画ではありますが青春漫画の良さにも通じるものがあり、中身の無い~と称される作品群とは一線を博す作品というように思います。
また、良い点としたほうがいいのか悪い点としたら良いのかの線引きは難しいですが、構成の流れも含めて似た空気の作品を思い起こしました。
読まれた方の多くが感じ得た感覚かも知れませんが、これはあずまきよひこ作品にみる空気感に通じるのかもという感覚です。
詳しくは今でこそもっとマシな内容が書けると思うお恥ずかしいレビューですが、当サイトレビュー第一号作品である よつばと!を参照下さい。
よつばとに登場する私のお気に入りの人物も虎子って名前ですし、今作に登場する冬馬という人物はちょっと強引な連想にはなってしまいますが以前レビューしたみなみけに出てくる冬馬を私の中で思い起こさせるに至りました。
また同氏作品のあずまんが大王などは高校時代の女子高生達の学園コメディということでもろ被りなのかなとも思ったりしますが、ぱくりではなくインスパイアと言い切れるほどに今作が独自の魅力を解き放っている作品であることは間違いないでしょう。
比較として今挙げた作品のように、緩い空気に触れながらもポジティブな気分になれるという作品の傾向が間口の広さに直結しているようにも思います。
しかしこれでは不思議な感覚というわけではありません。
私がもう一つ感じたのは、この作品、登場人物がいちいちどこかの作品で見たことあるような性格付けの観点での類似性を主張してくるなと感じた点です。
普通ならばありきたりな設定だなぁというネガティブな発想で作品を見る目が厳しくもなってしまいがちなのですが、この作品ではそういった感覚には何故かなりませんでした。
理由は色々あるのだろうと思いますが、ここまで作品の空気だったりキャラ付けだったりが先人の漫画に似た面があるのにこの作品独自として良さを認識し得る要因は何なのか?

考えを巡らせましたが、結局の所は作者の物語(1話単位ではなく全体としての)の構成の巧みさとキャラを生かす(物語に振り回されないという点において)描写の上手さに尽きるのかもという結論に達しました。
何を表現すれば読者が喜ぶのかを熟知しているというか、限りなく自己満足的作品にならずににやにやを上手く読者にさせてしまう巧みさ、これは才能という言葉に頼らざるを得ませんが読者が喜ぶ視点というものを丁寧に提示してくれるからこそありきたりな作品とも取れてしまいかねない今作が読んだ人の多くの支持を得ている要因=不思議な感覚にさせてくれる作品というか読者を大事にしているからこそ普段日常系漫画を趣向にしない人にも楽しめれるかなと思わせてくれる作品です。

さて、ここいらで人物の魅力を簡単な紹介がてら見ていきたいと思います。
表紙画像に目線をシフトさせていただければ、中央のオレンジ髪が主人公の虎子その人です。
破天荒キャラでいて皆の中心という彼女ですが、万能キャラというわけでもなく親しみが持てる言動や行動の数々はある意味正統派主人公と言えるのかもしれません。
彼女の人柄の良さに周りが吸い集められるかのような吸引力、ぶっちゃけると虎子可愛い過ぎて困る

主人公でこれだけ悶えさせるポテンシャルは久しぶりですぞ!?(何キャラw
次、虎子の→に移っているのが龍姫です。
社長令嬢でお嬢様口調、いかにもあるあるな人物。
始めは虎子達と友達という認識はなく巻き込まれているという節の彼女が、天真爛漫な虎子らに触れることで心を開いていき友情を育んでいく描写はこれまたあるあるな展開ではあるのですが素敵な描写です。先ほどの話を少しぶり返しますが、ありきたりの描写で面白いと感じさせるというのは作者の構成力や作風その他諸々の実力なのでしょう。
次に虎子に一番近い←の人物が歩巳です。
人見知りだった彼女はなかなか友達を作れない性質でしたが、虎子との出会いにより変わっていくってことでどちらかというと主人公視点になり得るのはこっちだろうとも思う人物。
胸が大きくいじられキャラということでこれまたあるあるwなキャラなのですが、作品の良心的な外せない重要なポスト。
虎子に一番遠い←の人物が雀です。虎子とは昔からの付き合いで、怪力・大食い・無口で天然というポジション的にはこれまた外せない人物です。

以上の4人がメインキャラになるのですが、人物間のバランスが素晴らしい。
決して虎子だけが牽引するグループというわけでもなく、互いが互いの魅力を引き上げているからこそ青春期の友情を上手に表現出来ているように思います。
虎子には人が寄ってくる、その吸引力が人物の魅力で備わっている、良い主人公だと思います。
何でもかんでも万能主人公が物語を牽引するという作品では決して見ることの出来ないキャラ間の四方に広がる繋がりは、日常系漫画だからこそ人物の魅力の広がりが重視されるという面でセンスの良い描写だと思います。
又、それに関係して忘れてはならないのがサブキャラ達でしょう。
どのキャラも沈まずに個性が際立っています。
虎子達のクラス委員長・杏藤 子々(あんどう ねね)は美人でレズっ気満載の人物で、この手の作品にはスパイスとして良い味をきかせる人物になっています。
同様にクラスメイトの幕之内 潮(まくのうち うしお)は見た目はヤンキーだけれど実は猫が大好きだったりギャップ萌えの定石を見ることができるでしょう。
よく学校をさぼっている所を虎子の吸引力でもって友となっていく描写はにくい演出。
同じくクラスメイトの風茉莉 冬馬(かざまつり とうま)は眼鏡をかけていて読書好きだけれどプライドが高いというあえて弱弱しいキャラにしていない所にキャラ付けの妙がみれる人物です。喧騒を嫌う性格で虎子らとは全く馬が合わないと思いきや実は虎子に感化され友になっていきます。
他にも出る人物はちょい役であっても魅力的に見える人物ばかりという印象で、作品を丁寧に扱っているのが見て取れます。

……こうやって見ると青臭い言葉で言えば友情、一般的に言うと人との繋がりというものを丁寧に描写しているからこそ映える作品になっているのかも知れません。
とは言いましたが、作内は本当に何気ない日常を緩く描く日常系に青春要素がかじった程度の作風なので、この緩さそのものに面白さを見出すのが難しい(人それぞれ色々な作品を読む中で感じる合わないジャンルという意味での日常系漫画)人はそれほど面白い作品とは思えないかもしれません。
個人的には巻を追うごとに人物の特徴が深みを増し、恋愛要素もちょろちょろと出てきているようでどんどん面白くなっていると感じる作品なので、多くの方と一緒に今後のヒャッコの世界を追って行ければと思っている次第です。

そういえば人物といえば実は今作の舞台である高校は私立の一貫校であるわけですが、共学です。
ですが作品を通して出てくる男成分は虎子達の担任教師と虎子達の上級生の主要人物数人だけ。
意図的に排除しているかはわかりませんが、これは評価できる点(個人的に)!
と本来なら言いたい所なのですが、少しぼやきたいです。
本来は下手に異性が絡むと作品の質を色恋沙汰にしてしまってバランスを崩してしまいやすいので空気として統一することは良いと思う派なのですが、今作では一味違います。
男性描写も同性からみても納得の魅力が詰まっているんですね。
だからこそ!
もっと入り組んだ異性関係があってもいいんじゃないかとも感じてます。
恋愛漫画にしろなんてことを言っているわけではないのですが、作品の世界感はこの作者の技量であれば揺らぐということはないと思うので、色々とチャレンジ精神でもって今後様々な展開に挑戦して欲しいなぁと思いました。

そういえば主人公・虎子の姉と兄ががっつり作品のキャラとして活躍するという面も色々と新鮮であり、読者に対して親近感を沸かせる良いスパイスになっているように思います。

鬼百合さん……はぁはぁ

実は虎子の兄というものも読み進めていくと意外な驚きを読者に提示するものだと思ってます。
最初は嫌な野郎だなぁーなんて思いましたが、読んでいくと意外に好きになっていく不思議。


多くのキャラを同じ比率で魅力をみせるその作者の手腕、丁寧で素敵な作品が出てきたなという所でレビューを締めさせていただきたいと思います。

また余談になりますが、今作を気に入った人は、ヒャッコ男版(一概には言えませんが設定的に)ともいえる以前レビューさせていただきました君と僕。などもオススメですので読んでいないようでしたらオススメです。

※このレビューは4巻まで既読時のレビューになります

※新刊レビュー→5巻


* 「日常系・コメディ漫画好きへ」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2009/05/04
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback


+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。