漫画レビュー~遠藤ってば!~

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 日常系・コメディ漫画好きへ □

マイガール

                皆、ハートフルな作品がそんなに好きか!?という抗いの叫び(詳しくはレビューを御覧下さいませ)

■家族の絆とは■

「マイガール」
作:佐原 ミズ
連載:コミックバンチ (新潮社)
定価:¥ 560


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★★★★ 

キャラクター:★★★☆☆ 

構成力:★★☆☆☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★★☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
恋人・塚本 陽子(つかもと ようこ)を留学先の不慮の事故で突然失った青年・笠間 正宗(かざま まさむね)。離れ離れになって5年が経った際の知らせではあったものの今でも陽子のことを強く想っている正宗にとっては衝撃の知らせ。義母曰く彼女には5歳になる娘がいるとのこと。なんとその子は正宗の娘でもあるといいます。混乱のさなか出会った少女は純真無垢な天使のような存在でした。正宗と娘・コハルの心の交流、家族の在り様を主軸に淡くも切ない生活が今始まるのでした……。

~レビュー~
現時点で既刊2巻までということで新刊レビューの域を出ないレビューにはなりますが、紹介しないわけにはいかない一定以上レベルのクオリティを有している作品、ということでレビューさせていただきます。今作者は個人的にはいくつか名義をお持ちの作者ですが、私が知ったのは今作名義での活動にしてあの「ほしのこえ」の漫画の作画担当からでした。当時はアフタヌーンを購入していたので連載誌で知りましたが……っと続きを読むの前に語りすぎサーセンw

連載誌で知りましたが淡いながら画力の高い作者だ!と衝撃を受けたのがつい昨日のことのように思い出します。
今作はジャンルとしてはホームドラマの要素が強い作品だと思いますが、いちおう系統としては以前レビューしたうさぎドロップにややファンタジー嗜好よりの淡さが混じった作風かなと思います。
俗に言う子育て漫画ですね。

何なんでしょうね。
淡く情緒的な物を捉えることに長けた高次元の画力も相まって作品全体に流れる温かい空気やストーリーでも及第点を超えるポテンシャルなので、限りなく万人向けの隠れた良作というのが総称として感じた点なのですが、自分には眩しすぎるというか幻想的過ぎるという気兼ねも持ってます。
もちろんのこと良いと思った作品に巡り合った時の「うわぁー面白いなぁこの作品!」という思いは他の作品と変わらずですが、基礎設定をもっと練って欲しかったというのが本音です。
しかしながらそういう話を初めにしてしまうのもあれなので、まずは魅力を見ていった後に触れたいと思います。

さてあらましの続きを前後から簡単にみていきましょう。
物語開始当時の正宗は年齢にして23歳、新米社会人という立場なのですが、その恋人・陽子との別れはどういったものだったのでしょうか?
正宗が陽子と付き合っていたのは5年前ということで年齢にして17,8歳の頃というわけで高校生。当時年上で付属の大学に通っていた陽子と青春を過ごした正宗。
付き合って2年後、留学を理由に半ば強引に正宗と別れた陽子でしたが、実はそこには深い事情があって……ということで現代の物語のスタート地点に辿りつきます。
高校生の男子が、彼女が妊娠したとわかればそれは一大事。。。
読者の話で言うならば大学生・高校生という学生(20歳未満であれば尚更)にとってはこの辺りの物語の切り込み方も色々と思う所があるかもしれません。男性か女性かによっても捉え方は変わってくるかも知れませんが、年若く妊娠したかも知れないという場面に出くわしたことがある人にとっては甦る追憶(あるある……何を言っているんだお前はw)。
長きに渡って交際をすれば色々あらーなぁという気持ちですが、せめて高校生で20歳未満という年齢であるのならば避妊の意識もと思う反面(←現代の避妊の手段ならばほぼ妊娠を回避できるという点に立って避妊を徹底していなかった末の妊娠と受け取っていますが避妊を徹底した上でのわずかな可能性での妊娠という経緯だったならばお門違いな物言い。作中では野暮なためそこまで言及されていませんが)、本気で結婚する気でいた正宗の直向で実直な姿を見ていると本当に愛しているのならばとも思います。

陽子は真面目な性格の正宗に打ち明ければ、必ず自分の未来や夢を押し殺してでも責任を取ろうとするだろうという想いから正宗の将来を案じ、重荷にならないように目の届かないところで未婚の母になる決意をして留学していくんですね。
せ、せつない。
正宗は正宗で現代になって彼女が帰らぬ人となったその事実とともに娘の存在を知ることになります。
そんな正宗でしたが、陽子の好きなテントウムシの小物を見つけては手紙と一緒に送り続け、その一途な思いとは裏腹に陽子からの返事は返って来ることはありません。
なんというせつなさ。
陽子はというと正宗への忘れえぬ想いと寂しさや不安を綴った手紙を、しかし投函することは出来ず未投函の手紙のまま書き続けていました。
せ、せ、せつなすぎる。
娘のコハルが正宗にその手紙を届けたことで正宗は彼女の想いを知ることになりますが、その時には会いたい彼女はこの世にはいない、と。

そして出会った正宗と娘・コハル。
心に深い傷を負った2人の美しくも切ない、そして温かい生活がここから始まるのでした。


温かい登場人物達を中心に綴られるその生活は読者にとって自分の生活を顧みて様々な想いを巡らせてくれるきっかけになるでしょう。

その一番の魅力は正宗の愛娘・コハルの存在といって過言ではないでしょう。

なんという破壊力。

あぁ、遅くなりましたが表紙画像で言う所の右の人物が主人公・正宗で左がコハルです。

なんという破壊力(しつけぇw)。

弱音を吐かずにいつも笑顔の母を見て、幼いコハルなりに考えて行動してきたこともあって同世代の子よりも我慢を知っている彼女。正義感も強くその優しさはまさに天使。
純真無垢とはこのことでしょうか、全ての読者を癒してしまうその姿は愛おしいとはこのことであるかを知らせてくれるかのようです。
子育て系統の作品に出てくるこどもの描写に神描写が多いのは何故なんだぜ。

でも私には眩しすぎて困っているということもあったり。
ここいらで先に挙げた言及の続きを語らせていただきたいと思います。

ある種初期の下りの設定と登場人物の性格付けはファンタジーにみる良さのそれと同様のように感じています。
もちろんそれは漫画的手法の成せる良さというのは百も承知ではありますが、そうであるならばその初期設定をもっと洗練して欲しかったというのが本音です。
私の意見に共感してくれというおこがましい考えは一切ありませんが、こういう風に思う人もいるという視点で捉えていただければ幸いです。

正宗の元を離れる陽子の姿からはどれほど正宗のことを愛していたかがわかり、グッときます。
しかし正宗との絆が作品内でそう多く、深く描写されるわけではありません。
それはひとえに作品が、愛する者を亡くした正宗とコハルの生活を描く為にその前段階の話をちんたら描くわけにはいかないということなのでしょうが。
それもあってのことですが、
彼女が選んだ選択というのはある種、こどもより正宗の幸せを願っての決断ではないでしょうか?
そこにやるせなさを感じたりもするのです。
わかってはいますが感情移入出来ていない時点で、まだ若い学生の陽子が下した選択としては納得出来ない点もあります。
片親でも大丈夫だという彼女の強い意志、勝気で気丈な性格として描かれてもいるのでそこに整合性は見て取れますが少しでもずれて捉えればそれは彼女のエゴという側面もあるのでは?
生まれてくるこどもには何の罪もないわけですが、そのコハルにも過酷な運命を背負わせます。
彼女は片親という設定ですが、私自身も片親で育ったので色々と思ったりするのかも知れません。
実際に留学先でコハルを生んでからの彼女の頑張りは紛れもない意志の貫きです。
しかし描写として描かれない以上は感情移入も出来ないので先行するのは引っかかりだったりしました。
「幼い」娘に実の父親のことを言い聞かせるように話してしまう所や未投函の手紙を書き続ける所だけ見せられてはうーむ、と。
その姿を見て娘のコハルも幼いながらに我慢を強いられることにもなるわけですし、もっと悩みのない無邪気な姿こそこどもらしさであると思ってしまうほどにコハルの描写は痛々しいです。
陽子の利己的な側面がどうしてもその運命に導いてしまった側面は感じてしまいますし、流れがやや強引だなぁというか惜しいという感覚でしょうか。
陽子が強く生きるだけでそこに弱さというものを読者に見せていなければここまで引っかかってはいなかったのかも知れませんが弱さを描写されると逆に色々と思ったり。
正宗サイドは何も知らぬという状態、陽子の親も陽子の留学を諌めるばかりでしたが結局は行かせます。
陽子に至っては片親だったけれど不憫と思ったことはないし母親のようになりたいのようなことを決まり文句として母親を最終的には黙らせてしまうんですね。
片親だからといって何も気後れすることはないという気持ちは十分わかりますが、だからといって同じように片親になってしまうことにあそこまで前向きにサッパリと決断する陽子は出来過ぎです(描写としてワンテンポもっと悩んだ生々しい描写が欲しかった)。
陽子の母親は片親で陽子を大学に、留学までさせる財力があったようですが、陽子は学費・生活費ともに助力などはしていたんでしょうか。そもそも奨学生にはなっていなかったのかなぁと。
片親の大変さというものをもう少しだけ丁寧に描いて欲しかったです。
今作には精神的に大人(というか心持ちに余裕のある)である人物ばかりいるように思いますが、下地をもう少しだけでも良いからリアルに、もう少しだけでも初期の設定を深く掘り下げて描いて欲しかったという気兼ねが残ってます。
少しは泥臭い描写であってもいいんです。
展開に整合性は取れているだけに、ファンタジーのような主人公と娘の成長と絆の展開を見せるうえでは、基礎設定をもっと地に足をつけた設定にしてくれていればもっと完璧だったのにと思います。

まぁでもそうですね。

今挙げた気になる点など些細なもんでして、子育て系統の作品としては情景的な作風・作画も影響してかかなり良作ではないかと思います。
うさぎドロップが現実嗜好とするならば、今作はファンタジー嗜好で家族の在り様や絆を考えさせてくれる作品になっているように思います。
双璧ということでいいのでしょう。
まぁうさぎドロップでもファンタジーとしての良さを強調した私ですが、今作はその比ではありません。
まだまだ2巻までしか出ていないので、確実に完結した際はさらに評価を押し上げていることでしょう。
心が温かくなりながら彼(彼女)らの成長を見守る……じーんとくる、癒しの漫画としてオススメです。

まぁ要約すると、

コハル可愛いよコハル

正宗可愛いよ正宗

お主、両刀使い!?

まぁ最後にぼそりと呟くならば、現実世界にコハルちゃんのような可愛くて出来たこどもなど早々いないだろうなっていうね。
いやいるんだろうけどさ。
まぁそんなことどうでもいいじゃない!w(遠い目

評価の話をさせていただくならば、本来の私が定めた広義で楽しむことが出来る側面を考慮しその基準に沿うとすれば4にも5にもなりうる作品です。まだ2巻までしか読まずの判断なので今後評価が推しあがることは確定的ではあります。しかし、今作のあまりにも美しい情景的側面とも言うべきものが私としては素直に素敵!と思えないひねくれた感情もあり、ちょっと個人的な主観を強く取り入れての3評価となっております。今作にはもっとリアル的な構成の良さも取り入れるべき派(何派だよw)なので。上手く言いたいことが表現しきれていませんが、伝わっておりましたら幸い。もちろん今作者の作品は別名義も含め大方集めている程には大好きでして、好みに合わないから低い評価をしているというわけではありません。

※このレビューは2巻まで既読時のレビューになります

※新刊レビュー→4巻


* 「日常系・コメディ漫画好きへ」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2009/05/13
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback


+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。