漫画レビュー~遠藤ってば!~

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金剛番長

                ゴリ押しの美学、懐かしく前衛的でいて最先端な漫画の台頭

■問答無用の勧善懲悪な痛快バトル漫画降臨■

「金剛番長」
作:鈴木 央
連載:少年サンデー (小学館)
定価:¥ 420(一部¥ 410)


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★★★☆ 

キャラクター:★★☆☆☆ 

構成力:★★☆☆☆ 

遠藤のツボ:★☆☆☆☆ 

                              総合:★★☆☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
出版社の受け売りになりますが、太平の眠りを貪る日本に、迫る、悪鬼羅刹の番長軍団!!
立ち向かうは、現代に残った最後の硬派・金剛番長!!
刮目せよ!!という勢いの勧善懲悪で描かれるヒーロー作品です。

~レビュー~
あの~、という言い方は知らない人にはわからないので申し訳ない所ですが、あのジャンプで連載されたゴルフを題材とした「ライジングインパクト」、少年サンデーで連載されたフィギュアスケートを題材にした「ブリザードアクセル」などを世に送り出してきた作者の新連載作品、それがこの金剛番長です。

その画風は独特、作者自身の格闘技好きからくる筋肉隆々の人物描写と趣味であるとされる少女漫画の淡い人物描写、また西洋的なファンタジーの世界観が大好物なのかそれが合わさった背景はまさにこの作者ならではのスタイルを確立しています。
基本の人物描写は通常キャラは男女ともに少女漫画にも精通する淡い柔らかいタッチで、時折アクセントとして筋肉隆々の男性キャラ、中には女性キャラといった所でしょうか。
個人的に特筆すべきは男性キャラでいて容姿は美しい女性そのものという図。
女装系統が好きな人にとってはがっつりと心を揺さぶるものがそこにあるでしょう。
今作に限っても表紙画像では判断出来ませんが女性キャラの描写の上手さはかなりのレベル。

さて、作者が今作に選んだ題材は「番長」漫画です。
番長というのは不良グループのリーダーのような存在で喧嘩に強いが仁義に厚く、子分の面倒をよく見るといった人物のこと。今の世の中には見ることの出来ないまさに一昔前の時代を席巻した幻の強き者。
最近の漫画では番長漫画というジャンルはあまり目にしなくなりましたが、イメージとしては主人公が圧倒的な強さを誇っている、勧善懲悪のようなハッキリとしたスタイル、古き良き~といったものでよいかと思います(厳密には若干違うのはご愛嬌ということでひとつ)。
週間少年ジャンプで言うところの「魁!!男塾」、「北斗の拳」のようなノリを持った作品と言えるように思いますが、ここ最近ではこういったノリの作品は見なくなってきたという意味で何とも感慨深い作品が出てきたと言えるでしょう。
また、そういった作品群の焼き回しだというような声も見かけますが、それで片付けてしまうのはあまりにもナンセンスかなとも思います。
そういう作品が主流であるのならば「まぁーた焼き回しか」でいいと思いますが、亜種である分同様のポテンシャルの作品はその試みこそを評価していきたいと思ってます。
といった所で作品の良し悪しを見ていきましょう。

作品の流れは私立雷鳴高校に転校してきた巨漢・金剛 晄(こんごう あきら)が23区計画といわれる日本を大きく変革しようと目論む組織の野望を砕く為に戦い抜くというストーリーになっています。
東京23区各区を統括するリーダー、通称「番長」は各々が配置された区を統括した後に番長戦を制していく事で統括する区を広げてゆきます。
全ての区を統括した「番長」は国家再生のための絶対的な権力が与えられるということで敵の様々な能力を持った番長と主人公との戦いというわかりやすい構図が展開されていきます。
また、昔の敵は今日の友のような少年漫画の王道もひた走ります。

作品には明確な指標があるのでしょう、

・展開は驚くほどのスピーディーさ
・物語は単純明快
・豪快で濃い登場人物達
・リアリティーは無視の「漫画」にこだわる

頭を使わずに流れで読むことが出来ます。間口の広さですが、単純明快だからこそ純粋なバトル漫画として少年少女層にはもちろんのこと、ぶっ飛んでいるキャラや展開はある種ギャグ漫画スレスレのラインでその手の漫画が好きな人にも。上記で挙げた通り女装系統に精通のある人も美形キャラに萌える人にもわかりやすく作品の面白さが伝わることと思います。

まさに「ノリ」に特化した作品であり、勢いから見る良さに特化した作品と言えるかも知れません。
考えるのではなく感じるとはよく言ったものですが、そういった類の漫画であることは間違いないでしょう。
ただしそういう作品には同じようにマイナスの側面もあったりします。
そこは作者毎の力量でカバーという領域だと思うのですが、みていきましょう。

第一には中身(内容)が薄いと感じてしまう側面でしょう。
これについては単純明快な分、なかなか免れることは出来ないウィークポイントです。駆け引き要素も糞もあったもんじゃないwというか人物の絵柄もストーリーも半ばゴリ押しです。絵の構図がちょっと気になる箇所がありますし(私自身はさほど気にならないレベルでしたが……。それと同時にキャラの大きさに違和感を感じる箇所も何箇所か出てきます)ストーリーも単純明快の域を超えた強引さ(表面的ともいえる)を感じました。番長物としていますがその要素のみを牽引し過ぎているせいかも知れません。どういうことかというと、区毎の抗争を中心として番長がリーダーとなってはいるもののその舎弟?はモブキャラばかり。結局の所は頭と頭の勝負のみなのですが、それもスピーディな展開を心掛けているせいか人物に感情移入する間もなく話はどんどん先へ進んでいきます。では番長の特徴はどうなのかと言われるとそれも今一歩。~番長というネーミングとともに能力をもった番長達が主人公の前に立ちはだかるのですが、少々ネーミング負けしている人物ばかりのように感じました。決して悪いというレベルではないのですが単純明快にする分、作品に深みをもたせるストーリーの練りこみ(週間連載では難しいのは痛いほど感じます)又は人物間でのやり取りがもう少し読者(というより私個人)として求めてしまいます。

次にはあくのつよい主人公像というものが挙げられるように思います。
私個人として番長たる所以である主人公の性格付けは読んでいて晴れ晴れする爽快感を感じました。義に厚く行動原理がシンプルで判りやすく、熱血なその姿は感情移入できました。しかし皆が皆そうとは限らないかも知れません。主人公至上主義のような流れを汲む作品が苦手な人にとっては好感を持つことは難しいと思います。また、話し合いで解決出来るレベルも愛の鉄拳ならぬ力で提示されるというのも好き嫌いが分かれるかも知れません。アフターフォローで気配りをみせる主人公ですが、何でもかんでも痛みを伴わせるある種の荒唐無稽さ。良いとか悪いとか断定できるものではないですが、好きとか嫌いのように読者の感情をはっきり分けさせてしまう要因になり得ているということは大いにあるでしょう。
また、勝負の際も決まり文句「知ったことか!」とともに結局はねじ伏せてしまうその黄金パターンもマンネリ感を漂わせてしまう要因になるかも知れません(このパターンがまた味のある描写であることはありますが)


元々突拍子もない展開を題材にしているのですから合う合わないが読者の中で出てくるのは必然だと思っています。
あまりこういったスタイルの作品が最近では少ないということを垣間見れば、このポテンシャルで魅せてくれる今作は十分に面白い作品と呼んでいいのではないかと思います。
最初の巻数での心をすっきり晴れやかにしてくれる爽快さと4巻以降で展開される物語や人物間での深みを垣間見て2評価。良し悪しは会得しているので3でも問題はないのですが、どうしてもマンネリ感や飽きというものを感じずにはいられないのでその辺りの感覚を払拭してくれる展開や構成力などが今後の巻で提示されていくのならば3以上の評価に変更したいと思います。この辺りは個人の趣向ということで一つよろしくお願い致します。
太く短く長引かずに完結しそうな作品です。今作の次の話をしてしまうのは早計ですが、今作が終了した後は、作者の温めているファンタジー作品を長期連載で是非とも読んでみたいものです。

今のご時世だからこそ、単純明快な今作を普段読む漫画の合間に読んでみてはいかがでしょうか?
新鮮な魅力をきっと発見できるはずです。
レビューが若干いつもより短いのもきっと今作の単純明快な良さのせいw(/Д`)

※このレビューは6巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/05/15
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