漫画レビュー~遠藤ってば!~

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シグルイ

                自ら去勢とか自分には絶対出来ないですw

■シグルイ=死狂い、そこにある武士道の過酷さ■

「シグルイ」
作: 南條 範夫(原作)、山口 貴由
連載:チャンピオンRED (秋田書店)
定価:¥ 580(一部¥ 560)


ストーリー:★★★★☆

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★★★ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
時は江戸時代。将軍家の御前試合で対峙した二人の天才剣士。御前試合は、慣例として木剣を使用することが決まりですが、周囲の諌めにもかかわらず駿河大納言・徳川忠長の一意により今回は真剣を用いる事が決定。二人の剣士には決定的なまでの特徴がありました。一人は隻腕の剣士、そしてもう一人は盲目の剣士。両剣士には浅からぬ因縁があったのです。彼らが辿ってきた道筋とは、そして戦いの運命は!?話は彼らが出会うことになった七年前のある夏の日に遡ります……。

~レビュー~
武士道は死に狂いである。一人を殺すのに数十人がかりでかなわないこともある……。武士道の世界をよりリアルな描写で、人間の持ち得ている嫉妬や憎悪の感情、執念を巧みに描いたことで時代劇漫画、剣客漫画の新たな一歩を提示したと断言しても過言ではない傑作である今作。

冒頭では御前試合に真剣が用いられるまでのやり取りが作品の世界観を読者に感じてもらう為の舞台装置として描かれています。
真剣を扱うという決定、いわゆる暴挙に出る将軍徳川家光の実弟でもある駿河大納言・徳川忠長(とくがわ ただなが)。その残虐なエピソードの多くは逸話ではありますが、実際に非常に暴虐な性格だったことが記されているそうです。
忠長の家老である鳥居成次(とりい なおつぐ)は主の暴挙を正すために、自らの腹を切り裂いた状態で真剣試合の愚かさを説きます。そして極めつけに自分の腹に手を差し入れると内臓を直接見せつけるまでの覚悟。これを見て真剣試合の愚かさを!……しかし彼の願いは届けられることはありませんでした(と同時に暗君……と呟きながら死んでしまいます)。

はい、ここまで書いた時点でお察しの良い皆様ならおわかりのこと!なわけですが。

物語は全体的に通してグロイですw

グロもあれば若干のエログロも汚物系グロもなんでもござれ。
とにかく冒頭はこのレベルのグロさを設定、描いていきますが生理的に厳しい人は申し訳ないですが無理に読めとは……、とでも言っているかのような提示の仕方です。
正直な所、物語は非常に高水準で描かれており文句なしに読んだ人に面白いと言わしめてしまう時代活劇作品の最高峰というレベルにあるように思いますが、描写がいちいちきついので、上記の内臓を自ら見せつけるのような覚悟というのを垣間見てうわー無理そうと思った人は注意していただきたいと思います。
読まなくてもいいと言っているわけではなく注意としたのには理由があるのですが、ただのグロイ作品ではないということがあるからです。
物語の展開の妙や人物の心理描写、鬼気迫る絵柄などどれをとっても漫画好きならば必見の描写の数々。
全くグロイ描写に耐性がない人にはオススメ出来ないことも確かですが、ある種生々しい描写だからこそ作品の本質というか良さを高めているようにも感じています。
多少生々しい描写が苦手の人にも手に取ってみることを勧めたい、そう思わせてしまう濃厚な武士道の世界がそこにはあります。


さて、あらましの続きを簡単にみていきましょう。
物語は二人の天才剣士と称される人物の出会いに遡ります。
実は御前試合と呼ばれる作品のクライマックスを冒頭に持ってきて、フラッシュバックとして過去の話をメインに取り扱う手法を取っているんですね。
なので、作品でメインで描かれるのはなぜ二人の剣士が片腕になってしまったのか、盲目になってしまったのかを追うエピソードだったりします。
二人は元々ある剣術流派の道場の門下生同士でした。
後に片腕を失うことになる剣士を藤木源之助(ふじき げんのすけ)といいます。
若くして道場の師範代としてその道場・虎眼流の跡取りと言われるようになっていた好青年です。
実直で礼儀正しく、弟子達からの人望も厚い。
後に盲目になる剣士を伊良子清玄(いらこ せいげん)といいます。
元来の剣術の天賦の才で虎眼流に道場破りにきた清玄。周囲の人間を利用し、高い身分に昇り詰めようとする野心家です。実はその道場破りの相手役として藤木と対峙することになります。
結果は清玄の勝ち(その描写自体も物凄いポテンシャル、戦闘シーンは全て必見と言わざるを得ません!)、続いて相手になる師範の牛股権左衛門(うしまた ごんざえもん)と対峙した清玄でしたがその圧倒的な力によってねじ伏せられてしまいます。
すったもんだあって虎眼流に入門することになる清玄でしたが、この虎眼流の開祖にして岩本家当主の岩本虎眼(いわもと こがん)の狂気は作品そのものの狂気であると言えるでしょう。
「濃尾無双」と謳われる剣の達人であり、若かりし頃はのちの将軍家の剣術指南役として名を馳せることになる柳生宗矩(やぎゅう むねのり)とも互角(どちらかというと虎眼優勢)だった彼でしたが、晩年は精神に失調を来し、普段は「曖昧」な状態となっていて、時々正気に返るというような不安定な人物として描かれます。
虎眼流には入門儀式があり、その描写がぶっ飛んでいることがまた読者を作品の世界観に誘う手助けをしています。
入門者の額に煮詰めた豆を水飴に絡めたものを塗りたくり、虎眼が刀でその豆を十文字に寸断するというものなのですがそんなんありかとw
清玄はめでたく入門を果たし、藤木や牛股とともに剣術の道を極めようとしていくのですが、そこに絡んでくるのが時期当主選びの問題です。
虎眼には一人娘がいるのですが、その当主問題も若干のエログロを絡めて鬼気迫る描写が続いていきます。藤木は!清玄は!一体どうなってしまうのでしょうか!?
この続きは是非とも未読の方は自らの眼でその衝撃の展開の連続を見て欲しいと思います。
台詞回しや怒濤の展開の連続はまさに死狂い。
今作においては江戸時代の描写など外堀もしっかりと説明しようという雰囲気が感じ取られるため、時代物の活劇としてはアクションシーンは言わずもがなですが総じて抜かりのない作品のように感じます。
物語が現在の御前試合へと集約した時のボルテージの上昇は正直未知数。
どこまで盛り上がってしまうのかという怖さ。
まだ完結をしていない現時点なら、それをワクワクしながら待つことが出来ます。
皆さんも一緒にそのワクワク、さらには最高潮のクライマックスへと至るその過程、一緒に目に焼き付けませんか?



といった所で締めにさせていただきたいと思いますが、現在レビュー時点での12巻まででは過去の因縁の話がようやっと終焉に向かい始めており、今まさに物語りはクライマックスを目前に控えている(違ったらすいませんw)所で一気読みする幸せを考えればこれ以上ない機会なのかなと思っています。
読み進めれば最後、手に汗握る展開の連続で漫画ってこんなにも面白いものなのかということを再認識してしまうことでしょう。
個人的にはバガボンドと双璧、バガボンドを知っている人で今作を知らない人はそれ程の作品なのかと思っていただければ幸いです(実際に読んだ際の感性のズレなどについてはご了承下さいねといいわけしておきますw)。
イメージとしては、バガボンドは武蔵を中心とした武芸者との対峙を中心に描かれますが、その中での吉岡一門側の内情が今作なのかな、と。一門の中に武蔵のようなつわものがいて道場内での確執などが描かれていくのような感じでしょうか。もちろん年代的にもバガボンドの年代の後の徳川幕府三代目辺りの時代の話ですし毛色は若干違いますが。
武士道の世界には常に残酷さが伴っているのだとういうことはバガボンドよりも強く感じるポテンシャルを有しているかなと思います。
限りなく5評価なのですが、グロということで万人向けとはいえないことを考慮して4となっています。
個人的なポテンシャルの話をさせていただくならば5です。

※このレビューは12巻まで既読時のレビューになります

※新刊レビュー→13巻


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Date:2009/05/18
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