漫画レビュー~遠藤ってば!~

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 日常系・コメディ漫画好きへ □

つぶらら

                つぶらにはもっと路線で言えばクールビューティーな恥じらいキャラでいて欲しかったのが本音

■ふわふわまったり女子高生的日常コメディ■

「つぶらら」
作:山名 沢湖
連載:コミックハイ! (双葉社)
定価:¥ 630


ストーリー:★★☆☆☆

画力:★★☆☆☆ 

キャラクター:★★☆☆☆ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★☆☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
出版社からの説明を引用するならば驚異のボンクラ女子高生コメディといった所ですが、今作の主人公となるのは富士岡県静浜市の高校一年生・鈴置つぶら(すずおき つぶら)その人です。長身で口数の少ない姿から周りにクールビューティーと思われているつぶらでしたが、その実態は天然で怠け者のボンクラ女子高生でした。そんなつぶらが熱狂的にはまっているのがキャラメル☆エンジェルというアイドルグループ。彼女の趣味にかける情熱が次第に周りの人々を巻き込んで元気を与えていきます。限りなく女子高生の日常の一コマだけれどもそこには甘いお菓子のような素敵な日常が詰まっているのです。ある女子高生の青春の一コマが今まさに始まるのでした。

~レビュー~
昨年10月の4巻をもって完結、完結作品のレビューになる今作ですが終わってしまったんだなぁという寂しさとこの作品が持ち得ていたふわふわした爽やかさが一緒になって何とも言いしれぬ感情です。どちらかというと少女漫画畑で読み切りを頑張ろうとしている作者というイメージですが、今作者の中で一番長い巻数を紡ぐことになった今作。まだまだ単行本を続けて安定して出す作者ではないので、今後どうなるんだろうというお節介な不安はありますが、今作が完結した今、今後に対するさらなる期待を胸に秘め、レビューさせていただきたいと思います。


今作を一言で言い表すならば青春コメディになるわけですが、切り口が非常に独特である点をまずは話さなければならないでしょう。
淡々とした女子高生の日常を描いているといえばわかりやすいのかも知れませんが、今作においては言葉通り淡々とし過ぎている為に物語りの脚色だったり深みというものは感じられにくい作りになっています。本来の意味での日常系漫画というものがここまで無機質的なものであるのかという感覚を感じました。
女性アイドルグループの熱狂的なファンであるつぶら。けれど周りからは声をかけにくいクールビューティーとして見られているんですね。
ともすれば主人公の天然がきっかけで周りの学生と友達になり、そこから彼女の趣味のギャップによって周りの個性あるキャラと面白おかしな毎日を過ごしていく……であれば私がいつもレビューするような日常系漫画と同じなのですが、そう流れていかない所が今作の個性。
あくまで物語の中核を担うのはつぶらとアイドルグループの関係性で、その道筋が徹底されているが故に読者は主人公の行動だけに目を奪われますし、彼女の天然なコメディ要素のみに集中してぷふっと笑うことが出来るのでしょう。
ぐーたらな彼女が紡ぎ出すコメディ要素や崩し絵(顔の描写が崩れることで印象をつけるもの)のポテンシャルはなかなかに光る魅力を秘めています。
一言で言えば「和む」でしょうか。

作品の個性というものを逆の捉え方で表現するならば、短編やオムニバスばかり描いてきたからこそ連載作品としての物語の繋がり方の描写がまだ未熟であるといった側面もあるのかも知れません。
評価の話として最後に後述しますが、この辺りの弱さも含めて一定水準の面白さまで作品が昇華しているかと言われると否ということでの2評価になっています。


物語の展開は、画面の向こう側にいたアイドルという存在につぶらの意識しない中で次第に自分自身がアイドルへの道を辿っていく流れになっていきます。
強いて言えばそこで出会う一人の少女こそが主要人物でありもう一人の主人公とも呼べるのかも知れません。
こう言うとつぶらがアイドルになるシンデレラストーリーが主題になっていくのかと思ってしまいますが、本人にその意志は見られず、作品がどこに向かっていくのかわからない予測不能の展開に引き込まされてしまいました。
作者のほうであえて作品に深みを持たせないように意識しているんじゃないのかとさえ思ってしまう程に、この作品はどこに着地するのかわからない不規則な流れを持っています。

しかし今作が主人公自体の理念と進んでいく物語の展開に噛み合っていないという不条理が作品の独特のコメディに絡んで良さを発揮しているという点もあり、何とも見た目に反してこれだ!と評価を定めにくい難しい作品だなと感じました。
これを深みのないうわべだけの作品だなとするには抵抗を覚えますし、テンポ良くどこに転んでいくかわからない展開の妙は手法と呼んでもいいのかも知れません。

そんなどこに向かっていくかわからない今作も、4巻に入ると最終巻ということで終わり所を探し始めます。
具体的にどんな結末が待っているのかはもちろん皆様に読んで欲しいと思いますが、私個人としては最後まで初志貫徹していた作品の空気がとても感慨を覚える結果になりました。

こういう貫き方があるのか、と。

話を膨らませて5巻目6巻目というように続けさせることは可能だったはずで、そうあって欲しかったという想いもないわけではありません。
ましてや恋愛脳である私ですから、つぶらの恋愛が全面に絡んできたりすればそれはそれで歓喜だったでしょう。
しかし今作はつぶらの天然なボンクラさが紡ぎ出すコメディに笑ってしまうのが魅力であり、それを強みとして最後まで作品を貫いた今作は、作品の広がりや深みこそが連載作品としては大事だという私の固定観念を吹き飛ばすものでした。

故に私がその爽やかなラストを読んだ後は、ある種もっと話の深みが広がっていって欲しかった寂しさと作品がふらふらしてるようでしっかりとした芯をもっていたことに対する喜びとで相反する哀愁を引き起こしてしまいました。

当初は百合だとか萌えだとかオタクだとかを広告塔にしていた今作ですが、その要素とはまた違う素敵な何かを得られたことに満足。むしろ百合だ萌えだオタクだという要素はあまり得られなかったかもなと思います。


願わくば今後、作者がまた連載作品を持つようになるのならば、次はストーリー重視で通常の連載作品の趣のようなスタイルの作品を読みたいなと思ってます。
独特とは言い難いですが魅力的な崩し絵とコメディ要素の妙はラブコメで頑張っていくにはもってこい。

是非数多くの人がこの爽やかさと寂しさが相反する素敵な感慨を得られることを願ってレビューとさせていただきます。
まぁ読み手によってどんな感覚を得るのかは別問題ですが、何か読んだ人の心にそっと素敵な何かを落としてくれる作品であることは間違いないと思います。
ちょっぴり幸せな気分になれる、そんな作品です。

さて、最後に評価の話をさせていただくならば、大枠として表現されている要素は万人がにっこりと楽しめるものであることが言えるでしょう。
しかしその基準で言う所の4や5の作品は物語の基盤の面白さが突き抜けているレベルにあるのが前提なので、今作の万人の心をほっこりさせる良さというものを2の特出した魅力に位置付けています。つぶらの天然で読む人の心を暖かくしてくれるボンクラさ、ですね。
他は作りが総じて甘いというのは否めないかな、と。
次作、単行本で連載作品が始まるのをwktkしながら作者の応援を続けていきたい所存です。

※このレビューは1~4巻(全巻)既読時のレビューになります


* 「日常系・コメディ漫画好きへ」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2009/06/05
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback


+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。