漫画レビュー~遠藤ってば!~

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ハニカム

                律子の破壊力、宇宙の如し

■単純明快だが芯を据えている萌え要素に狂喜■

「ハニカム」
作:桂 明日香
連載:週刊アスキー (アスキー・メディアワークス
定価:¥ 578


ストーリー:★★☆☆☆

画力:★★☆☆☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★★ 

                              総合:★★★☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
叔父が店長を務めるファミリーレストラン「ハニカム」でアルバイトをする事になった大学生・御手洗 勉(みたらい つとむ)。ラブありコメディあり、個性豊かな従業員の仲間達との日々は今日も笑いに満ち溢れながらゆる~く過ぎていくのでした。

~レビュー~
同ジャンルとしてはタイプの同じ系統としてWORKING!!と比較されることが多い今作ですが、ただ単純にそれをしてしまう人はナンセンスと言ったら反感買っちゃいますね。WORKING!!も初期のウェブページ版の時代(まさか出版社から再構築して本になるとはその時は思いもせず)からファンで大好きな私が今回どういう風に今作をレビューするのか、是非ご覧下さい(ハードル上げるなw)






連載誌上では基本1話のページ数を4ページという形である種、連載誌の息抜きである4コマのような位置で連載されている今作。
連載誌上で読むのと単行本にまとまった物を読むのとでは違ってくると感じましたが、とにかく軽く読めるというのが言えるかと思ってます。
短い中でスパッと1話1話をまとめる技術は一定水準以上の技量をお持ちだと思います。
しかし逆の側面を考えると1話毎が4ページで区切られている形式なので、どちらかと言えば4コマ形式の趣であるでしょう。
ジャンルとして繋がりを呈したストーリー漫画としている以上、深みもへったくれもないので薄いというような側面もあると感じています。

ただし、

ただし、です。単行本でまとめて読むと想像以上に人物間での繋がりやストーリー全体としての繋がりがしっかり構築されているのに驚きます。
連載誌で読んでいるだけでは気付けない発見です。
あぁなるほど、欠点も含めて作品の推し所を作者はしっかり押さえているんだろうなという気兼ねをこの辺りの構築の仕方から感じました。
評価としては3という位置付けになっていますが、具体的な点については以降話していければと思います。

さて、一言で言えば個性的な美人揃いの女性スタッフ陣と主人公が絡みながらのファミレス系脱力日常ラブコメディみたいなイメージでよいと思います。
ラブコメと呈していますがジャンルとしては日常系漫画でも良いのでは?というくらいのものであると思っています。
ただラブコメとしての凄みというかポテンシャルが非常に高いので今回組み分けとしては恋愛・青春漫画の括りにしていますが、その辺りは読み手によって印象が変わるやも知れません。
展開は4ページが基本の話数の区切りということで、サクサク展開していきます。
作者自身も巻末などのあとがきなどで言われていますが、ラフに軽く楽しめるをモットーに構成されているためか気軽に読み始めることが出来ることでしょう。

ではここで少しあらましを再確認してみながら人物の紹介を簡単にしてみたいと思います。
この手の漫画はストーリー漫画の側面よりもキャラで保っているキャラ漫画の趣が強いので人物の魅力というのは大事なファクターです。

親の言いつけで叔父が店長を務めるファミレスで働くことになった勉。手伝わないと仕送りストップのような脅しもあり、乗り気ではないものの仕方なくアルバイトを始めることになります。
ある意味王道的な展開ではありますが、ウエイトレスの女性は美女で固めてたりというお決まりな設定のなかで同じようにホールスタッフとして働くことになります。
とはいえハーレム物かと言われれば否。
実は実直で極真面目な青年である努ですが、ある種天然な性格で、そしてまたハーレム漫画の主人公に見られるような「なよなよしさ」はありません。
作品自体がコメディに比重を置いたつくりになっているので、癖のある人物が周りを固めます。

勉が一目惚れすることになる高校2年生・湧水 萌(ゆうすい めぐみ)。美少女ではあるけれど典型的なオタク少女として描かれます。熱狂的なまでのシャア(ガンダムシリーズの登場人物)ファン。天然で痛い感じがするのですがそこは体を張って笑いを取りにいっているようにも素で痛いようにもスレスレのバランスで作品に華を持たせます。表紙画像で言えば右下の人物になります。

音節 舞(おとふし まい)は大学2年生で努の一個上の年齢でいわゆる年長者組。ツインテールでロリ、そして巨乳とくればあるあるw的な人物。実は計算高く乾いた性格をしている彼女ですが、面倒見が良かったりと様々な顔を持っています。表紙画像で言えば右上の人物になります。

ホール長を勤める正社員で謎の美女・妙子(たえこ)はご意見番的なポジション。その正体は謎で、生粋の日本人を自称している割には見た目は金髪の外国人という風貌。有能な人物で、全ての仕事を手際よくこなす姿は周りから尊敬の眼差しで見られています。仕事に厳しい反面、しっかり頑張る者には慈愛の精神をみせるまさにファミレス「ハニカム」のエース。アイコンタクトのみで意思を疎通させ言葉は決して発さない所も謎の一つ。表紙画像で言えば左下の人物になります。

貧しい家の生まれ、高校2年生・鐘成 律子(かねなり りつこ)は貧乳美少女にしてツンデレ属性の人物。詳しくは作品の根底の魅力にも関わってくるので、後述します。このキャラの為だけに作品を読んだとしてもお釣りが返ってくる程に作品の魅力の底上げをしていると言っても過言ではないでしょう。表紙画像で言えば左上の人物になります。

他にもキッチンスタッフの正社員であり、皆の頼れる兄貴にして脱力系イケメン・米斗 王里(よねと おうり)も主要人物でしょう。普段は周りをからかってばかりの25歳独身。舞とともに年長組に属します。作品の軽快なコメディ要素の架け橋的な存在でしょう。

また、こちらも表紙画像には載っていませんが、2巻目に入り新登場する守時 規子(もりとき のりこ) はこちらも破壊力抜群。むしろ主要人物を喰っちゃっているというか急に登場して主役ポジションをかっさらっていった印象です。アルバイトとして働くことになった女子高生なのですが、実はファミレスチェーン最大手企業の社長令嬢という存在なんですね。妙子に憧れて半ば潜入調査のような形でハニカムの一員になる彼女でしたが、次第に本当の仲間として彼らの輪のなかに入っていくことになります。

努の叔父さんの店長は……まぁ、いっかw(ひどす)



主要メンバーは以上になりますが、以降は作品の魅力を話していきたいと思います。
ある意味単純明快な作品で、タイトル通りというようなことを感じています。
いや、ハニカムが=としてはにかんでしまうようなラブコメの展開を指しているかは不明ですが、作品は至極はにかんでしまう展開の連続を提示してくれます。
もうそれしかないとも言えるわけですが、その強みだけを研ぎ澄まさせた作者の漫画表現の嗅覚の凄さ。
ラブコメ作品というものは得てしてどちらかの要素を重視したつくりになってしまいがちのように思いますが、今作のバランスたるや見事。
ラブの交錯を巧みに表現しつつもその土台に抜かりなくコメディ要素を添えてくる手腕、今作のようなものをラブコメと言うのではないでしょうか。
最近はラブコメになりきれてない純愛チックなものだったり、ラブコメを謳っている割にはコメディ要素が強くてラブはいつ来るの?orzな作品も氾濫しているようにも感じているので、そのなかでの今作を私個人としては非常に評価したいと思っています。

そしてストーリー的な弱さをしっかりと熟知したうえでラブコメの要素という観点では悶えさせるクオリティで描写されるその数々は、単純な萌えの追求ではあるという側面を考慮したうえでも唸らせられる一定水準以上の面白さを持っている作品だと思います。

読んでいてここまではにかんでしまう作品も珍しい。
ここまで引っ張っておいてなんですが、具体的に見ていきましょうか。


大きな主軸は恋愛模様なわけですが、ちょっと簡易的な相関を矢印にしてみると以下になります。名前だけ出されても未読の人はわからないと思うので、お手数をおかけしますが上記の人物紹介と照らし合わせていただければ幸いです。

努(淡い恋心)→萌
努(まんざらでもない?でも妹的目線強し)→規子
努(極稀にドキッ?でも妹を見る眼差し)→律子

萌(大好き)→オタク文化に付随する男性
萌(迷走のなかでもしかして?でも迷走)→努

規子(淡い恋心、けれど律子のこと思いやる気配り)→努

律子(心底大好き、けれど素直になれないてんぱり屋)→努



舞(好意的だが恋愛のステージまで踏み出せずにいる)→王里
王里(同上)→舞



大雑把に分けるならばこの2つの模様にドキドキワクワクはにかんじゃう!という話なのですが、何のことはない三角関係素直になれないアダルチックな恋愛模様の2つなんですよね。
しかしこの2要素は描写が見事であればあるだけ悶え指数を上げる鉄板です。
あ、三角関係については萌を抜かしてない?という意見が出てきそうですが、あれは論外っぽいと思います。というか最初は主要人物で努との恋愛にも大きく絡んでくると思われていた萌が天然痛い子みたいなある種おざなりとも呼べるキャラ立ちにされていることには少し悲しさを覚えたりもするんですよね。現在レビュー時点での2巻まででは何とも言えませんが、3巻目では萌にテーマが置かれるような雰囲気もあるので、決して作者がどうでもいいキャラと思って描写をしているわけではないとは思うんですが。。。
ある種、萌は作品のコメディ要素のために命を差し出した尊い犠牲者な人物なのかも知れません。

っと話が少し逸れましたが、まず三角関係から。
律子の努への恋心の描写は半端ないです。
素直になれずにどじってばかりの彼女を見つめる読者の顔がにやけているのを想像するのは容易い。
彼女の失敗と苦難、ひたむきさが極太の注射器を注入されるように私達の身体にドスドスっと響いてきます。ツンデレになりきれていないツンデレ要素がぐわっしぐわっしと萌え好きの読者の心に風穴を開けていきます。
あえてどんな話があるのかは言いません、実際にお読みいただきたい。
これでにやけなければその人にとってラブコメ、強いては恋愛漫画はオススメ出来ません。
そして規子の描写も双璧。
努は自然体で(ある種天然)規子の心を鷲掴みにするような言葉を立て続けに発していくのですが、この規子がまた素直の塊で可愛過ぎる。社長令嬢としての気品さは保ちながら素直に努に惹かれていく描写はマジぱねぇっす。
姫君っぽい口調というか雰囲気も抜群の破壊力。それでいて律子に配慮する気高さ。彼女が本格的に努との関係を考え出したのなら、その時読者の前に押し寄せる萌え悶えはとんでもないことになるでしょう。


……と、青臭い恋愛模様にふっと割り入る舞と王里の恋愛模様も秀逸。こちらは目立って描写されることもないですし、あくまで雰囲気を醸し出すだけのような感じなのですが、いいスパイスになっているんですよね。こちらも是非実際にお読みいただいて体感して下さい。


そろそろまとめに入りたいと思いますが、今作がやっていることは二番煎じとも捉えかねないというかそういう側面もありますし、ラブコメ的展開も王道。
ストーリーも練りに練られたというわけでもありません。
しかし、その中で1話でキチッと収めてくる構成と連続して単行本にした時の繋がりの配慮、そして何より萌えとか悶えという要素に対してストレートに、けれど高水準で提示してくれる描写の数々は素直に面白い作品だと声高に主張したいと思います。
作品として薄いのかと聞かれれば否。
薄いというような表現はストーリーが薄っぺらかったり安易に萌えばかり推している作品に言われやすいと思いますが、推せる要素をしっかり表現出来ている作品は良作なんだ、そういうことを改めて考えさせてくれる作品です。
推し所が差して見当たらない作品を薄いというのならまだわかりますが、そもそも薄い漫画なんてあまりないですよね。
何かしら面白い要素ってあるものです。
今作はその要素が特出していながら良し悪しを理解した上で惜しげもなく魅力を発揮している作品ということで、3という総合評価になりました。


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Date:2009/06/16
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2009/06/17 【】  #

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