漫画レビュー~遠藤ってば!~

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ゆびさきミルクティー

                壮絶な色気

■最近は女装美人男性もいるからこその破壊力■

「ゆびさきミルクティー」
作:宮野 ともちか
連載:ヤングアニマル (白泉社)
定価:¥ 530


ストーリー:★★★☆☆

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★☆☆ 

構成力:★★☆☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★☆ 

                              総合:★★★☆☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
高校1年生の美少女顔の少年・池田 由紀(いけだ よしのり)。女装にのめり込んでいく日々、そして幼馴染みの森居 左(もりい ひだり)と同級生との黒川 水面(くろかわ みなも)との三角関係を心理描写豊かに描きます。女装姿の自分を親友に惚れられてしまうほどに鮮やかな変身をみせる由紀。様々な想いが交錯する中で描く青春群像劇です。

~レビュー~
やっとこさレビューすることになった今作ですが、すっかりレビューするのを忘れていました。恋愛漫画としての心理描写のポテンシャルはなかなかに高く、ともすれば広義にオススメしたくもなるのですが、実は女装というテーマがドシンッと作品に根を下ろしているため、安易にオススメをすることが出来ないのも事実。そんな状況の中思いの丈を忌憚なく語りたいと思いますので、参考にしていただきたいと思っています。





実は現在レビュー時点での話をすれば7巻が発売した後、作者の都合により連載が休止してしまっている作品になりまして、休止期間はもう2年を超える期間にもなっています。
ファンとしては復活を待ち侘びる日々となっている状態ですが、これから作品の世界にはいっていく人はその辺りの事情を把握した上で読み進めていただければと思います。

さて、今作は女装を題材にした漫画というわけで、その中でもコアなファンを獲得し続けているまさに女装漫画を代表する1作であると言えるでしょう。
以前書いた百合入門の記事では中級編に位置付けさせていただいた作品になりますが、実際には至極真っ当な男と女の恋愛模様であるので厳密に百合ではありません。
女装をした主人公とヒロインの絡みを垣間見てそれっぽい精神的な空気を巧みな心理描写の表現とともに感じることも出来得るということで位置付けさせていただいておりました。


して、男性読者の視点に立つならば、ヒロインに萌えるのはもちろんのこと主人公にも萌えてしまうという特殊な環境を作り出すのがこの女装領域。
そして女性読者の視点では、主人公が女装をした際に同性から惚れられてしまうことを垣間見てBL的な匂いを感じる特殊な環境を作り出すのもならではの味、でしょう。
この2つの視点というのはそれだけでも特異なわけですが、どの同ジャンルでもこの魅力を感じられるのかといえば否だと思っています。
やはり根幹で作品を支えるのは物語の引き込ませる展開、そして丁寧に深く掘り下げて表現されるキャラクターの心理描写だと思います。
それが今作にはあると思っています。
恋愛漫画の、それも女装漫画ということで一般的に広義に面白さが伝わりにくい中で、特異ジャンルでもしっかり読ませてくる技量は流石。オススメ度としては良し悪しを見つめ一定水準以上の面白さを確率しているということで3となっています。


さて抽象的な話はこの辺りにしておいて、実際にあらましの続きをみていきましょう。
元々美青年顔だった由紀。写真屋でのアルバイトがきっかけで違う自分になれる喜びを自身の女装の写真に見出していきます。
自分の姿を見てうっとりする主人公、さてはナルシストだな!でも…、

あの可愛さどうゆうことなの……

最初は屋内だけの女装でしたが、次第にその願望は強まり、屋外での女装での写真撮影を、とテンポアップしていく様がすぐに描かれていきます。
由紀には年下の妹のような存在の幼馴染がおり、この左の存在が作品の切り口になっているでしょう。由紀には妹扱い、こども扱いを受ける左ですが、彼女は由紀のことが好きで堪らないんですね。
時折大人な顔をみせる左に内心ドキドキの由紀、そしてそんな左の内面の成長や由紀への想いが萌え悶えのポテンシャルとしては高水準で読者に提示されていきます。
女装姿で外出した先で左と遭遇してしまうなんて展開も最初の巻数で展開されており、それがばれてしまうのも同じ1巻目でというほどの展開なので、中には性急過ぎる印象を持ってしまう人もいるでしょう。
そして三角関係になっていくもう1人のヒロイン、同級生の水面と由紀との関係性も展開の速さを感じるには十分なポイントです。
クールでツンツン系、眼鏡キャラだけど実は素顔は超美人。男嫌いな水面と交友したい、女の子なら話に乗ってくれるかも。
そんな逝っちゃってる思考で女装姿で学校に侵入、彼女に声をかける由紀でしたが、速攻ばれるんですよね(笑)
ばれた代わりにクール系の水面がデレていく過程を交友により得るわけなのですが、とにかくこの三角関係に発展していくまでの道筋がとにかく早い。
そして、由紀の身長が成長期で高くなり、声変わりも始まり女装が出来なくなる!?というような側面も1巻から勢いそのままに描写が差し入れられます。

実はこの展開の速さには理由があり、当初は6回の短期掲載作品だったものが一部のターゲット層に物凄い支援を受け、後押しの結果本格的に連載が始まった作品だったんですねー。

始めの頃はその場その場での登場人物の心理描写などは◎ですが、通しての物語展開はどうしても甘い箇所が感じ取れてしまいます。
しかし、それもきっと読み進めていけば萌え悶えの前に気にならなくなるでしょう。

ここまでの話を伺うとこう思った人、いるんじゃないでしょうか。

エロゲー的な展開だな( ´∀`)

何故女装が世間一般的にばれない?とかは漫画的な良さなので割愛するにせよ、可愛い幼馴染だツンデレ系統(水面でいえばツン2:デレ6:マジキチ2ぐらいで微ヤンデレなのかも)の同級生だ、主人公の思考はエロゲ主人公脳だわでそう思われるのも極自然な流れです。

しかし本作には圧倒的な特徴があります。
基本メインキャラが全体的に病んでいる側面を持っている点です。

主人公だけが一本調子で優柔不断な性格で優男であるならば、読者としてもハーレム漫画を見るような、引いた目を持ってしまうと思います。
ただし本作は、まずヒロインの左も水面も結構ぶっ飛んでる性格を内に秘めていたりします。
その淫靡な空気感と病んだ世界観、本来の女装というテーマがもつ特異性が交わり、一歩足を踏み入れてしまったかのような錯覚とジャンルの魅力に取り付かれてしまうのでしょう。


由紀が左に女装時の自分=自分だとカミングアウトするシーンでは、

「嬉しい、嬉しい、すごく嬉しいよ」と言いながらそのカミングアウトに涙をする左。

え?何この違和感、そう感じる人も出てくるかもしれません。

「見たい見たい、見せてよ紀くん(=由紀)の泣くとこ」

これは水面と由紀との仲に焦りやもやもやを感じた左が泣くなよと由紀にあやされた時に発した言葉。
左にとっては由紀の素顔を、カミングアウトをして自分を一番に大事にしてくれていることがうれしいんでしょう。
なんだか狂気染みた内面を垣間見てしまいます。


一方の水面もこれまた危うい内面を持ち合わせた人物なのですが、それがわかるのは2巻以降ですし、私のレビューでは割愛させていただきます。
ただ、ツンデレでもないのかも知れませんし、ましてやヤンデレでもないかも知れませんが眼鏡美少女で他人と距離を置くクール系が実際に接し始めて心を開いていくと好き好き!になっていく展開、これは萌えざるを得ませんし、悶えざるを得ない魅力だと思います。


また、由紀の姉で家の事情から由紀の面倒を全てみている池田 未記(いけだ みき)もかなり逝っちゃっています。それがわかるのはもちろん2巻以降になるのですが、登場人物がどこかしか逝っちゃってるのが非常に原始的な言い方をするならばそそられるということなのだと思ってます。

否、逝っちゃってるという表現も適切ではありませんが、なんというか……、どこか精神的に過剰になってしまう激しい内面を主要メンバーは皆持っていて、その不安定さと主人公の厨二病染みた思考回路とかが良い意味で恋愛ドラマを盛り上げるうえで絶妙に掛け合わさっているのかなと思います。
これくらい大胆にぶっ飛んだ展開をしてくれていたほうが女装を題材にしている以上はマッチしやすいとも思いますし、そういった人物間でのやりとりがありながら心理描写は丁寧に描いてくるので、良し悪しを得ているなぁーという印象を強く持ちました。


……とここまで語ってきて、

ぶっちゃけキャラの心理描写が巧いある種エロゲのようなノリがたぶんに含まれているのも否定できず(えw

読者によっては展開に突っ込むし、主人公の苦悩には失笑するかも知れないし、主要人物の狂気染みた側面には若干引くかも知れません(特に左とか)。
ただし、だからこそ主人公が女装すると登場人物内で一番可愛いとかそんな不条理も良い具合に溶け込んでいて、設定や展開がある種ぶっ飛んでいるからこそ割り切って萌え悶えの世界に身体を託すことが出来るのだと思います。
この展開や設定の大胆さというものはそのままではマイナス面にもなってしまいがちですが、今作のように登場人物の心理面を丁寧に描こうとしているなどの側面があるとプラスになるのだなというようなことを感じました。
ということも垣間見ると、そもそもがその作品の大胆さに読者がついていくからこそ面白さを体感しやすい側面があるので、この辺りで整合性を物語を読むうえで重視する人やエロゲ的なノリが合わない人には面白さを見出すことが難しいやも知れません。
ただし、女装漫画というフィールドで心理描写を丁寧に描きながら萌え悶えのポテンシャルをここまで引き出せれるのは作者の才能であり技巧の為せる技でしょう。
是非とも事前情報で構えてしまった人にもその萌え悶えの真髄を体感して欲しい、そう強く思います。



そろそろまとめたいと思いますが、って上記でまとめちゃいましたがとにかく休載が非常に残念でならないです。と同時に復活を待ち侘びる日々。
もう2年ですからもう1年、2年は待つということもリアルに視野に入れたうえでなければ新規で入っていく人には厳しいかも知れません。
遅筆&イレギュラーな休載&発刊ペースの遅さなどに耐性のある人は女装漫画の萌え悶えという観点を是非この機会にとオススメしたい所ですが、耐性がない人は注意が必要ということで締めさせていただきたいと思います。
そうでないと面白いとボルテージが上がってきて7巻を読み終わり、次の巻は!?となってしまった時に厄介でしょう。

早く連載が再開することを祈って……!!

※新刊レビュー→8・9巻

※このレビューは7巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/07/06
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