漫画レビュー~遠藤ってば!~

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スマッシュ!

                少年誌という枠のなかでは恋愛パートも健闘していると思う

■スポーツ描写、歪みねぇな、そして恋愛面ぱねぇ■

「スマッシュ!」
作:咲 香里
連載:週刊少年マガジン (講談社)
定価:¥ 440(一部¥ 420)


ストーリー:★★★★☆

画力:★★★★☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★☆☆ 

遠藤のツボ:★★★★☆ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
青春バドミントン・ラブストーリー開幕!主人公・東翔太(あずま しょうた)は中学でバドミントン部に所属する心優しい少年。中学3年の冬のとある日のこと、体育館の外で涙を流す少女を見つけます。彼女と成り行きで試合をすることになった翔太でしたが、その強さに圧倒されてしまいます。その謎の少女のことが次の日になっても忘れられない翔太。彼女の存在が、才能だけでくすぶっていた翔太をバドミントンの世界に導いていきます。

~レビュー~
まず始めに少し小話を。いやだいぶ、かも知れませんがw
今作は週刊少年マガジン連載ということで、ジャンプだマガジンだという連載誌の作品は知らない人などいないんじゃないかってくらいの注目された土台で魅力を発揮している作品ばかりだと思います。私自身も数年前までは週間・月間ともにマガジン作品を追っていたのですが、丁度今作が登場し始めた2006年にマガジンの購読は週間も月間も止めてしまい、当ブログを興すまでは漫画熱も沸いていなかったので、今作を知るということがないままでした。

なんたる失態!

そんな状況でお世話になっているプリン味サワーの10さんが書かれている記事を読んで遅まきながら今作を知らせていただきました。
その記事がこちら→「スマッシュ!」 1番可愛いのは吉川先輩だと思う

バドミントン漫画自体があることすら知らなかった自分としては完全に意表をつかれました。バドの描写についてはあまり触れられていませんでしたが、恋愛パートのポテンシャルが何やら物凄そう……この記事が5月のことで、私はこの記事を読んで数日、本屋に駆け込んで全巻購入したのでした。


てなわけで10さんに捧ぐ的な裏設定もありつつレビューしていきたいと思います。


まず、私……経験者です、ええ( ´ー`)
皆さん、バトミントンではなくバドミントンですからね!
バガボンドをバカボンドという風に間違えてしまうくらいの細かさですが、間違えたら恥ずかしいのでこの機会に間違えていた人は覚えていただければ幸い。

どれくらいだったのかはこれ身バレの可能性もあるので(笑←ないないw)県(今作で言う所の都)大会の次にその地域いくつかの範囲をまとめた上位大会があり、そして全国大会というものがあるなかで、惜しくも上位大会に出れなかったくらいってことで。
実は全国大会で何本指に入る選手と対峙して散ったというのが私の競技人生の最後なので、そういった選手達(トップクラス)の視点で描かれる今作は非常に感慨深いというのが率直な所です。
なもんで、競技を嗜んだことがある人物の視点ということでいつもとは一風変わったレビューをしていければと思います。



前置きがなげー、というわけであらましの続きをみてみましょう。
翔太が中学3年の冬に出会った少女、鬼頭優飛(きとう ゆうひ)こそが今作のヒロインになります。何か事情があるようで喋ることが出来ない女の子、しかしバドミントンの実力は目を見張るほどということで、翔太は彼女に一目惚れしてしまいます。

うん、ヒロイン可愛いですもんね!

口が聞けなくておろおろと思いきや実は芯が通っている。ジャンルは違いますが、将棋漫画「しおんの王」主人公と似た萌えがあるかな、と。
昔の事件がきっかけで喋れなくなった萌えってやっぱり一部のコアな属性の人にはびんびん来るんじゃないですかね。
ちなみに上記の画像で言うと左下の人物が主人公の翔太で、左上の人物がヒロイン・優飛です。
使用している画像は12巻のものですが、1巻から画力が安定しているので、絵柄のポテンシャルは当初から非常に高いということは言えるかと思います。

さて私の期待感を裏切らない描写力が1巻から爆発します。
翔太には幼馴染がいるのですが、それが岡本美羽(おかもと みわ)です。気が強く、優飛とはどちらかというと逆属性。
表紙画像で言うと右下の人物になります。
実は彼女は中学の全国大会でシングルス全国8位というバドの腕をもっているんですね。漫画の世界ではへぇー凄いじゃん程度しか捉えられにくいですが、これが如何に凄いのか。
学生時代というのは中学も高校も3年間ですので、上下2年の幅でということで話しますが、都内ではその基準での同世代でバドをしている者だったら知らぬ者はいないレベルの豪傑であることは確かでしょう。
そんな彼女が同じ部内で翔太のスマッシュだけは取れないということを示唆して翔太のポテンシャルが序盤に表現されてゆきます。

あぁ。翔太は才能はあるけれどくすぶっているのだな、そう多くの読者は思うことでしょう。

厳密には否!

まだ中学生となると小学生時代から嗜んでいる層と中学から始めた層がごっちゃになっており、大抵大会で上位になってくる者は小学生時代から練習を積んできている層が大半なんですね。
小学生時代でも同様の大会というものは開催されているので、そこで上位だった者が中学でも大会を席巻するわけです。
中学から始めた場合は余程才能があって指導者に恵まれたとしても3年で全国大会へ出場するってことは皆無に近いというのが経験談です。
ということは美羽は十中八九で幼い頃からバドを嗜んでいたということがいえるだろうし、翔太も同様にそうなのでしょう。
はっきりいって女子で全国8位になるような腕を持っている場合では並の男子プレイヤーでは中学の時点であれば敵いません。
そんな腕の者にあのスマッシュは取れないと言わしめる翔太のスマッシュ。
翔太の中学での大会の成績などは明示されませんが(物語が高校入学とともにスタートする面もあるので)、恐らく翔太のポテンシャルであれば都内なら優勝しているくらいの実力でないとおかしい。

この物語は才能だけでどんどん強くなっていく主人公を据えた物語という大枠として捉えられがちですが、実は努力を重ねて主人公は相当強いという下地があるのだということは忘れてはならないでしょう。
漫画的なノリを追求した結果として才能開花みたいな流れになっているのは納得ですが、中学3年の冬まではスマッシュに光るモノがあったが、大した選手ではなかった。それが高校に入学して厳しい練習と強敵との試合を経て全国トップクラスの選手になっていく……というのは整合性でいえばナンセンスだってことは指摘したいと思います。
大した(全国に行くほどではないにせよ都内ではトップクラス)選手ではなかったってな所が実体像でしょう。

そんな側面も垣間見ながら、舞台は高校へと移っていきます。優飛以外にも翔太のバド心を燃えさせる人物があの冬の一件には絡んでおり、それが羽柴亜南(はしば あなん)です。
気が強く勝気な性格でいわゆる問題児タイプ。今語った内容の裏付けにもなるのですが何故か全国トップクラスと思われる実力を持っていながら公式でのデータがないという亜南。表紙画像で言うと右上というか上段に位置している人物です。翔太とあの冬の日に対戦するんですね。
その亜南をして出来る!?と思わせてしまう翔太なのですから、物語は出来レース調になっていることは否めません。
とはいえスポーツ漫画でこういった主人公らが心底強いという描写は珍しいわけではありません。むしろ漫画で華がなかったらどうすんじゃいってなもんでこういった描写は多いでしょう。
しかしいかにもな成長物語として表現しようとしていますが、その過程の描写に至っては甘いというのが率直な所です。
元から強くてそのまんまの実力をただ表現しているだけというのは作者の取材が強豪校だけに絞られているからなのかなぁーと推測しました。
一般的に読んでそう思わせない技巧は流石。
そこにトップクラスの人達の下に位置する人物達をも絡ませて魅力を引き出せれていたのなら間違いなく私のなかでは傑作になり得たかなという気兼ねを持ちました。


さて、バドの強豪校に入った翔太、美羽、亜南の面々。
なんとそこには優飛が!?
ここで展開される恋愛パートの萌え悶えのポテンシャルは並の水準の作品では太刀打ちできない程の良さがあると言っても過言ではないでしょう。
お決まりのパターンなんですが、翔太の幼馴染の美羽は翔太に恋心を抱いているんですね。
しかしそんな想いとは裏腹に翔太と優飛の関係は進んでいきます。
一方でそんな落ち込む美羽を元気付かせたい亜南ですが、お互い勝気な性格で衝突、喧嘩ばかりしてしまうんですね。
そうです、主人公・翔太とヒロイン・優飛は勝手によろしくやっててくださいってな話でして、素直になれないツンデレ(というより勝気)属性の亜南と美羽、この関係こそが萌え悶えの極意なのだと思っています。

バドの本パートに絶妙な加減で恋愛パートが入ってくるんですね。
恋愛好きにとっては堪らない、痒い所に手が届く構成やバランスでしょう。逆にスポーツ漫画本来の醍醐味を目的に読む層にとってはちょっとくどいと感じられることと思います。
ただ客観的に恋愛パートを見つめる分には、少年誌で、しかも週刊誌でこのレベル(にやにや指数高水準)を保っていながら本元のスポーツ要素を破綻させていないというのはお見事と評価してよいのではないでしょうか。

同学年では全国から集められたトッププレイヤーが、そして先輩には全国優勝を果たすような面々が出てきますが、どの人物もモブキャラにならずに生かされた表現をされているというのも驚きました。
相関図が巧み。
練習風景やフォームなどもしっかり練られて表現されているので、上辺だけのスポーツはなんちゃって要素の恋愛漫画というような低俗なものにはなっていないのが恐らく経験者にとってはうれしいのではないでしょうか。
もちろん作者自体も経験者(大人になってからのだとは思いますが)であることやスポーツジャンルのなかではマイナーなバドミントンを漫画描写していくのですからその心意気の高さは言わずもがなでしょう。
ただそんな状況ではありますが、そんなマイナージャンルだからこそここまでの高水準で描かれることに喜びを隠し切れません。

私が読んでいてハッとしたシーンはいくつかあるのですが、いくつか挙げてみましょう。
最初の段階でコーチが言い放つ言葉にこんなものがあります。


「考えて打つ」これが出来なきゃバドミントンはうまくなれないわ

ただの打ち合いで力が強い方がスマッシュをばしばし打ってねじ勝つ、そんなイメージを持っている人が多いかも知れませんが、実際には決定打のようなものは生まれにくいもので、打つコースや相手の癖、などを状況判断しながら打つショットを使い分けて頭で考えていかなければ上達はしませんし勝つことは出来ません。
相手をラリー(打ち合い)の中で追い込んでいく頭を使った技巧が必要なわけですね。
厳密には考えないで打ってもある程度のレベルまでには到達できるのですが、超えられない壁のようなものが見えてくるんですね。
初級・中級者と上級者の壁というものを的確に表現するこの台詞回しなどは作品の魅力を底上げするのに一役買っていると言えるのではないかと思います。

またバドミントンにおいての実力差の表現は唸らせられました。
作品内でどう定義されているかというと技とスピードだと表現されています。

実際その通りで、作中で語られている通りスピードは日頃体感したことのある速度以上になると対応することが出来ないというのがあります。

野球で例えるなら130キロ前後でしか練習や試合を体感していなかったチームが150キロ台でコントロールも良い怪物級のエースがいる相手と戦った所で手も足も出ないようなものです。

バドミントンの世界ではスマッシュはやれ200キロだやれ300キロだと速度においては野球の比ではないことが言えます。
スピードが速い中で行われる競技であればあるほど顕著に現れてくるってのは言えるかと。

試合中にそのシャトルの速度の違いを見せ付けられると戦意喪失するのだという表現があったのを読んで思わずあるあるwしちゃいました(笑)

身体が追いついていかないんですね。
もうそりゃこれは負けるって試合中に痛感しますから。
という意味では作者の取材力は見事と、私はそう感じます。

このように挙げれば切がありませんが確かな分析の元で物語が進行しているので、経験者にとっても未経験者にとっても面白さを体感することができる作品の幅が生まれているように思います。

そして恋愛面という意味でいえば、物語が進んで翔太達が2年以降になっていくと翔太と優飛の関係の揺らぎ、そして翔太を好きになる先輩(なんというボイン美女)や後輩(クールで恥じらい系のはんぱない可愛さを持つ)が交錯したり、美羽と亜南の関係の中に後輩で亜南に好意的な人物が現れたり美羽のことを好きな後輩も出てきて……と、恋愛脳である人にとってはめしうま状態な描写が続くということもあると思います。
また今回のレビューでは語ってはいませんが、主要キャラになってくる先輩らの恋愛関係などとにかく恋愛パートは攻める攻めるの猛チャージ。

安西先生……、にやけ顔を止めることが出来ません。恋愛がしたいです……安西先生。

少年誌ならではというか作者が女性ではありますが成人向け漫画で百合やレズを得意手としていたという時期もあるのが影響しているのかは定かではありませんが、サービスシーンの描写も巧いですね。



ということを顧みると、こんなに恋愛面だけで埋もれてしまいがちな所、しっかりバドミントンというスポーツジャンルの漫画として面白さを維持しているバランスというのはもっと評価されるべき作品なのではないかなと、結論としてはそのような所に落ち着きます。
いや、確かにスポーツ描写の良さが足りないと感じる人もいるでしょうし、恋愛パートやりすぎじゃね?と思う人もいて然るべきだとも思います。
まぁでも……、


だがそれがいい


恋愛・青春漫画に入れたいくらいの作品ですが、スポーツということでそちらへ組み込ませていただきました。この漫画がきっかけでバド人口がもっと増えればいいな!なんて思いますし増やすことを担える素晴らしさを有している作品だと思います。

じゃぁ最後に一言。

美羽可愛いよ美羽(*´д`*)

もっと恋愛パート増やせばいいじゃない!萌え悶えればそれでいいじゃない!

※このレビューは13巻まで既読時のレビューになります

※新刊レビュー→14巻 15巻


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Date:2009/07/14
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