漫画レビュー~遠藤ってば!~

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もやしもん

                蛍(けい)可愛いよ蛍(けい)……結局そういう自分が嫌いでもあるがやっぱ好き

■大学→社会、この間に何を見つけるか■

「もやしもん」
作:石川 雅之
連載:イブニング (講談社)
定価:¥ 560(一部限定版は料金が違います)


ストーリー:★★★★★

画力:★★★☆☆ 

キャラクター:★★★★☆ 

構成力:★★★★☆ 

遠藤のツボ:★★★☆☆ 

                              総合:★★★★☆

※詳しい評価基準はこちらの採点項目をお読み下さい


~あらまし~
東京にあるとされる「某農業大学」に入学した主人公・沢木惣右衛門直保は「もやし」屋こと種麹屋(たねこうじや:醸造食品と呼ばれる食品の製造に用いられる麹を製造したりする醸造メーカーのこと)の息子です。彼には、「菌の存在」を知覚できるという不思議な能力が備わっており、菌達と会話をすることが出来ます。個性豊かな大学の面々とともに彼が巻き込まれる大学内での騒動が農大という特殊な舞台で繰り広げられます。

~レビュー~
このもやしもんですが、最近は様々なメディア展開で噂によく聞く作品の1つとして捉えられていると思います。

デフォルメされた漫画表現としての菌、とても可愛いです。
どうやらグッズ商品は大人気のようで、なんとも懐の暖まるお話ですね。
現に私も菌の携帯ストラップやら人形やら色々と所持しておりますが、なんという可愛さ!

さて、おおまかな物語展開はあらましでまとめたようなものなのですが、あまりにも菌の可愛いというイメージが先行しているために、スポットに当たっていない面白い要素が多々ある作品ではないでしょうか。
まず始めに注意したい点は、ストーリー漫画として期待して読み始めるスタンスはどちらかという否ということです。
どういうことかと言うと、もちろん巻が進むに連れて人間関係も色々と面白くなっていきストーリーとしての深みは出てくるのですが、この作品には根底に流れる教書的な側面があるということです。
農大を舞台にしているので、ウイルスや菌、発酵だったり農大ならではの側面が非常に豊かで細かい説明とともに描かれます。
これが読んでいて非常に納得・関心することが多く、その分野に携わっている人もいない人も大いに教養が身につく良さがあります(漫画で得られる情報で全ては鵜呑みには出来ませんが)。
しかしながら、です。
ある種そういった教書的な側面がストッパーとなり、ストーリーは舞台装置の一環というような面を私は感じました。
というのも私がもやしもんに期待して読み始めたのがストーリー漫画としてだったからかも知れません。
とは言ってもそんな私であってもとても楽しめていますし、教書的な側面が作品にマイナスになることはないので読む前の気構えという点で理解していただければと思います。

さて、作品に触れるとキーワードになっているのは主人公である沢木君が菌を知覚出来るという点が第一に挙げられると思います。
しかし、意識的になのか無意識的になのかこの沢木君が菌が見える能力を駆使して大活躍するということが作品内ではほぼありません。
むしろ主人公が空気。
しかしこの空気という点を私は評価したいと思っています。

登場人物内には沢木君の能力を利用したいと思っている鍵になる人物がいるのですが、考えてみれば話の大筋として色々と基礎知識を得てから能力を発揮する為にということで周りの人間は沢木君の能力に頼らないというスタンスなため、新入生の1年である沢木君は現段階で空気にならざるを得ないのかも知れません。
今後、作品が終わりに向かうとしたら如何にこの能力を上手く利用したストーリー展開として締めれるかにかかっているような気もしますが、教書的事例は山のようにあり、作品はまだまだ続きそうではあります。

して、主人公が空気による恩恵がいくつかあると思っています。
一番の点は菌が見える能力が差し引いた時の沢木君の存在意義、です。

これは物語の中でも言及されるのですが、一時期沢木君は菌が見える能力が消失してしまいます。利用しようとする者達にとって菌が見えない沢木君の価値についての是非が本人を前にして突きつけられることになるのです。
これって結構非情なもので、明確な目標のないまま能力に関係のある農大で道を探そうとして入学した沢木君にとっては考えさせられる場面になっています。

これは何も沢木君だけの問題ではなく、そのまま高校、その先には大学や短大・専門学校など社会に出る前段階としての生活を送る者達にとっての問いでもあるんじゃないのかなと思うんです。

何がしたいのかとか明確に目標を持っている人ばかりではありません。そして、それは例えば大学に入って見つければいいや程度の気持ちではなかなか見つかるものでもないと思うのです。
沢木君の成長を通じてただ作品として面白いと思うに留まらず、その先のビジョンについても考えさせられるポテンシャルをもっている点において素晴らしい作品だなと感じています。



そして忘れてはならないのが発酵についての専門知識の描写に起因する大学生活です。
これが本当にとても魅力的で、内容については実際に本を読んでいただくにしても特にお酒のテーマなどは酒好きの人にはドストライクです。

普段はビールや焼酎しか飲まない人がこの漫画の影響で日本酒に興味を抱いたりしているんじゃないのかなぁと思います。
そういった意味では画期的な漫画だなと。
むしろお酒が苦手な人にとっても興味の沸く内容になることは間違いなさそうです。

日本酒に限ったことではありませんが、飲み口が優しかったり苦手な人でもおいしいと思えるお酒はいっぱいあります。
少ししか飲めないような人でも自分に合ったお酒を探す楽しみみたいなものもこの作品から芽生えたりするかも知れません。


そして農大特有の描写についても言及せざるを得ません。
新入生歓迎会に始まり、大学特有のイベントの描写が上手い。
口で説明するのは難しいですが、わいわいがやがやした感じというのは擬似体験としての良さみたいなものが十分得られると思います。

さてここからは個人的に好きな点挙げていきたいと思います。

主人公、沢木君の幼馴染である結城蛍……ぱねぇ。

もう実際に読んでいただく他ありませんが、なんという個人的に直球ど真ん中なキャラクター。

男でいいんで嫁になってくれ

読めばわかるとしか言えませんが、何が何でも読んでくれぃ!という気分。

そしてまた、沢木君達の先輩になる二人の男子学生も良い味出しています。
こういう面倒見の良い先輩っているよなぁー。


よーするに登場人物、皆魅力的で良いですってことですね。

最後に、本来この漫画に求めちゃいけないと思うんですが、恋愛漫画好きの自分としてはもうちょっと恋愛要素も入れてくれたらうれしいなぁーという個人的な想いがあります。
これまでも作品内ではほのかに(本当に残り香程度に)そういった側面は出ているのですが、これからもアクセントして今以上に物語に絡めていって欲しい。
ストーリーとしての弱さを恋愛面で補強してもらえると、個人的には神作品になるのですが、まぁ色々と今後も注目の1作です。

※新刊レビュー→8巻

※このレビューは7巻まで既読時のレビューになります


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Date:2009/02/01
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